子どもが恥ずかしがり屋になる原因と克服のための対処法は?保護者のかたのリアルな声も紹介!

お子さまが恥ずかしがり屋で、いつもママやパパの後ろに隠れてばかり…。子育ての中で、お子さまに「もっとお友達の輪に入ってほしい」ともどかしく思ったことはありませんか?

引っ込み思案なお子さまの心には、いろいろな感情が溢れています。将来お子さまが他の人と上手にコミュニケーションをとったり、さまざまな事態に対応できる大人になれるよう、今のお子さまの思いを理解しつつ、幼少期からできる取り組みを始めましょう。

この記事のポイント

お子さまが恥ずかしがる原因は?

保育園や幼稚園、小学校の発表会など、大勢の前だと恥ずかしがるお子さまの姿。「どうしてうちの子はこんなに恥ずかしがり屋なのかな?」と思ったことはありませんか?

お子さまが恥ずかしがる原因は、大きく分けて3つあります。

【原因1】お子さま自身の失敗体験

1つめは、お子さま自身の体験。何か失敗をしたり、他の人から笑われたように感じた経験がもととなっているケースです。

大人から見れば“ささいな失敗”や“かわいい失敗”であっても、お子さま自身にとっては、とてつもなく大きく、恐怖にも似た体験になって場合があります。つらい経験を思いだして「あのときみたいに失敗したら…」と考えて萎縮してしまうことが、恥ずかしがり屋の原因になっていることがあります。

【原因2】周囲の大人の対応

2つめは、周りの大人たちの対応です。

たとえば、お子さまが自発的に何かをしようとしたときに、つい親御さんが手を出したり、口出しをしすぎてしまったりすることがあるかもしれません。そんなとき、お子さまの心の中に「自分は何もできないんだ」という気持ちが生じ、考えることをやめてしまう場合があります。

また、保護者に頼れるという安心感が強くなり、自信のない場面で親御さんに頼ってしまうといったこともあるでしょう。

【原因3】経験が十分でない

3つめは、経験を積み重ねる機会が少ないことです。

お子さまの成長には、経験することでできるようになるという過程が重要です。本来備わっているお子さま自身の力を存分に発揮することで、お子さま自身のやる気や自信につながるからです。

何らかの理由で経験する機会が減ってしまえば、お子さまは一人で物事に立ち向かう自信を得にくくなるかもしれません。やがてそれは「できない」という不安につながり、自己アピールも苦手になってしまうこともあるでしょう。

普段の生活で心がけたいOK対処法は?

お子さまが恥ずかしがらずに行動できるようになるためには、自分に自信をもてるようになることが大切。普段の生活でもできる方法がいくつかあります。

【対処法1】得意なことを伸ばす

恥ずかしがるお子さまに対しては、「なぜ、やらないの? みんなやってるよ」と親御さんの気持ちを優先してやらせるよりも、お子さま自身の得意なことを伸ばしてあげるようにしましょう。

お絵かき、ダンス、歌、なわとび、かけっこなど、好きなことや得意なことは、お子さまそれぞれで異なるものです。ぜひ、お子さま自身が没頭していることを伸ばしてあげてください。「上手にできたね」などと褒めるだけでも、お子さまはどんどん自信をつけていくでしょう。

自信のあることを軸として行動範囲を拡げていけば、少しずつ、恥ずかしがらずに堂々と振る舞ったり、おしゃべりしたりできるようになることもあります。

たとえば、少数の他の子と一緒に得意なことをして遊んでみてください。自分らしさを発揮できる場所を得られるとともに、お子さま自身の恥ずかしいと感じる気持ちも薄れていきます。他の子と楽しく遊べることで、より自信を高められるでしょう。

【対処法2】お子さまのタイミングを大切にする

お子さまがもじもじしていると、つい保護者から「ほら、早く」と急かしてしまうこともあるかもしれません。しかし、お子さまにはお子さまのタイミングがあります。

話し始めるタイミング、初めての場所に入るタイミングなど、大人のタイミングではなく、お子さまのタイミングを大切にしてあげてください。急かしてまうと自分自身のタイミングを逃してしまい、うまく対応できないことで自信を失ってしまう可能性があります。

急かしたい気持ちを抑え、お子さま自身のタイミングを待ってあげるようにしましょう。

【対処法3】何度か経験して慣れさせる

初めてのことや初めての場所は、大人でも緊張するもの。お子さまも同じです。

しかし、何度も繰り返し経験することで慣れていけます。慣れることでお子さまの緊張も和らぎ、自然なふるまいができるようになるでしょう。

お子さまに上手に経験させていくには、お子さま自身が恥ずかしがる場面、状況を理解することから始めてみてください。経験を積み重ねる際は、結果をすぐには求めず、じっくりくり返し取り組んでいくことが大切です。

