脳科学者・瀧靖之先生「やる気のスイッチを押せる子を育てるには、やっぱり親の力が不可欠!」

10万部を超えるベストセラー『「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)の著者でもある脳科学者の瀧靖之先生は、やる気のスイッチを押せる子を育てるには、親の力が不可欠といいます。今回は、「親子時間」をもっと楽しみたいママへの子育て情報誌「kodomoe」と、しまじろうと一緒に豊かな体験を育む幼児教育教材〈こどもちゃれんじ〉が連動し、将来、勉強や仕事に楽しみながら挑んでいける子になるために、幼児期に獲得したいやる気と記憶の関係について伺いました。

幼児期に大事なことは、世の中の事象に興味が持てること

子どもが将来、自分の力で幸せに生きていけるように、幼児期の親御さんがしてあげられることは、「知的好奇心」をはぐくんで、伸ばしてあげることです。これからの勉強、仕事、人生において大切なことは、世の中のことにいかに興味が持てるかと、それを突き詰められるかどうかです。
もうひとつは、「共感性」を持つこと。相手の喜怒哀楽を自分のこととして理解して、適切に対応する能力が求められていると感じます。よく言われている「非認知能力」のひとつで、やり抜く力と自制心に加え、共感性や創造性を育てていくことが重要です。
つまりは、自分の能力を伸ばす原動力を持てるかと、相手にいかに共感できるか、このふたつが子どもの将来に向けて、重要になってくると考えています。

楽しいから知りたい!という気持ちを後押ししてあげる

そこで、普段から子どもの好奇心を伸ばすために、どんな環境を整えてあげるといいかというと、まず大事なのは、「ファミリアリティ」と呼ばれる、親しみ度です。脳が一番伸びる時期に、いろいろなことに興味、親しみを持ってくれるよう働きかけるといいですね。ものごとは、0と1の差が究極に大きいので、まったくやっていないよりも、ちょっとでもやっておくのがいいですね。
そして重要なのは、子どもにとって楽しい状態を作ること。「快・不快」と「記憶」には、強い結びつきがあります。記憶をつかさどる「海馬」と感情をつかさどる「扁桃体(へんとうたい)」は隣り合わせになっていて、非常に密な情報の伝達をする繊維連絡があります。ですので、楽しい状態を作ると、勉強もより覚えやすくなると脳科学的によく言われています。
もちろん文字に楽しく興味を持ってもらおうと、図鑑を買って、子どもにハイッと渡して、親がスマホをいじっていたら説得力ないですよ。図鑑は、むしろ大人が読むといいんです。昔とは変わっている事実もあって、おもしろいですから。まず大人が楽しんで読んで、その横に子どもをちょこんと座らせるだけでもいいんです。子どもは、大人から楽しさを学んでいきます。

結局、教育の本質は子どもに何かをさせるんじゃなくて、大人がその姿を見せて一緒にやるということで、子どもが自然に学んでいくことにあるのです。

「親子時間」をもっと楽しみたいママへの子育て情報誌kodomoe 瀧先生インタビュー記事 https://kodomoe.net/

プロフィール


瀧靖之

東北大学 加齢医学研究所 臨床加齢医学研究分野 教授
医師。医学博士。東北大学理学部の生物学科で、ヒトの血液の赤血球について研究している中で、研究だけでなく「世の中にもっと役立ちたい」と思い、受験勉強をし直して、理学部を卒業後、同大学医学部に再入学。卒業後、東北大学大学院医学系研究科博士課程修了。脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。読影や解析をした脳のMRI画像は、これまでに16万人に上る。

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