開脚前転のやり方・コツとは? 脚を開くタイミングが重要。マット運動(4)

前転ができたら、次は前転の発展技である開脚前転に挑戦してみましょう。前転しながら脚を開いて立ち上がるものですが、マット運動が得意なお子さんでもきれいに体を回転させるのが難しいこともあります。開脚前転の回転前からフィニッシュまで、正しい形を身につけていきましょう。

なお、技の習得スピードには、個人差があります。マット運動の練習をする際は、お子さんの技能レベルに応じた目標を立てて、決して無理のない範囲で練習するようにしましょう。
また、安全確認には常に気を配るように指導してください。

開脚前転がうまくできない子がつまずきやすいポイント

開脚前転でよく見られるつまずきポイントは、まず慌てて立ち上がろうとしてしまい、ひざがきちんと伸びていないままで回転してしまうことです。ひざが伸びていないと、ひざが曲がってしまい、きれいな形に見えません。また、脚の開きが足りないために、回転した後に起き上がれないことも考えられます。

開脚前転を上手に回るポイント

まずは開脚前転の手順から確認しましょう(※)。最初のポーズは前転と同じです。手の位置はつま先のすぐ前か、手のひら一つ分程度離したところに置きます。目線はおへそを覗き込むようにします。そのまま、頭の後ろが床に着くイメージで回転します。脚が床に着きそうになってから、すばやく十分に足を開きます。起き上がる時は体の近くに両手を着き、体重を前にかけながらお尻を浮かせます。両手で床を押しながら立ち、フィニッシュポーズをとります。この時、ひざを曲げないように注意しましょう。

つい脚を回転中に開きたくなりますが、ここは少し我慢をして、床に脚が着きそうになった時にパッと開くようにします。いつもの前転より回転に勢いをつけることで、立ち上がる時にひざが曲がりにくくなるので試してみてくださいね。

開脚前転がうまくなる! 基本練習

ここからは、ご家庭でできる開脚前転の練習を紹介します。

(1)台から立ち上がる

これは開脚前転の「回転した後、最後の脚を開いて立ち上がる場面」をスムーズにできるようになるための練習です。ご家庭では、座布団を数枚重ねて練習台にするとよいでしょう。練習台があることで、マットのような平面のときよりも腰が上がり、立ち上がりやすくなるからです。

もちろん、この台が高ければ高いほど、立ち上がりやすくなります。お子さんが練習に慣れてきたら、座布団の枚数を一枚ずつ減らしていき、マットだけでも上手に立ち上がれるように促してみましょう。

それでは、練習方法を紹介していきます。

1:まず、台をまたいで脚を開き、座ります。
2:台の上に手のひらを置いて体の前に着き、両手で台をしっかりと押しながらお尻を浮かせるようにして立ち上がりましょう。

ここで注意したいのは、ひざを曲げないことです。ここでひざが曲がってしまうと、きれいな開脚前転の形になりません。もし難しいと感じた場合は、脚の開きを小さくして、立ち上がる時はかかとを床にグッと押しつけるイメージで練習しましょう。しばらくは太ももの裏が痛くなると思うので、無理せず開脚の幅を狭めてください。

(2)補助付き開脚前転

補助付き開脚前転の練習も、開脚前転の最後に立ち上がる時、スムーズに立てるようにするために行います。ご家庭で練習する場合は、布団を重ねてマット代わりにするなど、お子さんがけがをしないよう、安全な環境を整えてあげましょう。

1:お子さんは、腰を落として両手を前に出し、前転をする前のポーズをとります。保護者のかたは布団の脇にひざ立ちして、お子さんをいつでも補助できる態勢をとり、待機しましょう。

2:お子さんは、膝が曲がらないように回転に勢いをつけ、脚を伸ばしたまま大きく回転します。勢いをつけてお子さんの両手が床に着いたところで、保護者のかたはお子さんの腰を支えます。そのままお子さんの体を持ち上げれば、なめらかに立ち上がれるようになります。

お子さんが慣れてきたら徐々に補助を減らし、お子さんが一人で立てるように励ましてあげましょう。

(まとめ) 開脚前転では、脚が床に着くギリギリのところで脚を開こう

開脚前転で気を付けるポイントは、脚を開くタイミングでした。焦って回転中に脚を開くのではなく、脚が床に着くギリギリのところで素早く開くこと。ひざが伸びた、美しい開脚前転ができるようになるよう練習してみてください。そして開脚前転の次は、脚を伸ばしたまま大きく前転する「伸膝前転」に挑戦してみてはいかがでしょうか。

開脚前転以外にも、マット運動の基本技である「前転」と「後転」、そして全身を回転させる「側転」の練習方法を別記事にて紹介しています。ぜひ、記事を参考にしながら、他の技にも挑戦してもらえると嬉しいです。

(※)茨城県教育委員会「マット運動の場の工夫例」
https://www.edu.pref.ibaraki.jp

\シリーズ記事はこちら/

<第1回>上手な前転ができるようになるには? 前転のコツ・基本練習の方法をご紹介。
<第2回>後転ができない理由は? 成功のコツと練習法を写真で解説
<第3回>側方倒立回転(側転)のコツは手を置く位置!練習方法を解説
<第4回>開脚前転のやり方・コツとは? 脚を開くタイミングが重要。

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