子どもが片付けないのには理由がある!?片付けが上手になるコツと親の関わり方
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「子どもが片付けをしない」という悩みはありませんか? 片付けない姿を見て、つい感情的に叱ってしまったり、イライラしたりすることもありますよね。実は、子どもが片付けないのは不思議なことではなく、自分の気持ちに素直なだけ。その気持ちを理解して、上手にサポートしてあげれば、片付けもスムーズになるかもしれません。
子どもが片付けをしたがらない理由
まずは、どうして子どもが片付けをしないのか考えてみましょう。お子さまを片付け上手にするためには、気持ちを理解するところから始める必要があります。
楽しくないから
片付けは、そもそも楽しいものではありませんよね。楽しくないことを進んでやるのは難しいもの。片付けない子どもは、自分の気持ちに正直に行動しているだけなのです。
ママやパパの中にも、掃除や整理整頓は進んでやりたくないという人はいるでしょう。ただ大人の場合は、「やらなければいけない」と考えて行動することができます。しかし、小さい子どもの場合はそういった考えをするのが難しく、大人と同じようにはできないのです。
もっと遊びたいから
片付けをするということは、今やっている楽しい遊びを中断しなければなりません。「遊び」と「片付け」を比べたら、遊びが勝つのは当然。だから、片付けができないのです。
大人も、ドラマを見ていたり友だちと話が盛り上がっていたりするのを中断されるのは嫌ですよね。それと同じ感覚です。
やる気がないから
やる気があれば片付けもスムーズです。友だちが遊びにくる予定があると、自主的に片付けをするのは、やる気があるからといえます。
ただ、やる気が出るタイミングは人それぞれ違いますし、出ないことも多いでしょう。せっかくやる気を出しかけたときに「早く片付けなさい」と言われて、やる気がなくなってしまうこともあります。子どもがよく言う「今やろうと思ってたのに!」という言葉は、本心であることも多いのです。
片付けない子どもへのNG言動とは?
子どもの気持ちを理解できても、片付けてくれないのは困りますよね。ただ、どんなに片付けなくても避けてほしい言動があります。これを続けていると、片付けをしなくなるだけでなく、さまざまな場面で困る可能性もあるため、気を付けてください。
「片付けないなら捨てるよ」と脅す
この言葉を言っても、本当におもちゃを捨てることは少ないのではないでしょうか。捨てたと見せかけて隠したり、言うだけで特にアクションを起こさなかったり……そういったことがほとんどだと思います。
ただ子どもは、「捨てられたら困る」と思うので、始めは効果があり慌てて片付けます。しかし、そのうち子どもも気付いてくるのです。「どうせ捨てないだろう」と。そうすれば、徐々に片付けをしなくなってきます。やっていたとしても、怒られるのが怖くてやっているだけで、本当の意味で片付ける習慣はつきません。
そればかりか、保護者のかたの言葉を信用しなくなってしまう恐れもあります。悩みを打ち明けてくれなくなったり、隠し事が多くなったりと、成長してから困りごとが増えてくる可能性があるのです。
本当に捨てる
脅すのではなく本当におもちゃを捨てるという保護者のかたもいますが、これもNG。くり返し行っていると、「いらないモノは捨てればいい」と学習し、モノや人を大事にできなくなるかもしれません。
なかなか片付けをしない子どもに「捨てちゃう」と言いたくなる気持ちはわかります。ただ、このやり取りを何度もくり返しているということは、効果がないということです。効果がないことを続けるのは、親子ともにストレスでしょう。
もし「捨てる」と言ってしまいそうなときは、「預かる」という方法を取ってみてください。「片付けられないなら明日までおもちゃは預かります」と言えば、ウソにはならず、大きく傷つけることもありません。もちろん、この方法も「罰」ですから、なるべく使わないようにしていきましょう。
ルールが細かすぎる
きちんと片付けようと、細かく場所を分けていたり、向きや色を揃えようとしたりしていませんか? これは、子どもにとっては難しいかもしれません。それが苦痛で、片付けをしたがらない可能性もあります。
もちろん、ルールを決めることは片付けをスムーズにするために効果的な方法です。ただ、細かすぎるルールは逆効果。整理整頓が得意な人からすれば平気なルールも、片付けが苦手な子どもにとっては困難な可能性があります。
「片付けができない」と決めつけている
片付けないお子さまに対して、「あなたはいつも片付けられないね」「また片付けてないの!?」と言ってはいませんか? 「うちの子は片付けができない」と決めつけてはいませんか? これも避けた方がよいでしょう。
片付けないことは事実かもしれません。ただ、マイナスのことを言われ続けると「自分は片付けができない」と思い込んでしまい、もっと片付けをしなくなってしまいます。それよりも、自信をつけて自主的にやってもらった方が親子ともにラクではありませんか? おもちゃ1個でも、完璧でなくても、「片付けられたね」「きれいになったね」と褒めていった方が、片付け上手になっていけるはずです。
子どもが片付けるようになる7つのコツ
それでは、子どもが片付け上手になる方法をいくつかご紹介します。年齢や性格を見極め、お子さまに合いそうなものを試してみてください。ただし、1回だけで効果があるわけではありません。くり返し続けていくことが、片付け上手になるためのポイントです。
