回答者の5分の1は体調不良!? 受験当日のハプニング

アンケート期間 2010/12/22~2010/12/28 回答者数:1,374人
アンケート対象:全国の本サイトメンバー 小・中・高・大の受験を経験したことがある子どもを持つ保護者
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある


回答者の5分の1は体調不良!? 受験当日のハプニング


今回のアンケートは「受験当日のハプニング」について、小学校、中学校、高校、大学・短大、専門学校と、それぞれの受験を経験したお子さまを持つ保護者にご回答いただきました。どんなハプニングがあったのかといった体験談や、予防のためのアドバイスなど、さまざまな保護者の声をご紹介します。受験がこれから、というかたはぜひ参考にして準備を整えてください。





どの受験にも「体調不良」「天候不良」多し!

最初に、受験当日にどんなハプニングがあったのかを伺いました。

【図1 それぞれの受験について、受験当日、どんなハプニングがありましたか? (複数回答)】
図1 それぞれの受験について、受験当日、どんなハプニングがありましたか? (複数回答)
※専門学校受験については有効回答数に満たなかったため、当グラフでは未掲載
※「受験の経験・トラブルともにない」以外を選択した人数で算出
※各受験の有効回答数 小学受験:177人 中学受験:375人 高校受験:297人 大学受験:137人



すべての学校段階の受験で多かったのは、「体調不良」。特に「小学校」受験ではダントツで、約3分の1が答えています。年齢的に、お子さま自身で体調を管理するのはまだ難しいのかもしれません。初めての受験に緊張してしまうお子さまも多いのではないでしょうか。
「天候不良」も、どの受験にも多く見られるハプニングでした。「中学校」受験では単独トップであり、「高校」受験でも「体調不良」と並ぶトップタイ項目です。受験は1月・2月に集中しているため、どうしても降雪などの影響を受けてしまいますよね。
また「大学・短大」受験では、「道に迷った・乗り物間違い」の割合が高くなっています。小学・中学・高校受験と比べて、受験する学校や受験会場まで自宅から距離がある場合が多い「大学・短大」受験。そのためお子さまは、慣れない土地で迷ったり、電車やバスなどを乗り間違えたりしてしまうようです。


具体的にはこんなトラブルが発生!

続いて、小学校から大学・短大、専門学校までの受験当日のハプニングで、印象的なものを具体的に伺いました。


☆小学受験で特に記憶に残っているハプニング

◎体調不良
●当日に発熱してしまい、受験できなかった学校が1校ありました
●受験校に行く途中で体調を崩してしまい、病院に駆け込みました
◎天候不良
●大雪で電車が遅延! 仕方がないので、途中で降りてタクシーに飛び乗り、何とか間に合いました。子どもに同行してよかったと思います
●雪がしんしんと降るなか、受験校に同行。子どもが試験を受ける教室は暖房が効いていたようですが、保護者が待機する体育館はもの凄く冷え込み、親のわたしがお腹を下してしまいました
◎その他
●面接前の食事で子どもが服にシミをつけてしまい、あわてました
●受験直前に親族に不幸があり、当日はお通夜。前日から自宅に親類が泊まったりしていたため、受験本番の日だというのに、子どもに十分手をかけられませんでした

☆中学受験で特に記憶に残っているハプニング

◎体調不良
●お正月の帰省で子どもは風邪をひいてしまいました。受験当日まで治らず、親として責任を感じています
●試験中に気分が悪くなり、別室で受験させてもらったそうです
●子どもの受験前日に、夫がインフルエンザに! うつらないように、子どもには手洗い・うがいを普段以上にさせました
◎天候不良
●降雪のせいで交通機関が大混乱! 普段なら30分で行けるのに1時間半もかかってしまいました。早めに家を出たとはいえ、さすがにあわてました
●大雪のため、受験校に着くまでに靴の中まで濡れてしまい、子どもに寒い思いをさせてしまいました。おまけに緊張してもいたので、「お腹が痛くなった」と、到着するなりトイレに駆け込むことに。平常心で試験に臨ませてあげられなかったと悔やんでいます
●大雪だったものの、交通機関は乱れず予定通りに到着。ところが雪のせいで、受験教室の案内をする場所が狭い玄関口に変更されており、大混雑。案内の掲示は見づらく、そうするとわたしも焦って、受験教室を見つけるのに時間がかかってしまいました
◎道に迷った・乗り間違い
●早朝は乗り換えの電車が別のホームから出ることに気付かず、違う電車に乗ってしまい、次の駅でまた乗り換えるハメに。親のわたしがついていながら情けない……
◎その他
●万全を期して早く起きたのはよかったものの、朝食も早めに食べさせたため、受験中お腹が減ってしまったそうです。アメなど、簡単に口に入れられるお菓子を持参させていましたが、「試験会場で食べるのは恥ずかしかった」と言われました
●前日に持ち物を揃えておくよう何度も注意しておいたのに、当日の朝になって「消しゴムがない!」と言い出し、わたしがあわててコンビニへ買いに走りました