【対処法4】小さな目標で達成感を味わわせる

お子さまが自信をつけるには、達成感を得ることも効果的です。達成感を得るには、目標の設定を行いましょう。

このとき重要なのは、小さな目標にひとつずつ取り組むこと。大きな目標だと達成するまでに時間がかかり、息切れしてしまう可能性があるからです。大きな目標を設定する際は、そこにたどり着くまでの「達成しやすい小さな目標」を作りましょう。

お子さまにとって達成しやすいくらい小さな目標にすることがポイントです。小さな目標をひとつずつクリアすることで、お子さま自身の達成感を積み重ねることができます。

ご家庭の中のこと、お子さまがやりたい習い事などの中でチャレンジしてみるのもよいでしょう。

そのほか、保護者のかたはこんな方法を実践しているよう。ぜひ参考にしてみてくださいね。

「とりあえず場慣れさせる!夏休みを利用して、様々な体験や活動に申し込んで、最初は不安がって一緒にいてとくっついていたけれど、回を追うごとに新しい場所や人と会うことに慣れてきたのか、経験が自信に繋がったのか、1人でも臆せず参加できるようになってきた。」(小学2年生の保護者)
「人前できちんと挨拶が出来るのに、それ以外はもじもじしてしまう子ども。ある日子どもから『どうしてお母さん以外の大人は質問しておきながら、私が一番良い(適した)答えを考えている時間を待ってくれずに勝手に解釈して話を終わらせるの?』と質問されました。『恥ずかしがり屋』=『上手く意志疎通が出来ない』ではなく、会話のキャッチボールをする時間には個人差があるだと気づき、返答は遅いけれど少し待って欲しいと周りにお願いしました。」(中学2年生の保護者)
「ダンスを踊るのが好きだったので、ダンスを習わせました。10人くらいのダンスチームですが、発表会では大勢の前に立つことになり、何度か繰り返しているうちに度胸がついてきたように思います。」(小学4年生の保護者)

※2023年にベネッセが行ったWEBアンケートより
恥ずかしがり屋のお子さまに効果的だった対処法はありますか?

気をつけたいNG対処法は?

日常生活でおすすめの対処法がある一方で、ついうっかりやってしまうNG対処法もあります。

【NG対処法1】「うちの子、恥ずかしがり屋で」と頻繁に言う

他の人の前でお子さまが恥ずかしがっている様子を見て、つい「うちの子、恥ずかしがり屋なんです」「恥ずかしがり屋で困ってるんです」と先生や他の保護者に言ってしまうことがあるかもしれません。

しかし、こうした言葉は「自分は恥ずかしがり屋なんだ」「恥ずかしがり屋は困る子なんだ」という思いをお子さまに与え、お子さまがさらに自信をなくしてしまう場合があります。

人前に出る場面でお子さまが恥ずかしがっていたら、「大丈夫だよ」など前向きな言葉を心がけながら声をかける方法がおすすめです。

【NG対処法2】恥ずかしがり屋であることをネガティブに捉える

お子さまにもっとお友達と遊んでほしい、もっと堂々としてほしいという親御さんの思いから、人見知りや恥ずかしがり屋であることに対してネガティブな気持ちが生まれるかもしれません。しかし、これもお子さまの自信を失わせるという逆の結果を招く可能性があります。

恥ずかしがることは、決して悪いことではありません。新しいことや人とのコミュニケーションに対して慎重になる性格だというだけなのです。

お子さまのそうした気持ちに寄り添い、お子さまは状況をしっかり見極めているのだと考えてみてください。その上で、親御さんからはポジティブな提案を心がけましょう。

できたときに褒めるのはもちろん、たとえできなかったときでも、お子さまが「頑張ろうとしたこと」を褒めてあげることが大切。そうすることで、「次はもう少し頑張ってみよう」と思えるようになるでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

恥ずかしがり屋なお子さまを見ていて心配に思うことは多いかもしれません。人前でも自然に、あるいは堂々とふるまえるようになるには、経験を積んで自信をもつことが大切です。

無理に急かしたり責めたりするのではなく、お子さまの慎重な気持ちに寄り添い、できたときや頑張ったときはたくさん褒めてあげましょう。

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