学童終了、保護者の45%が不安
アンケート期間 2011/04/20~2011/04/26 回答者数:1,226人
アンケート対象:全国の本サイトメンバー 過去に学童保育を利用したことがある、現在小学5年生~中学生の子どもの保護者
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある
今回のテーマは、学童保育。特に共働きのご家庭にとって、頼りになる存在ですよね。受け入れ年齢を超えるなどの理由によって学童保育を利用できなくなった場合を考えると、不安になる保護者も多いのではないでしょうか。
今回は、過去に学童保育を利用したことがある、現在小学5年生~中学生のお子さまがいらっしゃる保護者にアンケート。受け入れ年齢の上限や預かってくれる時間、学童保育終了時の対応など、さまざまな面から回答をいただきました。学童終了後の生活変化に対するアドバイスもご紹介します。
回答の約半数の学童では小3までを受け入れ
最初にお子さまが学童を、どんな期間、平日何時まで利用していたかを伺いました。また、その学童が小学何年生まで受け入れていたかもお聞きしています。
【図1 お子さまが学童保育に行っていた学年当時、学童保育を利用していた期間は以下のどれですか?】
※複数回答
【図2 図1で「長期休暇以外の通常期間」を選択したかたに伺います。お子さまが学童保育に行っていた学年当時、お子さまはだいたい何時まで学童にいましたか?】
※「平日」について回答
【図3 お子さまが行っていた学童保育は、小学何年生まで受け入れていましたか?】
「学童保育の利用期間」で最も回答率が高かったのは「長期休暇以外の通常期間」で、全体の6割以上。次いで、4割の「長期休暇中」でした。
「子どもは学童保育を長期休暇以外の通常期間に利用していた」という保護者だけを対象に、お子さまが平日何時ごろまで学童保育にいたかを聞いた図2では、「17時まで」が約4割を占めてトップ。そして、「17時30分まで」「18時まで」と合わせると8割近くに達しました。夕方まで預かってもらっていたご家庭が多いことがわかります。
また、受け入れる子どもの年齢の上限は、「小3」が約半数。続いて「小6」で、約3割でした。
学童終了後の過ごし方、約半数が「留守番」!
次に、学童終了後の時間の過ごし方を伺いました。
【図4 お子さまが学童を終了したあと、放課後はどうしましたか?】
【図5 お子さまが学童を終了することを理由のひとつとして、塾や習い事、クラブ活動などの利用・参加を検討しましたか?】
最も多かったのは、「学童終了後は、子どもに留守番をさせた」という保護者。全体の約50%と、ほぼ半数を占めています。「保護者が在宅するようになった」が約36%で続きました。
また、「塾・習い事・クラブ活動をさせていた」も約29%と少なくありません。図5を見ると、学童が終了することを理由のひとつとして塾や習い事などを検討したご家庭の4人に3人が、実際に始めていることがわかります。
「検討して、塾や習い事などを始めた」というご家庭からは、「夏休みなどの長期休業期間にダラダラしそうだったので、中学受験のための塾に入れました」「自宅で一人留守番をさせたくなかったため、学校が終わってすぐに始まる塾に入れました」といった声が寄せられています。
一方、「検討したものの、塾や習い事などは始めなかった」理由としては、「子どもが嫌がったため」「子どもにあまりやる気が感じられなかったから」といった声が目立ちます。「経済的にちょっとハードで……」という声も。
学童終了後、子どもの留守番は不安
続いて、お子さまの学童保育が終了することに対して、保護者がどう感じていたかを伺いました。
【図6 (横軸)お子さまが学童を終了したあと、放課後はどうしましたか?
