「1年生になれないよ!」は小学校入学前のNGワード 言ってしまっていませんか?
- 育児・子育て
小学校入学を前にすると、保護者はつい「こんなこともできないで、1年生になれるのかしら」と思ってしまいがちです。しかし、ガミガミ言わなくても勉強する子に育てる! 家庭教育講座「かおりメソッド」を開講しているママプロジェクトJapan代表の岩田かおりさんは、「子どもは自分で成長していく力を持っている」と語ります。むしろ、保護者の不安をぶつけるような絶対言ってはいけないNGワードこそ、注意が必要と警鐘を鳴らす岩田さんに詳しくお話を伺いました。
「こんなんじゃ、1年生になれないよ!」はNGワード
小学校入学前になると、お子さまに「もう! こんなんじゃ、1年生になれないよ!」などの声をかけてしまう保護者の方がいます。朝起きられないことや片付けができていないこと、食べ残しがあることなどをすべて、「小学校に入学できないよ」という言葉に結びつけて、叱ってしまうのです。
しかし、こうした声かけは子どもにとっては逆効果。保護者の言葉から、授業や学校が大変なものだと感じ、不安感が増長されてしまうのです。
同様に、年中の子に「年長になれないよ」や小学2年生の子に「3年生になれないよ」など、一つ上の学年になれないという声かけについても、よいことは一つもないのでやめましょう。
子どもは自分で成長する力を持っている
「こんなんじゃ、1年生になれないよ!」という言葉には、保護者の不安が込められています。お子様のことを心配になってしまう気持ちもわかりますが、まず、子どもは自分で成長する力を持っているということを信じましょう。
保育園や幼稚園から小学校に入学すると、たしかに子どもたちの生活は大きく変わります。しかし、子どもは、大人が思っているよりもずっとスムーズに環境に慣れていきます。
大切なことは保護者の方が落ち着いて、お子さまが安心して学校に通える環境を整えることです。起こってもいないことを心配して、小学校入学に向けて、細かいことを叱ったり先取りしてトレーニングしたりする必要はありません。
やれないことを叱るのではなく、やれたことを褒める
では、子どもを伸ばすためにはどのような声かけをするとよいのでしょう。それは、子どもが何かをできたときに褒めることです。例えば、「今日は一人で起きられてすごいね」「ありがとう、きれいに片付けられたね!」と声をかけましょう。
子どもは褒められたことをずっと覚えています。そして、お父さんお母さんに褒められることが大好きです。だから、褒められたくて何回も同じことをしようとするのです。これを繰り返していくと、いつの間にか習慣化していくことができます。
保護者の方の中には、「厳しく言わないと、サボり癖がついてしまうのではないか」などと心配になってしまう方もいるかもしれません。しかし、強く何度も言ってもやらない子もいますし、何も言わなくてもやる子もいます。だから、私は保護者の方が責任を感じて、厳しく指導する必要はないと思うのです。
保護者の方が褒める声かけを中心に行っていくと、少しずつ親子関係もよくなっていきます。そうすると、「今日は調子が悪いから、手伝ってほしいな」とお願いすると、子どもがサポートしてくれるようになるのです。結果的に、ご家庭の雰囲気も大変よくなっていきます。ぜひ、試してみてください。
まとめ & 実践 TIPS
小学校入学直前になると、つい心配になり、「こんなんじゃ、1年生になれないよ!」などと注意をしてしまいがちです。
しかし、「入学できない」や「進級できない」などの声かけは、子どもにとってのNGワード。むしろ、「授業についていけないかも」「学校で怒られるかも」などと萎縮させてしまい、本来持っている力が発揮できなくなる可能性があります。
大切なことは、子どもが自ら育つ力を持っていることを信じること。そして、「ありがとう、片付けられたね!」など、できたことを褒めることです。保護者の方のこうした接し方により、子どもが力を伸ばしていくことができ、親子関係もよくなっていきます。
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