73%の保護者が「今のクラスは良い」と回答!

アンケート期間 2011/2/2~2011/2/3 回答者数:2,617人
アンケート対象:全国の本サイトメンバー 小学生の子どもを持つ保護者

※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある


今回はクラスをテーマに、学年も終盤になった2月初旬に保護者の意見をお伺いしました。クラス替えの頻度やクラス替えについての要望、現在のクラスに対する満足度とその理由などをご紹介します。
今回のアンケートには、小学生のお子さまをお持ちの保護者に限定してご協力いただきました。





クラス替えの頻度は現実と理想がほぼ一致!

最初に、クラス替えの頻度について伺いました。お子さまの学校で実際にどれくらいの頻度で行われているか、また、どれくらいの頻度で行うのが適切だと考えるかをお聞きしています。

【図1 お子さまの学校では、クラス替えはどのくらいの頻度で行われますか?】

図1 お子さまの学校では、クラス替えはどのくらいの頻度で行われますか?


【図2 クラス替えの頻度について、どのくらいが適切だとお考えですか?】

図2 クラス替えの頻度について、どのくらいが適切だとお考えですか?


【図3 (横軸)クラス替えの頻度について、どのくらいが適切だとお考えですか? (縦軸)お子さまの学校では、クラス替えはどのくらいの頻度で行われますか?】

図3 (横軸)クラス替えの頻度について、どのくらいが適切だとお考えですか? (縦軸)お子さまの学校では、クラス替えはどのくらいの頻度で行われますか?


実際のクラス替えについては、「子どもの学校では毎年クラス替えをしている」という保護者が最多。全体の約6割を占めています。次いで多かったのは、「2年ごとに行っている」という保護者でした。
一方、適切だと思うクラス替えの頻度についても、「毎年」が5割以上でトップ、「2年ごと」が約4割で続きました。
そして図3を見ると、実際にクラス替えが行われる頻度を適切だと考えている保護者が多いことがわかります。つまり、多くの保護者が、頻度については現状をちょうど良いと感じていることになりますね。



8割近くの学校が、保護者の要望・質問に応えている!

続いて、クラス替えに対して保護者がどんな質問・要望を持っているかを伺いました。

【図4 今までクラス替えについて学校に質問したり、要望を伝えたりしたことはありますか?】

図4 今までクラス替えについて学校に質問したり、要望を伝えたりしたことはありますか?


【図5 図4で「ある」と回答したかたにお聞きします。質問や要望について学校から回答や配慮がありましたか?】

図5 図4で「ある」と回答したかたにお聞きします。質問や要望について学校から回答や配慮がありましたか?


クラス替えについて、「学校に質問したり要望を伝えたりしたことがある」という保護者は、全体の約1割。そのうち、「質問・要望によって、学校から回答や配慮があった」という保護者は、8割近くに達しています。
では、保護者の質問・要望と学校の配慮・回答の内容はどのようなものでしょうか。以下にご紹介します。



  • うちの子は双子なのですが、1・2年生の時は同じクラスでした。2年ごとのクラス替えの際、「それぞれの個性を伸ばすためにも、3年生からは別々のクラスのほうが良いです」と担任の先生に伝えたところ、クラスを分けてくださいました
  • 子どもの学校では、入学前に保護者の要望を聞くプリントが配られました。そのプリントに、「同じ幼稚園から入学する友達が1人いるので、その子と同じクラスにしてほしい」と書いて提出したところ、希望通りにしてくれました
  • 前のクラスでとても仲が良い友達ができました。でも仲が良すぎてケンカをよくするし、授業中に2人で騒いでしまうことも。次年度はクラスを分けたほうがうちの子だけでなく、友達のためにもなると考え、その旨を担任の先生に伝えました。先生は「自分もそのほうが良いと思っていました」と言ってくださり、その言葉通り、次年度から違うクラスになりました
  • 同じクラスに子どもとどうしても相性の悪い友達がおり、親同士が話し合っても解決できませんでした。そこで、担任の先生にそれまでの経緯を話し、「来年度は別のクラスにしてください」と伝えたところ、そのとおりにしてくださいました
  • 1・2年生のころ、うちの子どもによくちょっかいを出す友達がいました。わたしは「小さい子にはそういうことがある」と、あまり気にしていなかったのですが、娘はその友達とは一緒のクラスになりたくないと言います。年度末の個人面談で担任の先生に相談したところ、先生は、うちの子どもとその友達との関係を把握しており、「双方のためにクラスを分けるつもりです」とおっしゃいました。先生がしっかり子どもたちを見ていることがわかり、学校への信頼が高まりました
  • うちの子にばかり意地悪をする友達が、同じクラスにいました。わたしはしばらく様子を見たり、その友達のお母さんと話し合ったりしましたが、状態は変わりませんでした。担任の先生に相談したところ、「約束はできませんが、クラス編制の時に考慮します」とのこと。実際、次のクラス替えでは違うクラスになりました