(縦軸)学童保育の終了にあたり、どのように感じていましたか?】
※(横軸)は複数回答
お子さまの学童保育終了を保護者がどう感じるかは、終了後、お子さまがどう過ごすかによって大きく異なっていました。
お子さまの帰宅時に在宅している保護者の割合は、「学童保育終了に不安はなかった」という保護者では4割以上であるのに対し、「学童保育終了は不安だった」という保護者では約2割です。
また、「学童保育終了はとても不安だった」「少し不安だった」という保護者の場合、「子どもは留守番をした」の割合が約6割。一方、「まったく不安はなかった」という保護者の場合、お子さまが留守番をする割合は約3割でした。
お子さまが留守番することになるご家庭のほうが、学童保育終了に対して不安を感じていることがわかります。
今回は、「不安だった」という保護者、「不安はなかった」という保護者それぞれに、その理由もお聞きしました。次のような声が寄せられています。
☆「学童保育終了は不安だった」理由
- 子どもの学童が終わっても、わたしは仕事をやめるわけにはいきませんでした。放課後は、子ども一人に長時間の留守番をさせることになってしまいます。友達と遊びに行く時も鍵をかけて出かけられるか、事件や事故に巻き込まれないか……。心配事が山のようにあり、不安でした
- 学校から帰って、子どもたちだけで留守番をすることになってしまうので、「もしも、何かあった時にはどうしよう」と不安になりました
- 一番の不安は、放課後を子ども一人で過ごさせること。寂しい思いをするのではないか、変な人が訪ねてきたらどうしよう……と、考え出すと不安の種は尽きません。悩んだ末に、子どもが帰ってきた時に家にいることができるよう、わたしが仕事をやめることにしました
- 友達と遠くまで遊びに行くようになるなど、子どもの行動範囲が広がり、帰宅時刻が遅くなりました。携帯電話を持たせていないため連絡もつかず、心配しました
☆「学童保育終了に不安はなかった」理由
- 子どもが学校から帰る時刻には、子どもの母親が家にいました。子どもが一人で過ごす時間がなかったため、不安はありませんでした
- わたしの両親、子どもにとっては祖父母が近所に住んでおり、学童が終了しても子どもの面倒を見てくれました。子どもが一人で過ごす時間はなかったため、安心できました
- 小学校卒業と同時に学童も終了。もう中学生だし、しっかりしてきていると感じていたので、家の鍵の扱いや一人で留守番することにも不安はありませんでした
- 学童が終了したら学習塾に通わせるつもりでした。放課後の時間の使い道が決まっていたので、不安に感じたことはありません
学童終了後の子どもの様子に満足する保護者は約8割!
では、実際に学童保育が終了したあとのお子さまの様子はどうだったでしょうか。
【図7 お子さまご自身は、学童が終了することに対して、どのように感じていたようでしたか?】
【図8 (横軸)お子さまが学童を終了したあと、放課後はどうしましたか?
(縦軸)お子さまご自身は、学童が終了することに対して、どのように感じていたようでしたか?】
※(横軸)は複数回答
【図9 学童終了後のお子さまの様子・放課後の過ごし方についてどのように感じましたか?】
保護者から見てお子さまが学童の終了をどう感じているかを伺った図7では、「子どもは残念そうではなかった」が全体の約7割を占めました。
ただ、お子さまが残念に思う割合は、学童終了後の過ごし方によって違っています。「残念な様子」は「留守番」をすることになったお子さまに多く見られました。逆に、「残念ではなさそうだった」という声は、お子さまの帰宅時に保護者が在宅しているご家庭に多く聞かれました。
一方、学童終了後のお子さまの様子や放課後の過ごし方については、8割近くの保護者が「満足である」と答えています(図9参照)。理由としては、「学童以外の友達と遊ぶ機会が増え、交友関係が広がっていると感じるから」「一人でちゃんと留守番ができているため」といった声が寄せられています。
「学童終了後の子どもの様子に不満がある」という保護者からは、「帰ってきてゲームばかりしていて外に遊びに行かなくなった」「遊んでばかりいて、宿題さえ言われないと取り組まない」「近所に同学年の友達が少ないため、学童がないと一人で遊ぶことになりがちだから」といった声が聞かれました。
学童保育に対する保護者の提言&アドバイスをご紹介!
最後に、学童保育について保護者自身の感想や意見を伺いました。また、学童が終了したばかりで不安を感じている保護者に対するアドバイスもお聞きしています。
☆学童保育について、あなたご自身が利用した経験を踏まえての感想や意見、要望などをお聞かせください
- 夏休みなどの長期休業期間は、学校の始業時刻と同じ時刻に学童を開けてほしい。そうでないと子どもを家に残して出勤することになり、心配です
- 冬場は16時30分までしか預かってくれません。短すぎない!?
