赤ちゃんとの添い寝の良さと、注意したいポイント
赤ちゃんの眠っている顔を見ていると、幸せな気持ちになり癒されることはありませんか。そんな赤ちゃんを寝かせるとき、保護者のかたが添い寝をすることもあるかと思います。ここでは「赤ちゃんとの添い寝」にどのようなメリットがあるのか、また注意すべきポイントについて、15年以上の経験をもつ保育士がご紹介します。
一緒にいることで得られるメリット! 添い寝のよさとは?
日本には畳の上に布団を敷いて眠るという文化がありますので、赤ちゃんを寝かせる場所も昔は畳に敷いた布団の上だったと考えられます。そうした習慣の中で赤ちゃんを寝かせようとしたとき、昔の保護者も自然と赤ちゃんの隣に添い寝をしたのではないでしょうか。
赤ちゃんとの添い寝には、以下のようなメリットがあります。
まず添い寝では、赤ちゃんは布団の上にいながら保護者のぬくもりを感じられます。赤ちゃんは保護者のやさしい声を聞いたり、保護者にやさしくふれてもらったりして、そばにいる保護者に守られていると感じられるでしょう。このような安心感の中で、赤ちゃんは心地よく眠りにつくことができます。
また、添い寝をしている保護者は、より赤ちゃんの体温を直接感じたり、表情や動きを近くで見たりできるため、体調面の変化について気づきやすくなります。例えば赤ちゃんの熱が出ているかどうかといったことがわかりやすくなりますし、眠りながら体をかゆがったり表情を歪めたりすることがあれば、「いつもと違うけど、どうしたのかな?」と気がつけますよね。それだけではなく、例えばもし赤ちゃんが眠りながら笑っていたら「楽しい夢を見ているのかな」などとうれしくなることもあるかもしれません。
赤ちゃんとの添い寝はいつから?
赤ちゃんを添い寝で寝かせる時期はいつからでもよいでしょう。
生まれたばかりのときでも隣で横になり、ぜひたくさんふれてあげてください。やさしく声をかけたり、歌を歌ったりしながら、保護者の声を聞かせてあげるのもよい方法です。
しかし、「添い寝をしたら自分が熟睡してしまうかもしれない」というかたは、安全面を考え、赤ちゃんの様子を見ながら添い寝を始めましょう。赤ちゃんによって成長には個人差がありますので、「●カ月から」とは明確に決まっていません。
例えば保護者が隣で眠ってしまい、腕などを赤ちゃんの上に乗せたままになるケースも想定できます。そんなとき、赤ちゃん自身が苦しいことを表現できたり、自分自身で動きながら腕を払いのけられる、または布団から自分で起き上がれるなど、活発に動くようになったら、添い寝のタイミングとしては問題ないでしょう。
また、添い寝をしながら授乳をするというかたや、授乳したまま赤ちゃんと一緒に眠ってしまうというかたもいるかもしれません。このケースでは保護者自身が眠らずにしっかりと意識を保つことが大切ですので、気をつけなければなりません。
「周りを気にしないほどぐっすりと眠ってしまう」「寝相がとても悪い」というかたは、添い寝を始めるタイミングを延ばすことで、赤ちゃんの安全面を優先しましょう。
お子さまが1歳を過ぎてからでも、2歳を過ぎてからでもかまいません。慌てなくても大丈夫ですよ。
添い寝はたくさんあるスキンシップの中のひとつ
スキンシップは添い寝だけではありません。横抱っこでゆらゆらしながら眠らせるということもあるでしょうし、首がすわれば縦抱っこで眠らせることもできるでしょう。
また、赤ちゃん自身が首をしっかり動かせるようになり、うつ伏せにしたときに頭を上げたり両手で踏ん張れたりするようになれば、おんぶで寝かせることもできます。ベビーベッドに寝かせて、トントンとリズムを刻んであげるのもよいでしょう。
赤ちゃんによっては、眠る前に布団の上に寝かせられることをいやがることもあります。そうした場合は、寝入るまでは全身を包みこむように抱っこしながら眠らせてみましょう。そしてぬくもりの中にいることで赤ちゃんが安心して寝入った後に布団におろし、ひとりで寝かせてあげるとスムーズです。
また、添い寝をしなくても、布団で眠っている赤ちゃんの頭をなでたり手を握ったりすることで、赤ちゃんに安心感を伝えられます。トントンと体にタッチして、やさしくふれるだけでもよいでしょう。そのときどきの赤ちゃんの様子や保護者の状況で、さまざまな寝かせ方、スキンシップの方法をとるようにしてください。
添い寝は、赤ちゃんが布団の上にいながら安心して眠れる方法としてメリットのある寝かせ方です。とはいえ赤ちゃんの成長の様子や保護者の意識しだいでは、添い寝以外の方法が適切である場合もあります。
添い寝はひとつの方法とし、そのときどきの状況で抱っこやおんぶなどでも寝かせてあげましょう。どのような方法でもぬくもりを感じ、安心感を得られることが大切です。
保育士の経験から、添い寝のメリットや注意したいポイントについてご紹介しました。育児の仕方は人それぞれであり、絶対の正解というものはありませんが、多くの保護者のかたの参考になれば幸いです。