幼児のかんしゃく、「叱る」「放置」はNG! どんな対処がベター?
子どものかんしゃくに手を焼かされているという保護者のかたは多いはず。特に公共の場などでかんしゃくを起こされると、やっかいですよね。保護者のかたがどのように対応すると、子どもの精神的な成長が促され、次第にかんしゃくを起こさなくなるのでしょうか。
かんしゃくは子ども特有の行動ではない!
子どもが怒りの感情を爆発させる「かんしゃく」に悩んでいる保護者のかたは少なくありません。かんしゃくは2歳前後から始まり、短期間で落ち着くこともあれば、5歳くらいまで続く場合もあるなど、かなり個人差があります。比較的おとなしかった子どもが突然かんしゃくを起こすようになり、戸惑う保護者のかたも多いようです。
そもそも、かんしゃくの原因とは何なのでしょうか。かんしゃくは幼児期によく見られる行動ですが、かといって子ども特有のものでもありません。大人でもカッとなって怒鳴ったり、ドアをバタンと閉めたり、感情を爆発させることがありますよね。基本的にはそれと同じことですが、幼児期の子どもは大人に比べ、かんしゃくを起こしやすい精神状態にあります。
成長段階にある子どもは感情の起伏が激しく、理性で感情をコントロールすることもできません。さらに好奇心が旺盛で、「これが欲しい」「こんなことをしたい」といった強い欲求を持っています。そんな子どもが、多くの場合は親から、「今日は買わないよ!」「それをしちゃダメ!」などと押さえ付けられると、一気に怒りの感情が湧いてきます。しかし、怒りを言葉で表す術をもたないため、大声を出したり、叩くなどの乱暴なことをしたり、しゃがみ込んで動かなくなったりと、行動で示します。これがかんしゃくの正体です。
かんしゃくの起こしやすさは、性格や環境など個々の要因によって異なります。また大人でも同じですが、疲れていたり、空腹だったりと、コンディションがよくないときに起こしやすくなります。
かんしゃくを起こされたときに心がけたいポイントは?
それでは、子どものかんしゃくにはどう対応するとよいのでしょうか。次のようなポイントを心がけましょう。
◎気持ちを落ち着かせる
かんしゃくを起こしている子どもは興奮状態にあります。まず子どもの気持ちを受け止め、抱きしめるなどして落ち着かせましょう。子どものかんしゃくに対し、親も怒りの感情をぶつけ返すのはよくありません。怒鳴って静かにさせるのは一見手っ取り早い方法ですが、効果は一時的なものに過ぎず、同じような場面があると再びかんしゃくを起こしてしまいます。
◎怒りの理由を説明させる
かんしゃくには子どもなりの理由があると考えてください。それを言葉で表せないためにかんしゃくを起こすわけですから、保護者のかたが理由を説明する手助けしてあげましょう。「お話ししてくれないと、どうして怒っているのかわからないよ」などと、例えわかっていたとしても、子どもの口から説明してもらいます。こうした経験を積み重ねるうちに、徐々に自分の気持ちを言葉で表すことを学び、かんしゃくを起こす場面は減っていくはずです。がまんできたら、「よくがまんできたね。すごいね」などとほめることも忘れないようにしましょう。
◎言いなりにならない
かんしゃくが鎮まらないからといって、子どもの要求を受け入れてしまうのはよくありません。かんしゃくを起こせば思い通りになるという誤った考え方を持つおそれがあります。子どもの気持ちを受け止めつつ、禁止する理由などを丁寧に説明して方針を曲げないことが大切です。
◎親がかんしゃくを起こさない
日ごろから親がかんしゃくを起こしていたら、自分の要求が通らないときには怒りを爆発させてよいと学んでしまいます。子どもは常に親のふるまいを見て真似をすると心得てください。