熱中症警戒アラートは暑さ指数33℃以上で発信 熱中症予防と感染対策、マスク生活でどう対応すべき?

コロナ禍におけるマスク生活も、2度目の夏を迎えます。学校や家庭では、去年と同様、熱中症予防と感染予防の両立が求められます。梅雨時でも、気象条件によっては熱中症が起きやすくなるため、真夏になる前から注意が必要です。どのようなサインを目安にするとよいのでしょうか。

この記事のポイント

Q 熱中症対策は暑さを防げばOK?

A 気温だけでなく、湿度や「輻射熱」の影響も考えるべきです。

熱中症を予防することを目的にした指標として、米国で提案された「暑さ指数(湿球黒球温度、WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)」があります。気温と同じ摂氏度(℃)で示しますが、その値は、気温とは異なります。暑さ指数は、人体に影響を与える「気温」「湿度」、日射や地面や建物などから出ている熱(輻射熱)の三つを取り入れた指標です。環境省は、この暑さ指数が28℃を超えると、熱中症患者が著しく増加すると説明しています。

2011年7月6日と9日の記録を比較すると、最高気温は両日とも32.5℃でしたが、最小湿度は6日が41%、9日が56%でした。その結果、暑さ指数は、6日が26.9℃で「警戒」ランク、9日が29.9℃で「厳重警戒」ランクと、違いがあったのです。
実際、熱中症搬送数は6日で50人、9日は94人と、大幅に増えました。同じ気温でも、熱中症への警戒は暑さ指数で判断したほうがよいことがわかります。

Q 暑さ指数はどこでわかるの?

A 環境省と気象庁が、暑さ指数の予測に基づいた「熱中症警戒アラート」を運用しています。

2020年度は関東甲信地方で試行的に運用され、21年度より対象地域が全国に広がりました。暑さ指数33℃以上と予測された場合に、関係省庁や地方自治体、報道機関、民間事業者に配信されます。発表は1日2回で、前の日の夕方5時と、その日の朝5時に行います。発表後に天候が変わっても、追加や取り消しはありません。テレビ・ラジオの気象情報、メールやSNSサービス、地域の防災無線などで呼び掛けられます。

Q 警戒情報が発表されたら何をすればよい?

A 運動は直ちに中止し、積極的な予防行動を取ることが大切です。

暑さ指数33℃は、すべての生活活動で熱中症が起こる可能性がある「危険」ランクに相当します。
日本スポーツ協会は、熱中症予防運動指針の中で、以下のようなことを呼び掛けています。

  • ・暑さ指数31℃以上で「運動は原則中止」
  • ・28℃以上で「厳重警戒」(激しい運動は中止)

気象情報で「熱中症警戒アラート」が発表された場合は、危険性が最も高いと判断し、直ちに運動を中止すべきでしょう。

アラートの発表内容には、暑さ指数の予測値や、予想最高気温だけでなく、具体的に取るべき以下のような予防行動も含まれます。

  • ・不要不急の外出は避け、昼夜を問わずエアコン等を使用する
  • ・高齢者・子ども・障害者等に対して、周囲の方々から声掛けをする
  • ・身の回りの暑さ指数を確認し、行動の目安にする
  • ・エアコン等が設置されていない屋内外での運動は、原則中止または延期する
  • ・のどが渇く前に、小まめに水分補給するなど、普段以上の熱中症予防を実践する

まとめ & 実践 TIPS

梅雨の晴れ間など蒸し暑くなる時期には、暑さ指数の上昇が見込まれます。まだ暑さに体が慣れていない時期で、マスクを着用することで、熱中症のリスクが高まる恐れがあります。文部科学省と環境省は、教育委員会などが熱中症対策のガイドラインを作成する際の「手引き」を公表し、暑さ指数を基準とした予防と対応を求めています。
熱中症を防ぐ環境を大人が整えるとともに、子どもが息苦しさを感じた時には、人と2メートル以上離れてマスクを外し、息を整えるなど、自分で判断して適切な行動を取れるよう、促していきたいものです。

(筆者:長尾康子)

※環境省 熱中症予防情報サイト
https://www.wbgt.env.go.jp/

※日本スポーツ協会「熱中症を防ごう」
https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid523.html

※文部科学省 「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」の作成について
https://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/anzen/1401870_00001.htm

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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