発達障害・グレーゾーンの子の親は頑張りすぎかも! できることの合格ラインを下げれば、親も子も楽になれる

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今回は、ご自身が発達障害・グレーゾーンの子育てをする中で、子どもにきちんと伝わる「声かけ変換」を実践し、発信している大場美鈴さんに頑張り過ぎない子育てへの考え方についてお話をうかがいました。

この記事のポイント

グレーゾーンの子は無理をしがち。負担を減らす工夫をしてあげて

発達障害としての診断があるお子さまの場合は、努力で乗り越えられない壁というのがあるように思いますが、グレーゾーンのお子さまの場合は、本人の努力でギリギリ乗り越えられるようなことが多いのではないでしょうか。

保護者のかたからすると、学校にも行けているし、勉強にもついていけているように見えますが、それはいろいろなところで本人が他の人よりちょっとずつ努力しているからこそ成されていることでもあります。
もちろん努力するのは素晴らしいことですが、それがストレスや負担として積もっていってしまうことがあり、ある日突然「学校に行きたくない」など、疲れが出てしまうこともあります。

なので、発達障害の有る無しにかかわらず、特別な支援というほどではなくとも、負担を減らす工夫をしてほしいと思います。先生に相談するなどで、まわりに負担感をわかってもらえるというだけでも気持ちは楽になりますし、その子の「できた」のハードルをうんと下げてあげるというのでもいいと思います。

例えば、運動が苦手でも日常生活に支障ない程度の体力をつれば十分、縄跳びの二重跳びがぐるぐるできなくても本人なりの目標を達成できればOKなど、「みんなができているライン」を目指すのではなく、「ギリギリセーフ」くらいのラインでも、「これくらいできればたいしたもの!」と、その子なりの頑張りに気づいてあげられるといいですね。

「声かけ変換」は甘やかし?

今年6月に出版された書籍『発達障害&グレーゾーンの子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる!声かけ変換』(あさ出版)では、発達障害やグレーゾーンのお子さまを始め、日々の子育ての中で、「こうやって伝えたらわかってもらえるかも」というアイデアを散りばめています。
ただ、「ここまでやってあげては、甘やかしていることになってしまうのでは」と不安になる保護者のかたもいらっしゃると思います。当然、学校や社会の中では誰もが声かけ変換して我が子に伝えてくれるわけではないので、徐々に手を離していくというのがとても大事だと、最近強く考えるようになりました。

子どもの手離れへ徐々にシフトを

具体的には、声かけ自体をだんだん減らすようにします。最初は「キチンとして」ではなく「シャツをしまって、背筋を伸ばしてごらん」というように、具体的にイメージできない子どもにわかりやすく伝えていたことでも、繰り返しているうちに子ども自身にも経験値が貯まってだんだんできるようになるもの。そうしたら、次は「こういうときはどうするんだっけ?」と、気づかせる声かけにシフトします。

最後は、それもだんだん減らしていき、子どもが最初から最後まで自分で判断できるように見守るようにしていきます。親は気づいているのに、あえて黙っているのは結構つらいんですよね。私も我慢しきれず、「◯◯忘れているよ!」とつい口に出してしまうことが今でもあります。
ぜひ、お子さまの成長を見守りながら、その子にあった声かけと手離れができるといいですね。

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感情的になりがちな言葉を子どもにきちんと伝わり受け取ってもらいやすい言葉に言い換えた「「声かけ変換表」はネット上で14 万シェアを越えました。
本書は、この「声かけ変換」を「子どもに自信をつける声かけ」
「子育てがラクになる声かけ」など、目的別に分け166にまとめた一冊です。
発達障害&グレーゾーンの子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる!声かけ変換

プロフィール



1975年生まれ。うちの子専門家。
美術系の大学を卒業後、出版茶で医療雑誌の編集デザイナーとして勤務し退社。実父の介護経験を経て結婚。3人の子宝に恵まれる。長男はASDの診断とLD+ADHDの傾向がある。次男、長女はいくつか凹凸特徴はあるグレーゾーン。2013年より、「楽々かあさん」として、育児の傍ら日々の子育てアイデアをシェア・情報発信する個人活動を開始。「声かけ変換表」がネット上で14万シェアを獲得して拡散し、話題に。著書『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て方』(汐見稔幸監修/ポプラ社)他。

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