8割の親が「国語の成績と読書量に相関アリ」でも読書量には不満?

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8割以上の保護者が、子どもの読書量と成績の相関関係を感じている!

続いて、保護者は子どもの読書量と、国語の成績や読解力はどの程度関係があると思っているのでしょうか。

【図4 お子さまの国語の成績、読解力などとお子さまの読書量は相関関係があると思いますか?】
図4 お子さまの国語の成績、読解力などとお子さまの読書量は相関関係があると思いますか?

子どもの国語の成績や読解力と読書量には「まあ関係がある」という回答が最も多く、43.7%。「非常に関係がある」と合わせると80.5%となり、非常に多くの保護者が読書量は国語力に関係していると思っていることがわかりました。だからこそ、保護者は子どもの読書量が気になるようです。保護者の子どもの読書量についての満足度を見ると、あまり高くはありません。

【図5 あなたはお子さまの読書量について、どのようにお考えですか?】
図5 あなたはお子さまの読書量について、どのようにお考えですか?

子どもの読書量については、「満足である」という保護者が38.8%、「不満である」という保護者が39.7%で、ほぼ半々にわかれました。
満足している理由としては、「読みたい本があれば、図書館から借りたりして自発的に読んでいるから」「読書の習慣がついていて、楽しみながら読書をしているから」「自分のペースで読んでいるようなので」など。中には「読書量が多いのは満足ながら、多すぎて勉強時間が減ってしまうのが困る」という声もありました。
一方、不満である理由では、「自分の子どものころと比べると少ないと思うから」「テレビやゲームにばかり時間を使い、すすんで読書しようとしないから」「よく読んだりまったく読まなかったりと、気分次第で読書量が大きく変わるから」「本という本をまったく読もうとしないので、マンガでもいいから読んでほしい」などです。

満足・不満の両方に多数共通していたのは、「もっと多くの本を読んでほしい」と思うものの、「塾や部活などで時間がない状況では仕方がない」という回答でした。習い事などで忙しい子どもが多いようです。
そのほかの傾向として挙げられるのは、子どもの読書量に満足している保護者は「子どもの欲しがる本は、マンガ以外は、なるべく買い与えている」「定期的に家族みんなで一緒に図書館へ行き、本を借りてくる」「乳幼児のころから子どもには本を読み聞かせている」など、家庭で具体的な工夫をしていることが多いということです。反対に、子どもの読書量に不満がある保護者は、子どもに「本を読みなさい」とすすめてはいても、積極的な働きかけが少ないのではないでしょうか。子どもの読書量を増やすうえでは、子どもに口頭で読書を促すだけでなく、保護者の側も子どもが本に接しやすい環境をつくる必要があるのかもしれません。

ところで、保護者からの回答には、「文学作品そのものを読むのではなく、それをマンガ化したもので読もうとすることに不満がある」「以前から本は好きだったが、最近はマンガを読むことが多くなってきたのが心配」「自分の好きなジャンルばかり読んでいるが、もっといろいろなジャンルの本を読んでほしい」など、本を読む量以外に、読む本の内容に関する意見もありました。子どもが「何を読んでいるか」が気になるのは、保護者として当然ですね。

保護者のオススメは伝記、古典的名作

最後に、保護者のオススメ本を伺いました。

【あなたご自身がお子さまに読んでほしい、すすめたいと思う思い出の本を教えてください。(順不同)】

●偉人の伝記
●『モモ(ミヒャエル・エンデ)』
●『星の王子さま』(サン=テグジュペリ)
●『赤毛のアン』シリーズ(モンゴメリ)
●『三国志』(吉川英治ほか)
●『シートン動物記』(シートン)
●『坊ちゃん』(夏目漱石)
●『ドリトル先生』シリーズ(ロフティング)
●『銀河鉄道の夜』(宮沢賢治)
●『ナルニア国ものがたり』シリーズ(ルイス)

「偉人の伝記」は非常に多くの保護者の推薦を得ました。具体的には、ナイチンゲールやヘレン・ケラー、キュリー夫人などの西洋の女性の名前がたくさん挙がりました。
個々の文学作品も外国のものが多数でしたが、その中で日本勢は、夏目漱石では『坊ちゃん』以外にも『吾輩は猫である』『こころ』が、宮沢賢治では『銀河鉄道の夜』以外にも『よだかの星』が挙げられました。ほかには、『シャーロック・ホームズ』シリーズ(コナン・ドイル)や『アンネの日記』(アンネ・フランク)、『ゲド戦記』(ル=グウィン)などを推す保護者が多くいました。これらの文学作品は、人によって好き嫌いはあるにせよ、どれも古典的名作ばかりではないでしょうか。


(まとめ)
今回のアンケートからは、「子どもに読書をしてほしい」という多くの保護者の願いが伝わってきます。そういった傾向は、子どもの読書量と国語の成績に相関関係を感じている保護者が非常に多いことにも表れていました。
ほとんどの保護者が良い本を多く読むことを望んでおり、欲しがる本を買い与えたり、親子で図書館へ行ったりするなどの具体的な方法で子どもに読書を促している家庭も多数でした。そういったさまざまな工夫がなされていけば、今以上に子どもの手が本に伸びるようになるのではないでしょうか。

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