片付けを遊びにする
幼児期のお子さまなら、片付けを楽しくするのがおすすめです。
「ママ・パパとどっちが早く片付けられるか競争」「絵本さんのお家はどこかな?」「あと30秒で夕飯行きの電車が発車します」など、遊び方はさまざま。普段のお子さまの興味のあることにつなげてあげるとよいでしょう。
一緒に片付ける
小さい頃は、保護者のかたが片付けなければ進まないことも多いはず。まずは大人が見本を見せながら、親子で一緒に片付けをしていきましょう。そして、片付けのやり方や大切さ、部屋がきれいになる気持ち良さなどを教えてあげてください。
おもちゃに限らず、大人が物を出しっぱなしにしないことも大事。整理整頓された環境を家族みんなで意識し、子どものお手本になってあげましょう。
最後の1つを子どもに片付けてもらう
小さい頃やイヤイヤ期は、子どもが全部片づけるのが難しい時期です。ただ、保護者のかたがすべてやってしまったら、片付けの習慣が身に付きません。
この時期は、最後の1個だけを片付けてもらいましょう。ほとんど保護者のかたが片付けたとしても、最後だけを子どもに任せるのです。そして、「片付けられたね」とほめてあげてください。そうすれば達成感が味わえて、次へのやる気につながっていきます。
片付ける理由と時間を伝える
子どもは、見通しが立つと安心して行動できるようになります。「7時になったら片付けてね」「これから夕飯になるから片付けよう」など、時間や理由を明確にして片付けを促してあげてください。
時間は、直前ではなく少し前に予告してあげるのがおすすめです。小学生くらいのお子さまなら「このくらいまでは進められるかな」「時間が少ないからこれで終わりにしよう」と考えられるため、遊びから片付けに移行しやすくなります。
片付けのルールを子どもと一緒に決める
片付けのルールは、家庭ごとで違ってOK。ただし大事なのは、子どもと一緒に決めることです。小学生や保育園・幼稚園の年長さんであれば十分話し合えると思います。
保護者のかたが「こうしてほしい」と思うやり方と、子どもが「片付けやすい」と思うやり方は違います。片付け方を指定せずに、子どもの意向を聞きながらルールを決めていきましょう。自分で決めたルールの方が守りやすいというメリットもあります。
簡単な「~だけ収納」を心がける
きれいに完璧に整理整頓しようとするのではなく、簡単な収納方法を心がけるのもよいでしょう。「種類ごとに分けるだけ」「箱に入れるだけ」「フックに掛けるだけ」「棚に置くだけ」といった感じです。細かく分けたり揃えたりするのではなく、無理なくできるような工夫をしてみましょう。
先ほどのルール決めと同じで、子ども目線で考えることが大切です。箱のサイズ、フックの高さなどは、子どもが扱いやすいようにしてみてください。箱にイラストを貼ったりして、目で見てわかるようにするのもよいでしょう。
おもちゃの数を減らす
おもちゃや服など、モノが多すぎるのも片付けられない原因です。そのような場合は、必要なものと不要なものを分けて、処分したり別に閉まっておいたりしましょう。特別なときに遊べるものとして、保管しておくのもよいですね。
大事なのは、保護者のかたが勝手に処分しないことです。親子で「必要」と思うものは違います。おもちゃの数を減らすときは、必ずお子さまの意見を聞くようにしましょう。
子どもの気持ちに寄り添って柔軟に対応することも大事
片付けに「完璧」を求めすぎてはいませんか? 親子ともに片付けをラクにするためには、柔軟な対応も必要です。
「あとちょっと」の気持ちも理解してあげて
片付けを促したときに「あとちょっと」と言われることもありますよね。大人もよく使う言葉だと思います。この気持ちに、少し耳を傾けてあげてください。
「片付けをしてほしい」は大人の都合。もちろんこれも大事ですが、子どもには別の都合があります。何かを真剣に作っているとき、夢中になっているときには、ちょっと待ってあげられる柔軟さも持ちましょう。その方が「ママ・パパは私の気持ちをわかってくれる」と思えるようになり、片付けもスムーズになる可能性があります。
「作りかけのもの」をどうするか決める
作りかけのものを壊すのを嫌がるお子さまもいるでしょう。それなのに、「ちゃんと壊して片付けなさい」「全部箱に入れなさい」と言われても、片付けたくないですよね。
そんなときには、「片付けなくてもよい」という特別なルールも作ってみてください。空いている部屋に保管したり、部屋の隅に一旦置いておいたり、いろんな方法があると思います。そうすれば、後でまた遊べますよね。お子さまにどうしたいのかを聞いて、その都度決めてもらうのもよいでしょう。
ルールは見直していい
ルールを決めても、うまくいかないことはあります。「最近部屋が荒れ始めたな」と思ったら、ルール見直しのタイミングです。
ルールは守ることが大事ですが、守れないルールには無理がある可能性もあります。子どもが片付けやすく、親もイライラしないためには、実践できるルールを作ることが大切。続けてみて無理だと思ったときには、お子さまとも話し合いながらルールを見直してみてください。
まとめ & 実践 TIPS
子育て中の大きな悩みでもある「片付け」。子どもが片付け上手になるためには、子どもの目線に立ってみることが大切です。叱られて嫌々やるよりも、楽しく無理なくできた方が、子どもも保護者のかたもストレスが減るはず。今回の内容をヒントに、ご家庭の片づけの方法をちょっと振り返ってみてください。
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