子ども同士の相性については多く事例が集まりました。なかなか解決が難しい場合は「クラスを分けてほしい」と伝える保護者の相談を受けて、多くの学校が対応をしていました。
また、クラス替えについての疑問やご意見をお聞きしたところ、「何を基準にクラス替えをしているのか?」「保護者からの要望はどれくらいあるのか?」「他校の頻度を知りたい」といった声が多く寄せられました。保護者の関心の高さがわかります。



保護者は現在のクラスを「良いクラス」だと感じている!

では保護者は、現在のお子さまのクラスについて、どう感じているでしょうか。保護者から見て、お子さま自身がどう感じていると思うかと合わせて伺いました。

【図6 保護者の立場から見て、お子さまの今のクラスはいかがですか?(全体)】

図6 保護者の立場から見て、お子さまの今のクラスはいかがですか?(全体)


【図7 保護者の立場から見て、お子さまの今のクラスはいかがですか? (学年別)】

図7 保護者の立場から見て、お子さまの今のクラスはいかがですか? (学年別)


【図8 お子さまご自身は、今のクラスをどのように感じているようですか?(全体)】

図8 お子さまご自身は、今のクラスをどのように感じているようですか?(全体)


【図9 お子さまご自身は、今のクラスをどのように感じているようですか? (学年別)】

図9 お子さまご自身は、今のクラスをどのように感じているようですか? (学年別)


全体の7割以上の保護者が、「現在の子どものクラスは良いクラスである」と感じていました。この割合は、どの学年でもほとんど変わりません。良いクラスだと感じる理由としては、次のように、クラスの活気や仲の良さを授業参観などをとおして実感するという声、先生の指導に満足しているという声が寄せられています。


  • にぎやかで活気があり、それでいてどの生徒も落ち着くべき時はきちんと落ち着ける。そういうクラスだからです
  • 男子も女子もみんな仲が良く、まとまりがあります。うちの子は今のクラスになって、運動でも勉強でも力を伸ばしました。友達のお母さんたちも、わたしと同意見です。クラスがまとまることの大切さを感じています
  • 授業を参観すると、どの子どもも積極的に手を挙げており、授業への参加意欲がとても高いと思いました。給食の準備や掃除といった授業以外の面を見ても、一人ひとりがお互いを思いやっている様子が伝わってきます
  • 担任の先生が、子どもたち全員が落ち着いて勉強できる環境をつくっていると思うため。授業参観などで先生の指導の素晴らしさを実感しています
  • 担任の先生の指導方針がしっかりしていて、クラス全体がよくまとまっているため
  • 先生が授業中に言った冗談や友達との会話を、子どもがいつも積極的にわたしに話してくれます。授業を参観しても、子どもから聞いているとおり、仲良く活気あるクラスだと感じます

保護者から見た、現在のクラスに対するお子さまご自身の満足度も、高い結果になりました。「子どもは、現在のクラスを良いクラスだと感じていると思う」という回答が全体の8割近くを占めており、学年別でもほぼ同様です。理由として、次のような声が聞かれました。


