9 割の中高生が英語の必要性を感じつつも、半数は「使わない」未来を予想

ベネッセ教育総合研究所では、2014(平成26) 年 3 月、全国の中高生を対象に、英語学習の実態と意識に関する調査を実施しました。英語教育改革の検討が進むなか、子どもの英語学習の実態や意識に深く切り込むことにより、改めて英語の指導と学習の課題を考察することが目的です。本調査は、中学1 年生から高校 3年生の 6 学年を対象にしており、学年による違いを見ることもできます。中高生と英語の関わりは今どうなっているのか、最新の調査結果をお伝えします。



ほとんどの学年では読んだり書いたりしているが、自分の気持ちを書くことは少ない

授業中に「単語や英文を読んだり書いたりして覚える」はすべての学年でほぼ 8 割を超えますが、「自分の気持ちや考えを英語で書く・話す」は、中 2 の約 6 割をピークに減少しています。


授業でしている学習


授業の予習・復習時に「英語で意見や感想を書く」は、中学生で 2 割未満、高校生で 1 割

授業の予習・復習時に、中高生の 6 割が、「教科書本文を和訳」していますが、「英語で意見や感想を書く」ことは、予習・復習合わせても中学生は 2 割未満(18.2%)、高校生も 1 割(11.6%)です。


授業の予習・復習


社会での英語の必要性を強く感じつつも、半数は「自分自身が使うことはほとんどない」

中高生の 9 割※(中学生 90.9%、高校生91.1%)が、社会では何らかの形で英語が必要だと回答していますが、自分自身が使うイメージは低いことがわかります。


社会での英語の必要性と自分が英語を使うイメージ

※「日常生活で外国の人と英語を話すことがある」+「いつもではないが仕事で英語を使うことがある」+「仕事ではほとんどいつも英語を使う」の合計)」



英語に関する意識では、9 割前後が「英語が話せたらかっこいい」と思っている

英語の勉強で大切なことについて選択肢の中から 3 つまで選んでもらったところ、「英語でたくさん会話をする」が一番高く、英語に関する意識について聞いたところ、「英語のテストでいい点を取りたい」(中学生93.9%、高校生 90.2%、「とても+まあそう思う」の合計)とほぼ同じ割合の 9 割が、「英語が話せたらかっこいい」(中学生 88.5%、高校生 90.5%、同)と思っています。




いまだに少ない「英語を使う」活動

今回の調査から、授業や家庭での学習は、今でも「和訳」や「暗記」が中心で、「英語を使う」(「話す」「書く」)活動が少ない様子がうかがえます。もちろん、これは読解問題中心の入試による影響ともいえますが、コミュニケーション能力の育成が重視されているなかで、自分の意見や考えを「話す」「書く」という活動をどのように取り入れるかは大きな課題だといえます。



英語を使うイメージを持つことが大切

また、中高生は社会での英語の必要性はわかっていても、自分自身が英語を使うというイメージは低いという実態も浮き彫りになりました。普段の学びで「英語を使う」ことが少ない現状を考えると、中高生が英語を使うイメージを持てていないことは当然の結果ともいえるかもしれません。将来、どのように英語を使うかは、それぞれの生徒によって目標が異なります。しかし、これからのグローバル社会において、さまざまな英語の使い方をイメージすることは重要なことだと考えます。



学習の在り方とギャップの解消を

一方で、英語の勉強では「英語でたくさん会話をする」ことが大切であり、「話せたらかっこいい」と考える中高生が多く、「話す」ことの必要性やあこがれを感じています。小学校における英語教育の拡充強化、中高における英語教育の高度化、大学入試 4 技能化など、英語教育改革の検討が進められていますが、それにより、教員の指導の在り方や子どもの学習の在り方が変わり、意識とのギャップが解消されていくことが望まれます。


プロフィール



株式会社ベネッセコーポレーションの教育、調査、研究機関です。子ども、保護者、先生、学校などを対象に、教育に関連する調査、研究を行い、その研究成果や調査報告書、各種データを無償で公開しています。

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