通知表で一喜一憂はNG?! 評価が悪いのは先生の方針と子どもが合っていないのかも 家では子ども本人の成長を認めてあげて
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お子さまの通知表を見て、一喜一憂してしまう保護者のかたは少なからずいらっしゃるでしょう。
保護者に向けた家庭教育講座を開講し、「かおりメソッド」の提唱者である岩田かおりさんは小学校の通知表をどのようにとらえているのでしょうか。ご自身の子育て経験も交えてお話を伺いました。
通知表でご褒美はNG?!指標の一つととらえよう
保護者のかたから学期の終わりに、「今回通知表がよくなかったんですよね……」「前回より算数の評価が1つ落ちていたの」など通知表の内容についてよく相談されます。何人もの保護者のかたが、通知表の結果に一喜一憂していらっしゃるようです。
こんなことを言うと驚かれてしまうかもしれませんが、私は子どもの小学生の通知表はまったく見ませんでしたし、気にもしませんでした。なぜならば、大切なのは、先生から見た評価や他者との比較ではなく、子どもが成長しているかどうかだからです。
小学校の先生には面談や保護者会で子どもについての様子を聞いているので、わざわざ数値での評価を気にする必要はないと思っています。また、小学校の場合には、賑やかな子を「明るくて友達がたくさんいて良い」と評価する先生もいれば、「落ち着きがない」とする先生もいらっしゃるでしょう。そのため、通知表に左右されて、ご褒美をあげたり叱ったりする必要はないと考えています。
中学生の場合には、また違う意味で子どもの通知表は見ていませんでした。中学生は、もう自立の時期。「通知表を見せなさい」と言って保護者が管理するタイミングではないのです。
もちろん、「見てほしい」と子どもが持ってくれば確認しますが、基本的には全てを子どもに任せるほうが、自立を促すと考えています。子どもにとっては、成功したことも失敗したことも全てを自分の学びにし、自身で道を拓いていくことが大切な時期だからです。
通知表の評価が気になるときには教育の方針を知ろう
もしもどうしても通知表の評価が悪かったことが気になるのであれば、お子さまを叱るだけではなく、保護者ご自身が動くことをおすすめします。学校の先生には学校の先生の教育や評価の方針があります。お子さまの通知表の成績が悪いということは、その先生の方針にお子さまが合っていない部分があるのかもしれません。
先生の方針を理解するためには、PTAの活動に参加したり行事のボランティアをしたりなどで見えてくることがあるはずです。保護者自身が学校での活動に興味を持ち、学校や先生の教育方針を理解する機会を増やしていくことが大切です。先生と信頼関係を築くこともできますし、学校でのお子さまの姿を知ることもでき一石二鳥ですよ。
他者との比較の評価に頼らず日々の成長を認めよう
通知表で評価しないのであれば、どのような視点で子どもを見ていくとよいのでしょうか。
それは、日々お子さまと接している保護者のかたにしかできない成長の見守りと承認をすることです。夏にはできなかったことが冬にはできるようになっていたり、1ヶ月前にできなかったことが今はできるようになっていたり、そうした以前の子どもと比べた評価こそが重要です。
子どもと過ごしていると、「こんなことができるようになった」「こんな見方ができるようになった」とさまざまな発見があると思います。通知表という他者視点でなく、保護者の目線で褒めてあげてください。
褒める際に、通知表のコメント欄に「掃除を頑張っています」「お友達に優しく接しています」などの先生の視点があれば、そこに注目して具体的にお子さまに伝えてあげるとよいでしょう。
通知表は、保護者が子どもの成長を褒める時に役立てるくらいの感覚で見られるとよいですね。通知表で一喜一憂するのではなく、保護者のかたが自ら子どもの成長を認め、褒めていくことで、親子の信頼関係を深めることにもつなげられるのです。
まとめ & 実践 TIPS
お子さまの通知表を見て、叱ったりご褒美をあげたりすることは、お子さまの成長にとってはあまり意味がないことです。
もしどうしても評価が気になるようならば、保護者自身が学校に足を運び、PTA活動や行事のお手伝いなどを通じて教育方針を理解し、家庭では学校の方針をふまえてお子さまをフォローしてあげられるとよいでしょう。大切なのは、子ども自身の成長を認めることです。半年前と比べてこんなことができるようになった、あるいは、1ヶ月前よりもここが成長したということを具体的に褒めることで、親子の信頼関係を深めていきましょう。
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