増えすぎてしまった習い事の整理 どんな基準で判断する?
- 育児・子育て
現在は、色々な習い事があります。興味のおもむくままに習い事を増やしていたら、子どもの時間がなくなってしまったというご家庭もあるでしょう。
そこで今回は、増えてしまった習い事をどう整理するかについて、ガミガミ言わなくても勉強する子に育てる! 家庭教育講座「かおりメソッド」を開講しているママプロジェクトJapan代表の岩田かおりさんにうかがいました。
「好きなこと」「得意なこと」を軸に習い事を整理
増えていってしまった習い事をどう整理していくか、検討しているご家庭は少なくありません。子どもにとって、「余白をつくる」ということはとても重要です。その余白の時間に、子どもたちはパワーを充電しているのです。つまり、スケジュールをみっちり詰め込まないことを意識することが求められるのです。その観点で、習い事の整理をしていくことが求められます。
余白について、もう少し解説しましょう。例えば、すごく運動が好きな子が楽しみながらサッカークラブに行くことは子どもにとっての充電時間となります。一方で、インドア派な子を「少しは体を動かした方がよい」といった理由でサッカークラブに通わせていたら、パワーを失うことになってしまいます。
習い事への行き渋りをしていたり、楽しくなさそうな様子だったりしたら、その習い事は精査の対象だといえるでしょう。習い事が、子どもにとって得意なことや好きなことで、パワーの充電につながっているかを見極めて、整理していけるとよいでしょう。
「習い事は何個まで」と保護者が決めてOK
子どもによっては、「あれもこれもやりたい」「やめたくない」と言うこともあるでしょう。しかし、状況によっては、習い事が本格化して、時間が足りなくなってしまったり月謝の支払いが難しくなったりすることもあると思います。送り迎えをしている場合には、保護者の負担も大きいと感じるでしょう。
子どもの意思を尊重してあげたいところですが、本人の意思を踏まえた上で、最終的には保護者のかたが判断してよいと思います。時間のやりくりや費用などは子どもにはまだわからない部分だからです。
例えば、食べ物で考えるとわかりやすいと思うのですが、欲するがままあれもこれも食べさせたら肥満になってしまいますよね。食べ物だけでなく、習い事も同じ。体験としての大切さも認めつつ、あれもこれもたくさんやらせればよいというものではないと私は思っています。
例えば、スポーツ系1つと文化系1つと決める、あるいは、習い事費用は月々2万円までと決めるなどの方法が考えられます。新たに習いたいものが増えたら、1つやめるなどの視点も大事です。
また、本当に「習い事に通わなければいけないのか」という検討もしてみましょう。具体的には、英会話は自宅で無料の動画で見ることで学べないか、プログラミングは無料ツールで初めてみようか、などと考えていけるとよいでしょう。
「できないことを克服させる」は大間違い!
習い事について考えるときに、気をつけてほしいことが2つあります。
1つは、苦手なことをカバーするために習い事をさせようとしないでほしいということです。子どもが求めているわけではないのに、運動が苦手な子にスポーツを習わせたり字が汚いから習字教室に行わせたりするという発想はやめましょう。
こうした発想は、「すべてのことを満遍なくできるようにしなければいけない」という従来型の日本の教育からくるものです。こうした考えで習い事をさせたとしても、さらに苦手意識を持ってしまう危険性があります。
また、「一度始めたら我慢してでも続けてみなければいけない」という考え方をする方もいるでしょう。石の上にも三年といった思考ですね。
しかし、子どもがやめたいというならばやめさせてもよいのではないかと、私は考えています。
その時に大事なのは、自分で考えて決めたということです。
やめることは、そんなに簡単なことではありません。大人に置き換えて考えてみると、職場を替えることは簡単なことではないですよね。それは、継続した方が楽だからです。「やめ癖がついてしまうのではないか」と心配するかたもいると思いますが、試す勇気や自分で考えてよりよい道に進む決断ができる力があることは素晴らしいことです。
多くの子どもたちにとって習い事の目的は、能力をすごく高めることではありません。では、どんな意味があるかといえば、好きなものを見つけたり好きなことに没頭する力をつけていくことです。習ったからには結果を得なければいけないと、肩に力を入れすぎないようにしましょう。
まとめ & 実践 TIPS
習い事は、子どもの「好きなこと」「得意なこと」を軸に整理をしていきましょう。時間や予算から、保護者が一定の枠を決めてもOKです。子どもにはそうした現実的な判断は難しいため、保護者が決定していくことも大事なのです。
また、苦手なことをカバーするために習い事をさせたりやめることを引き止めたりすることはやめましょう。習い事はあくまで好きなことを見つけて得意なことを伸ばすという目的です。また、「やめる」という意思決定をすることも子どもにとって重要な経験になります。
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