マット運動(3)側転は手を着く位置の確認が重要!側転の練習方法

前転や後転ができたら、今度は側転にチャレンジしてみましょう。側転は正確には「側方倒立回転」と言います。つまり、側転は単に横に回る技ではなく、倒立しながら体を回転させる技なのです(※1)。とてもかっこいい技ですが、ひざや腰が曲がっているとキレイに見えません。

今回は、上手な側転のやり方や練習方法をご紹介します。コツをつかんで、ぜひ美しくダイナミックな側転ができるように練習してみましょう。

なお、技の習得スピードには、個人差があります。マット運動の練習をする際は、お子さんの技能レベルに応じた目標を立てて、決して無理のない範囲で練習するようにしましょう。
また、安全確認には常に気を配るように指導してください。

■側転ができない子がつまずきやすいポイント

まずは、側転の主なつまずきやすいポイントを確認してみましょう。
一つ目は、ひざや腰が曲がっており、側転がまっすぐできない状態であることです。ひざや腰が曲がっていると、回転の方向も曲がってしまい、見た目もキレイではありません。

二つ目は、手の着く位置をしっかり確認せず、前回りのように回ってしまうことです。正しく回転するには手を着く位置が重要なため、目線は手の着く位置に定めるように意識しましょう。

■側転のやり方・コツとは

それでは次に、「側転の順序」を確認していきます(※2)。
<側転の順序>
(1)まず脚を前後に軽く開いて、両手を高く上げます。この時、後ろの足(振り上げ足)に体重をかけるようにします。
(2)前の足(踏み切り足)に重心を移しながら、前傾になります。
(3)手が床に着く直前に体をひねり、横向きになります。
(4)片足ずつ、勢いよく振り上げます。
(5)後から着いた手で床を押し、片足ずつ着地します。

回転する時に脚を大きく開くと、回転がより速くなります。また、手を着く位置と、回転して着地した時の脚が一直線上にあることが、より美しい側転の条件です。ぜひ練習してみてください。

次に、この側転の練習方法を紹介します。ご家庭でもできますので、周りにぶつからないよう注意しながら、ぜひ親子で側転を練習してみてください。

■繰り返せば側転がうまくなる!基本練習の方法

(1)目印を置いて台を飛び越す
側転の練習が初めてであれば、まずこの台を飛び越す練習から始めましょう。側転練習用の台の作り方は、以下の通りです。

・お子さんの立ち位置の先にひざの高さくらいの台を置きます。
・その台の脇に、両手を置く目印を付けます。幅は肩幅を目安にします。

台は、両手で押しても深くへこまないような、硬めのものを選びましょう。できれば角に丸みをもたせた素材だとべストです。この台を使って練習する時は、両手を同時に置かず、自分に近いほうの手から順に着きます。そして脚を上げて、台をまたぐように飛び越えましょう。脚を台にぶつけないよう、保護者のかたは注意して見てあげてください。慣れてきたら、少しずつ脚の振り上げに勢いをつけていき、腰とひざを伸ばせるようにしましょう。その後、目印を無くして同じように練習していきます。

(2)補助付き側転

補助付き側転を家で練習する時は、布団などを使いましょう。保護者のかたはお子さんの脚がぶつからないように、布団の脇(お子さんが両手を着く位置)にひざ立ちして待機します。そして、お子さんが両手をマットに着けて脚を振り上げたところで、保護者のかたは腰を支えて体のバランスをとりましょう。

腰を支える時は、回転する時の腰の位置がきちんと高くなるように腰骨のあたりを支えてあげます。お子さんは回転に勢いがついて回りやすくなるからです。さらに、お子さんには大きく脚を開くように促しましょう。また、ひざと腰がまっすぐ伸びていることは美しい側転の条件の一つです。お子さんの腰を支えつつ、ひざを伸ばすようにお子さんにアドバイスしましょう。

(3)お子さんに「どちらの足を前に踏み出せばいいの?」と言われたら

・側転をする時、どっちの足を前に出すのか悩んでしまうお子さんもいると思います。振り上げ足と踏み切り足は、そのお子さんがやりやすい方を選ぶことが第一です。ただし、技によって足を変えることは発展技を覚えていくうえでの障害になるので避けましょう。マットを飛び越えた時に踏み切った足が、一般的には踏み切り足になります(※3)。

手の着く位置や重心の移動に慣れれば、側転はマスターできる!

側転は一見難しい技ですが、練習して手の着く位置や両足の重心の移動などを覚えれば、決して不可能ではない技です。
ただし、ストレッチを怠ってしまったり、やり方を間違えたりしてしまうと、体重を支える手首や首に負担がかかってしまうこともあります(※4)。保護者のかたは、お子さんの安全に十分に配慮しながら指導をしてあげてください。補助する際にも、どのタイミングでお子さんの体をどう支えるのかを十分に覚えておきましょう。補助の仕方を知らないまま無理に補助をしようとすると、かえってけがを招く可能性があります。家で側転の練習を行いたい時は、着地場所にマットを敷くなど十分配慮し、お子さんが安心して練習できるような環境づくりを心がけましょう(※5)。

側転以外にも、マット運動の基本技である「前転」と「後転」、そして前転の発展技である「開脚前転」の練習方法を別記事にて紹介しています。ぜひ、記事を参考にしながら、新しい技に挑戦してみてください。

(※1)大分県教育委員会 学校ホームページ「平成26年度学体研研究推進校資料マット運動」P17
http://syou.oita-ed.jp/saiki/turuoka/matteachersdata.pdf

(※2)文部科学省『小学校体育(運動領域)まるわかりハンドブック』 P16
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/07/06/1308040_04.pdf

(※3)大分県教育委員会 学校ホームページ「器械運動(マット運動)指導者用資料」
「5.マット運動:側転(側方倒立回転)のとらえ方とその指導方法」
http://syou.oita-ed.jp/saiki/turuoka/matteachersdata.pdf

(※4)文部科学省『学校体育実技指導資料第10集』「器械運動指導の手引」「第3章 技の指導の要点」
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/01/27/1356131_6.pdf

(※5)文部科学省『学校体育実技指導資料第10集』「器械運動指導の手引」「第5章 「器械運動系」領域のQ&A~巻末資料(付録)」P10
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/01/27/1356131_8.pdf

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