☆高校受験で特に記憶に残っているハプニング

◎体調不良
●娘の受験前日、わたしの母が「孫のために」と煮物を作って持ってきてくれました。翌日、娘のお弁当にその煮物を入れたのですが、傷んでいたのか、食べたあとお腹が痛くなり、午後の試験に響いたそうです。「落ちたらママのせいよ! 古いものを入れないで!!」と帰宅した娘に怒られてしまいました
◎天候不良
●朝は晴れていたので自転車で受験校に行ったものの、受験中に大雪に! 自動車で迎えに行ったものの、自転車は受験校に置いてこざるを得ず、翌日あらためて取りに行くことになってしまいました
●受験前日に降った雪が当日も道に残っていたため、自転車で行く予定を変え、同じ高校を受ける友達のお母さんに自動車で送り迎えをお願いしました
◎その他
●子どもは友達4人で待ち合わせて一緒に行く約束をしていたのですが、そのうち1人が遅刻したため、あやうく全員が間に合わなくなりそうだったそうです
●高校に着いてから受験票を紛失! 中学校に連絡して本人確認をしてもらったそうです。無事に受験できたからよかったものの、そうでなかったら……。考えると怖いです
●子どもの受験した教室には時計がなく、時間配分に苦労したそうです。時計を持たせるべきだったと後悔しました
●受験当日、息子を送り出したあとに机の上に筆箱があるのを発見! 帰宅して聞いてみると、なんと忘れたわけではなく、ポケットに鉛筆と消しゴムを入れて行ったそうです。あきれました

☆大学・短大受験で特に記憶に残っているハプニング

◎体調不良
●息子は受験のために地方から上京して、2週間にわたるホテル暮らしを経験。緊張と疲れから最後の2、3日は体が悲鳴を上げたようで、熱や腹痛に悩まされたそうです
●推薦入試でのこと。前日からひどい風邪をひいてしまった息子は、せきで喉を痛め、しゃがれ声で面接を受けなければなりませんでした
◎道に迷った・乗り間違い
●各駅停車しか止まらない駅で降りないといけないのに、間違えて特急に乗ってしまい、先の駅から引き返してきたそうです
◎その他
●子どもは、北海道から東京の大学を受験しました。「東京だから気候が暖かいだろう」とたかをくくっていたら、北海道と同じくらい寒くて驚いたそうです
●面接試験の日、駅に着いたところで高校の制服のボタンがはずれてしまいました。電話をもらったわたしは、裁縫道具を持って駅に急行。急いでボタンをつけました。予定の電車には乗り遅れたものの、早めに大学に着くように家を出ていたので、試験には間に合いました
●試験開始時刻を間違えて遅刻してしまいましたが、開始20分以内であれば受験可能とのことで、なんとかすべり込みました
●センター試験2日目の朝、寝違えて首を少しでも動かすと激痛が走る状態に! 試験中にさらに痛みが増し、まったく試験に集中できなかったそうです。寒い時期なので、そんなこともあるんですね。今は浪人中ですが、予防のため普段からストレッチをするよう声をかけています
●事故で電車が遅延! 試験開始時刻が繰り下げられたので受験できて幸いでした。もっとも、終了時刻も遅くなったため、事情を知らないわたしは、家で息子の帰りが遅いのをとても心配していました

☆専門学校受験で特に記憶に残っているハプニング

●きちんとスーツを着て出かけたものの、何も物を持たず、手ぶらの状態。それで大丈夫だったの!?
●提出が義務づけられているレポートを郵送したものの、料金不足で返送されてきてびっくり! すぐ事務局に連絡して事情を話し、再送しました


ケータイ持参率が高まるのは、「大学・短大受験」から!

次に、受験当日、お子さまにケータイを持たせたか、あるいは持たせる予定でいるかを伺いました。

【図2 お子さまが、2009(平成21)年・2010(平成22)年に入試を受けたかたに伺います。入試当日、お子さまにケータイを持たせましたか?】
図2 お子さまが、2009(平成21)年・2010(平成22)年に入試を受けたかたに伺います。入試当日、お子さまにケータイを持たせましたか?
※有効回答数:589人


【図3 お子さまが、2009(平成21)年・2010(平成22)年に入試を受けたかたに伺います。入試当日、お子さまにケータイを持たせましたか? (大学生以上・高校1年生)】
図3 お子さまが、2009(平成21)年・2010(平成22)年に入試を受けたかたに伺います。入試当日、お子さまにケータイを持たせましたか? (大学生以上・高校1年生)
※有効回答数 :大学生以上88人、高校1年生143人


