マット運動(2)後転ができない原因は「回転」!後転のやり方と基本練習方法を紹介

前転ができたら、次は後転に挑戦してみましょう。後転は前転と比べると、後ろが見えないために不安や恐怖感を抱くお子さんも多いのではないでしょうか。後転が苦手なお子さんには難しいイメージがあるかもしれませんが、以下で紹介するポイントをおさえながら繰り返し練習していけば、できるようになっていきます。

この記事では後転がうまくできない子の特徴、後転の順序、さらに後転ができるようになるための練習方法を紹介しています。ぜひ、ご家庭でも練習して、後転のコツをつかんでみてください。

なお、技の習得スピードには、個人差があります。マット運動の練習をする際は、お子さんの技能レベルに応じた目標を立てて、決して無理のない範囲で練習するようにしましょう。
また、安全確認には常に気を配るように指導してください。

■後転がうまくできない子がつまずきやすいポイント

後転を失敗する原因の多くは、体の回転をとめてしまうことにあります。この体の回転がとまってしまう、ありがちな3つのパターンをあげてみました。

・ひじを床に着けてしまい、回転を抑えてしまう
・後ろに手を着ける時におなかを伸ばしてしまい、回転を止めてしまう
・手のひらがきちんと床に着いていないため、手のひらでマットを押しきれず、回転力が足りなくなってしまう

また、着地に足の裏ではなくひざを使ってしまうのも、正しい後転の形とはいえません。
お子さんがうまく後転できない場合は、回転をとめている原因が何なのか、注意して観察してみましょう。

■上手に後転するコツ

後転も前転と同じく、最初の姿勢が肝心です。最初の姿勢では、次の2点に気を付けてみましょう。

・手を上に向け、耳の横につける
・おへそを見ながらあごを引いて、背中を丸めてしゃがむ

この姿勢を保ったまま上体を勢いよく後ろにまっすぐ倒していきましょう。お子さんには、「ボールのように、体全体を丸めながら後ろに転がってごらん」とアドバイスすると、イメージがしやすいかもしれません。

その後、お尻→腰→背中→肩→後頭部の順に体をマットに着けていきましょう(※1)。そして後頭部がマットに触れる直前で、一気に脚を振り上げます(※2)。おなかは伸ばさず、後述する「エビのポーズ」をイメージしてみるようにお子さんに伝えましょう。その後、両手で強くマットを押し、その力と回転の勢いで腰を上げて立ち上がります。

お子さんが後転の練習を始める時は、まずは最初の姿勢ができるようにアドバイスします。脚を振り上げるところや両手でマットを強く押すところが上手にできないようでしたら、ひざ立ちして補助してあげましょう。補助する場合、お子さんの体のどの部位を持つべきかは、後述する「補助付き後転」を確認してみてください。

後転がうまくなりたいお子さんには、上記の後転のコツを踏まえたうえで、次の3つの練習方法をすすめてみましょう。

■繰り返せば後転がうまくなる! 基本練習の方法3つ

後転への恐怖心を克服するためには、下記の3つの基本練習に繰り返し挑戦してみましょう。

(1)エビのポーズ

エビのポーズは、背中の柔軟性を養うストレッチです。このポーズを何度も繰り返していると、背中を丸めることに慣れ、後転への恐怖心が和らいでいくはずです。それでは、エビのポーズのやり方をご紹介します。

<エビのポーズのやり方>
(1)まず、腰を下ろして体操座りをします。
(2)そのまま後ろに寝転がりながら、体を投げ出して、両足を頭のほうへ持っていきます。
(3)そして、両足を体操座りの時とは反対の床に着けます。背中を丸めるようにしながら、なるべく遠くまで脚を伸ばしましょう。これでエビのポーズの完成です。

はじめは足が床に届かないお子さんも多いと思います。その場合は、腰やお尻を手で支えます。体が柔らかいお子さんは、ひざ、すね全体を床にくっつけられないか挑戦してみましょう。

(2)スロープ(坂道)を使って後転する

平らなマットですと体の回転の勢いが弱まってしまうことがありますが、スロープを使って坂道を作ってあげれば、勢いがついて体が回転しやすくなります。ご家庭では布団3~4枚を重ねて、ゆるめの傾斜を作ってみましょう。そして後転のコツを踏まえながら、繰り返し練習を重ねます。このスロープを使って後転する場合は、スロープの高いほうの端にしゃがんだところから開始してみましょう。

(3)補助付き後転

保護者のかたが、子どもの腰を持って回転を助ける練習方法です。後転は途中で回転が弱まってしまう点が、前転と比べて難しいところ。保護者のかたが、勢いよく回りきる・立ち上がるタイミングで助けてあげるのがこの練習方法です。

お子さんが回転するとき、床に頭が着きそうな場所を仮定して、その近くにひざ立ちします。前転と同じく、お子さんがおへそを見ながらしゃがんで、回転したら、左右の腰骨あたりを持って持ち上げてあげることで、回転と着地を助けます。
回転の後、お子さんがマットを押しながら体を起こそうとするところでも、同じようにして補助します。

慣れてきたら補助の力を徐々に弱め、自分の力だけで後転できるようにしましょう。両手がマットについたら、エビのポーズを忘れずに!

後転をマスターするために、自分に合った練習方法でチャレンジしてみよう!

最後に、後転に挑戦する場合の4つのポイントをまとめておきます。

・手を上に向け、耳の横につける
・おへそを見ながらあごを引いて、背中を丸めてしゃがむ
・後頭部がマットに触れる直前で、一気に脚を振り上げる
・両手で強くマットを押し、その力と回転の勢いで腰を上げて立ち上がる

この4つのポイントをおさえて繰り返し練習していけば、きれいな後転ができるようになります。マット運動の中でも、最初にぶつかる壁がこの後転といえるでしょう。その分、うまくできるようになったときの達成感も大きいと思います。ご紹介した練習方法などを参考に、ご家庭でたくさん練習して、ぜひ後転をマスターしてみてくださいね。

お子さんが後転に慣れてきたら、次は後転と同じくマット運動の基本技である「前転」、そして前転の発展技である「開脚前転」、全身を回転させる「側転」にも挑戦するように伝えてみてくださいね。その時はぜひ、「前転」と「開脚前転」、「側転」の記事も参考にしてください。

(※1)文部科学省『小学校体育(運動領域)まるわかりハンドブック』「マットを使った運動遊び~跳び箱を使った運動遊び」
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/07/06/1306084_04.pdf

(※2)文部科学省『学校体育実技指導資料第10集』「器械運動指導の手引」「第3章 技の指導の要点」
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/01/27/1356131_6.pdf

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