  • 親友と互いに認め合うような友達ができて、毎日楽しそうに登校しているため
  • 学校での様子を話してくれる回数が増えましたし、ほとんどの友達を苗字でなく名前で呼ぶようになりました。和気あいあいとした雰囲気や友達同士の結びつきが伝わってきます
  • とにかくクラスの友達と一緒にいるのが楽しいようで、毎朝はりきって学校に行きます。「ずっと今のクラスがいい」と言うようになったほどです
  • 娘は今のクラスになって、女子だけでなく男子の友達も増えました。学校での出来事を毎日、わたしに話してくれます。また、放課後や休日も大勢で遊んでいる様子を見ると、クラスのまとまりの強さを感じます
  • クラスでのエピソードを、毎日話してくれます。友達との遊びだけでなく、授業内容や先生に叱られたことまで子どもが自分から話題にするようになったのは、今のクラスになってから。素晴らしいクラスだと感じます
  • 学校の休み時間や放課後にどんな遊びをしたか、どの友達がどんなギャグを言ったかなど、身振り手振りを交えて細かく再現してくれます。聞いているわたしが、思わず爆笑してしまうことも少なくありません。生き生きとした子どもの表情からは、友達とのコミュニケーションを楽しんでいる様子がよくわかります

元気に登校する様子や、帰宅して学校での出来事を話す姿から、「子どもは現在のクラスに満足している」と感じる保護者が目立ちました。



保護者の「理想のクラス」像をご紹介!

最後に、保護者はどんなクラスを良いクラスだと考えているかを伺いました。

☆保護者の立場から見て、良いクラスとはどんなクラスだと思いますか?
(担任の先生についての声)

  • 子ども一人ひとりが互いの個性を認め合えるクラス。そういうクラスは、担任の先生のしっかりした指導や声かけがあってこそ生まれると思います
  • 一番良いのは、先生と子どもたちが強い信頼関係で結ばれているクラス。授業にも活気が出るし、子どもたちの団結力も強まると思います
  • 担任の先生が一人ひとりの性格や個性を把握し、それぞれの長所を生かしながら、全体としてのまとまりがあるクラス。そういうクラスであれば、いじめは絶対に起こらないはず!
  • 指導力や統率力があり、子どもたち全員にそれぞれの個性を伸ばすためのアドバイスができる先生。そういう先生が担任するクラスが理想です

(子どもたちについての声)

  • 授業中はもちろん、普段の生活でも、全員が人の話を落ち着いて聞けるクラス
  • 勉強でも運動でも遊びでも、みんなで力を合わせてほしい。どの子どもも、友達の長所から学ぶ姿勢を持っているクラスが理想です
  • 元気な子どももいればおとなしい子どももいる、勉強が得意な子どももいれば運動が得意な子どももいるというように、多様な個性をもつ子どもが集まったクラス。子ども達には、互いの良さに学んでほしいと思っています
  • 悲しんだり困ったりしている友達に、自分から進んで手を差しのべられるような、他者への思いやりを持った子どもが集まったクラスであれば、誰もが仲良く、そして楽しく過ごせるのではないでしょうか
  • 大切なのは、子ども同士の信頼だと思います。お互いに信頼していれば、何かトラブルがあっても子どもは自分達で話し合って解決し、結びつきをより強くできるはず。そうしたクラスで過ごした日々は、一生の思い出になると思います

(まとめ)
大半の保護者が現在のクラスに満足していました。そのことは、授業参観やお子さまとの会話をとおして保護者が把握している現在のクラスの様子と、保護者の理想とするクラスとが似通っていることからもわかります。
もっとも、「現在の子どものクラスを良いとは思わない」という声も、約1割の保護者から寄せられています。どの学年にも共通して目立ったのは、「子ども同士のトラブルやいじめがあるため」「担任の先生の指導力に不足を感じるから」といった声です。「もしも良くないクラスになった時のことを考えると、クラス替えは毎年あったほうが良い」など、クラス替えをトラブル解消の機会と捉え、高い頻度を望む声も聞かれました。
クラス替えは出発点。だれもが生き生きと登校し、学校生活を楽しめるクラスはこれから子どもたち、先生がた、保護者とで日々つくりあげていくものです。今回のアンケートで「今のクラスは良いクラス」と回答されたケースも、そのようにたくさんの人々が一年近くかけてでき上がった姿です。大切なのは、お子さま一人ひとりの互いを思いやる心。ご家庭でも友達とのコミュニケーションについて話し合ったりする機会を増やすなど、学校と連携して取り組めば、効果はより上がるのではないでしょうか。


子育て・教育Q&A