【図4 この冬~春、入試を受けるお子さまをお持ちの保護者のかたに伺います。入試当日、お子さまにケータイを持たせる予定ですか?(高校3年生、中学3年生)】
図4 この冬~春、入試を受けるお子さまをお持ちの保護者のかたに伺います。入試当日、お子さまにケータイを持たせる予定ですか?(高校3年生、中学3年生)
※有効回答数:高校3年生122人、中学3年生71名


2009年・2010(平成21、22)年に受験を経験したお子さまをお持ちの保護者のうち、全体の約6割の保護者が「受験当日、子どもにケータイは持たせなかった」と回答しました。ケータイを持参させないご家庭が過半数を占めています。
小・中学校の受験では、保護者が受験校までお子さまの送り迎えをしたり、受験中も体育館などで待機したりするケースがほとんど。お子さまにケータイを持たせる保護者の割合が全体として少ないのは、小・中学受験を経験したご家庭の割合が高いためと考えられます。
しかし、現在大学生以上のお子さまをお持ちのご家庭、つまり2009(平成21)年・2010(平成22)年に大学受験・専門学校受験を経験したご家庭では、「ケータイを持参させた」保護者の割合は9割以上にはね上がりました(図3参照)。
今年の冬~春に受験する予定がある高3のご家庭を見ても、「ケータイを持たせる」「持たせたい」という保護者の割合は、9割近くに達しています(図4参照)。その理由として目立ったのは、「緊急時の連絡のため」といった声でした。もっとも、ケータイを持参させた保護者からは、「マナーモードに設定し忘れて、試験中に鳴ってしまったそうです。『ほかの受験生に迷惑をかけてしまった』と反省していました」といった失敗談も聞かれました。
一方、受験予定の中3のご家庭では、高3に比べると「ケータイを持たせる」「持たせたい」という割合は低くなっています。「受験校の規定でケータイは持ち込み禁止となっているため」といった理由を挙げる声が多く寄せられました。


受験ではこんなことに気を付けて! 先輩保護者からのアドバイス!!

最後に、お子さまの受験を経験された保護者から、これから入試を迎える保護者に向けての「こんなことに気を付けるとよい」「こういう準備をしていて助かった」といったアドバイスをご紹介します。


☆体調管理・持ち物チェック
●規則正しい生活が送れるように声をかけ、普段以上に栄養バランスを考えて食事を作りました
●親がしてあげられるのは、ベストな体調で試験に臨ませること。そのために、うがい・手洗いの励行はもちろん、受験する本人だけでなく、家族全員がインフルエンザの予防接種を受けるようにしましょう。そして入試前日は、消化の良いものを食べさせてあげて!
●前日までにしておくことは、何よりも持ち物チェック。親が立ち会って、忘れ物がないよう完璧にしておきましょう。当日は、天候不良で交通機関が乱れても対応できるよう、時間に十分余裕を持って家を送りだすことが大切です

☆受験校までのルート把握
●道に迷ったりしないよう、前日までに受験する学校に実際に足を運び、子ども自身に行き方を把握させることが大切です
●自動車で送って行く場合、道が混雑することを前提に早めに出かけましょう

☆その他
●この季節、外は寒くても、受験する教室は暖房で暑いということはよくあります。温度調節ができるよう着脱しやすい服を着せてあげてください
●手がかじかんでは鉛筆が持てません。受験会場に暖房がないことも想定して、カイロは必ず持たせてあげてください!
●受験が終わったあと、学校の最寄り駅は受験生で混雑します。寒い中、切符を買うために長時間並ばなくてはいけないことも。そうならないよう、電車で行く場合は、朝、帰りの切符を買っておくか、回数券やICカードを用意しておきましょう
●もちろん親の声かけは大事ですが、あまり親が口を出し過ぎても、子どもが気負って緊張したり焦ったりしてしまうことも。本人もよくわかっていることも多いはずなので、親は落ち着いて見守ってあげることも必要だと思います


(まとめ)
受験は、お子さまの進路を決める大きなイベントです。そのため非常に多くの保護者が、十分に準備をし、ベストを尽くさせてあげたいと考えていました。食事や生活のリズムの面でお子さまの体調を気遣うだけでなく、忘れ物をしないよう持ち物も一緒にチェックするという保護者も少なくありませんでした。
もっとも受験には、天候不良や、それにともなう交通機関の乱れなど、予期せぬハプニングが起きる可能性があります。今回のアンケートでは、「早めに家を出る」「会場までの複数のルートを調べておく」など、もしハプニングがあってもあわてず冷静に行動できるような工夫を呼びかける先輩保護者からのアドバイスが多く寄せられました。お子さまと一緒に受験の準備をする際の参考にしていただければと思います。


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