子どもに交通系ICカードを持たせるときの注意点
- 育児・子育て
コロナ対応の解除や新生活のスタートで、行動範囲が広がる時期になりました。そこで今回は、お子さまが通学や買い物で交通系ICカード(JR東日本のSuicaや首都圏私鉄のPASMOなど)を使い始める前に、伝えておきたいことや保護者の注意点について考えてみましょう。
交通系ICカードは、チャージした「見えないお金」を使えるサイフ
SuicaやPASMOなどの子ども用交通系ICカードは記名式。改札機(端末)にタッチするだけで、本人が12歳になる年度の3月31日まで自動的に小児運賃が適用されます。購入時には子どもの年齢等がわかる本人確認書類が、中学生になったら大人用への切り替え手続きが必要です。
通学では定期券機能を付けて使います。あらかじめ一定額をチャージしておくと、通学定期券で定期区間外の駅等を利用した場合は、チャージした金額から区間外の運賃が精算され、コンビニなどで買い物もできます。
乗り物で子ども料金がかかる小学生になると、お稽古事などで交通系ICカードデビューするケースは多いと思います。ただ、1人でお金を使う経験がまだ少ないと、保護者としても「見えないお金」を任せることに不安を感じるかもしれません。
初めて小学生の子どもにICカードを持たせる時は、駅の券売機やコンビニで一緒に操作をしてみましょう。チャージする現金を見ることで「任されるお金の重み」が感じられます。「ICカードはサイフで、お金(価値)は表示された数字」ということをきちんと話すことが大事です。
ICカードを使う目的と電子マネーの特徴を確認する
現金と比較した交通系ICカードの主な特徴には、次のようなものがあります。ICカードは支払いがとてもスムーズですが、お金が減っていく実感がつかめないと、使い過ぎてしまいます。残高不足で電車やバスに乗れないなどのアクシデントにあわないよう、こまめにチェックしましょう。
現金 | 交通系ICカード |
手持ちの金額を持ち運べる | チャージされた金額を持ち運べる |
お金を払う実感がある | お金を払う実感が少ない |
乗車や乗り換え、店舗での支払いに手間取る | 乗車や乗り換え、店舗での支払いがスムーズ |
原則としてどこでも何でも購入できる | 乗車、駅やコンビニなど端末のある店舗で利用できる |
紛失しても誰の物かわからない | 子どもの場合は原則として記名式 |
使い過ぎを防ぐためには、子どもにICカードを持たせる目的をはっきり告げることです。まずは、お稽古事などの「交通費」として。学年が上がって慣れてくると、文具などの「必要経費」や自由に使える「おこづかい」を加え、いざという時の現金も併用するとよいでしょう。
家計では「食費」「交通・通信費」「教養娯楽費」など費目別におおよその予算を立てて管理していきますが、子どもに任せるICカードも考え方は同じです。交通費、文具などの「必要経費」、好きなものを買える「おこづかい」、緊急時の現金など、まず保護者が過去の実績から子どもに任せたい費目ごとに金額を提案してみましょう。ただ、ICカードは現金の「袋分け」のような費目別の管理は難しいので、任せる費目や金額を一気に広げるのではなく、少しずつ増やしていくなど工夫は必要です。
実際にやりくりをして、予算の割り振りや使い勝手を子どもに報告してもらい、修正や見直しをしていきます。新たなチャージをする前に、保護者が「残高は週1回」「全体の使用履歴は月1回」必ず確認するなど、親子で話し合ってルールを決めておきましょう。
思い切って任せ、ゆるやかに見守り、SOS時はフォローする
ICカードの履歴チェックは子どもの消費傾向を知るためですが、子どもは失敗から学ぶことも多いはずです。全体の予算内である程度やりくりができていれば、口出しはせず、良いところをほめて見守っていきましょう。子どもに任せる金額は行動範囲や使い方によるので、年齢ではなく「何を任せるか」で決めるのがよいでしょう。
紛失への危機管理も大切です。子どものICカードは原則記名式なので、無くした時は駅や交番に申し出るとともに、発行会社に連絡して利用停止をしてもらい、再発行の手続きを取りましょう。
ちなみに無記名の大人用ICカードは紛失しても停止されず、再購入になります。もしクレジットカードと一体型のICカードを紛失した場合は、発行会社だけでなく早急にカード会社にも連絡して、オートチャージを止める手続きをしましょう。
関連リンク:
JR東日本 My Suica・Suicaカードの購入
https://www.jreast.co.jp/suica/
小児用PASMO
https://www.pasmo.co.jp/buy/kids/
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