- もっと学童をつくってほしい。うちの場合、同じ学区に学童がなく、他学区の学童に通わせていたため、金額が高くなってしまいました
- うちの子の通っていた学童は、児童数に対して施設が狭く、環境はあまり良くありませんでした。指導者のかたの人数も少なく、子どもに目が届かなかったのではないかと思います
- 高学年も受け入れてくれる学童が増えてほしい。また、受け入れやすい体制を行政側も考えてほしいと思います
- うちの子どもの学童は3年生までしか受け入れてくれませんでした。両親が仕事を続ける家庭としては、6年生まで預かってくれる学童のほうがありがたいですね
- たくさん遊ばせてくれてありがたいと思うものの、もう少し「勉強しなさい」と促してくれれば良いのにとも思います
☆学童が終了したばかりで不安を感じている保護者へのアドバイス
- 放課後の過ごし方は、しっかり約束しておきましょう。うちは、子どもだけの家には遊びに行かない、自分一人の時は家に呼ばないと決めました。外に遊びに行く時も、行き先を紙やメモボードに書くように言っています。戸締まりやストーブの扱いなども、日頃から教えて注意することも大切です。また、子どもは、多かれ少なかれ寂しい思いをしているはず。だから親としても、一日の出来事などを積極的に聞いてあげると良いと思います。心のケアを忘れずに!
- 鍵をしっかり閉めること、火は絶対に使わないこと、知らない人が訪ねてきても家に上げないなど、基本的なことができれば大丈夫です。宿題ができていなかったり、おやつをたくさん食べてしまったりといったこともあると思いますが、あまり注意をしてもお子さんはストレスを溜めてしまいます。多少は大目に見てあげて! また、うちは着信制限をつけてキッズ携帯を持たせ、こまめに連絡を取るようにしました。
- お子さん一人で留守番をさせるのが不安なら、同じ学童に通っていた友達何人かで、互いの家を順番に行き来するのも良いかも。友達と一緒ならお子さんも寂しくないと思います。ただ、あまり人数が多いと騒いで近所迷惑になってしまうこともあるため、2、3人がベストです!
- 最初からあれもこれもと求めても無理なので、とにかく最低限、戸締まりなど安全にかかわることを、学童終了前から親子でトレーニングしました。また、学童終了後は、意識して子どもとよく話をするようにしています。会話をとおして成長度合いを把握できるし、何か問題を感じたらすぐにアドバイスすることもできますよ!
- 一番困るのは、学校の長期休業時。ダラダラ過ごしがちなので、とにかく家で子ども一人にしないよう、キャンプや習い事、わたしの実家や友達の家へのお泊まりなどに行かせました。正直なところ、けっこうお金がかかってしまいましたね
(まとめ)
お子さまの学童保育が終了することに対する保護者の気持ちは、家庭の事情によって異なっていました。お子さまが留守番をする機会が多かったり、保護者が在宅できなかったりするご家庭では、多くの保護者が不安を感じています。
特に目立ったのは、夏休みなどの長期休業期間を心配する保護者の声。お子さまの行動把握、昼食の準備など、「今まで学童の先生に任せていたことをすべて親子でしなくてはいけなくなるのは、とても不安です」といった声がたくさん寄せられています。保護者もお子さまも安心して過ごせるよう、親子のルールをつくったり、緊急時の連絡方法などを決めたりするなど、準備をしておくことが大切なのではないでしょうか。
また、「低学年の場合、ママ友や近所のかたたちと情報交換ができる関係を築いておけば、学童が終了しても不安は少なくなるはず。習い事に行かせるにしても、友達と一緒のほうが安心です」という意見も少なくありません。保護者とお子さまだけで乗り切ろうとするには、ハードな面もあるようです。周りの人に相談したり、経験者の知恵を借りたりして万全な準備をしたいもの。例示した保護者のかたからのアドバイスも取り入れてみてはいかがでしょうか。