子どもを褒めると成長にイイことがたくさん!褒め上手になるためのコツをご紹介
子育てをしていく中で、「褒めて育てたい」「褒めて育てるべき」ということは分かっている保護者のかたも多いでしょう。しかし、「どんなふうに褒めてあげればよいのか分からない」という悩みもあるかもしれません。
子育てには、「分かっているけど実行するのは難しい」ということが多いのが現実ですよね。そこで今回は、お子さまに自信をつけてあげられる上手な褒め方をご紹介します。
この記事のポイント
子どもを褒めることの重要性
「褒めることが大切なのは知ってはいるけれど、具体的に子どもの成長にどう影響するのか分からない」という保護者のかたもいるでしょう。そこでまずは、お子さまを褒めることの重要性についてご紹介します。
◆挑戦する気持ちや前向きに取り組む気持ちが芽生える
自分がやったことや、やろうとしていることを否定されたとき、どのような気持ちになりますか? ほとんどの人は嫌な気持ちになり、なかにはやる気が失せてしまう人もいるでしょう。
反対に褒められたら、嬉しくなって「よし、やってみよう」「またやってみよう」という気持ちになるのではないでしょうか。
子どもも大人と同じです。保護者のかたに褒められることで、自分は認められたという気持ちになり、やる気が生まれます。また、失敗したときでも、頑張った過程や挑戦した気持ちを認めて褒めてもらえたら、もう一度チャレンジしてみようという気持ちになるでしょう。
このように、褒めることは認めることであり、それが自信になります。そして、挑戦や前向きに取り組む気持ちにつながっていくのです。
◆親に認めてもらうことで自己肯定感を育むことができる
褒めてくれる人の中でも、保護者のかたから褒められることは、お子さまにとって大きなパワーとなります。保護者のかたはお子さまにとって大好きな人であり、大きな信頼を抱く存在です。その保護者のかたに褒められることは、自分が認められることであり、大きな自信になります。
失敗したとしても、保護者のかたが「一生懸命頑張っていたよね」と褒めながら慰めたり、「応援しているよ」と励ましたりすることで、また頑張ろうと思えるものです。このように保護者のかたに愛されていると感じることで、自己肯定感も高まっていくでしょう。
それでは、具体的にどのように褒めるのがよいのでしょうか。子どもを褒めるコツをご紹介しますので、参考にしてください。
子どもを褒めるコツ5つ!
①些細なことでもその場ですぐに褒める
大きなことや特別なときだけでなく、些細なことでも褒めてあげましょう。「朝一人で起きられた」「公園まで一人で歩けた」など、日常生活の中でできたことを褒めてあげると、きちんと保護者のかたが自分を見てくれていると感じられ安心します。
大人であれば当たり前にできることも、お子さまにとっては挑戦です。ある程度一人でできるようになったことも、日によっては気分が乗らずできないこともあります。できて当たり前と思わず、「今日も頑張ってできたね」「昨日より早くできたね」と、継続や小さな変化、ほんの少しの努力を見逃さず、褒めてあげるようにしましょう。
保護者の実践例紹介
・小さなことでも何に対して褒めたかを伝えようと意識している。(中1・栃木県)
・よいと思ったところは、すぐ口に出してほめるようにする(小6・東京都)
②結果ではなく過程を褒める
成功したときだけでなく、挑戦して努力した過程を褒めてあげましょう。その日は失敗してしまっても、頑張った過程を褒めてもらうことで、挑戦したこと自体が大切だと思えます。そうすれば、もう一度チャレンジしようという気持ちもわいてくるでしょう。
保護者の実践例紹介
・結果ではなく、続けて努力したことをほめるようにしています。(小1・北海道)
・出来るだけ工程を褒めるようにしています。点数が悪くても、何日も前からコツコツやってたから頑張ったよ!など。(小6・埼玉県)
③具体的に褒める
保護者のかたが嬉しそうに拍手をしたり頭をなでてくれたりすることでも、お子さまは「褒めてもらえた」という気持ちを持てるでしょう。しかし、保護者のかたは「良くできた」と思っていても、お子さま自身が「失敗した」と思っている場合は、うまく伝わらないこともあります。
そのようなときは、まずお子さまの気持ちを理解して寄り添ってあげてください。そのうえで、「よく頑張ったよ。たくさん練習したものね。ママは知ってるよ」など、お子さまの頑張りを認めているよという具体的な言葉をかけ、褒めてあげるとよいでしょう。
保護者の実践例紹介
・具体的に誉めることと、上手くいかなくても頑張った過程を誉めることでキチンと見てくれている、ムダではなかったことを認識できるよう意識しています!(小6・岡山県)
④「感謝」「感動」「成長を喜ぶ気持ち」を伝えることは褒めることと同じ
お手伝いをしてくれたときは、「お手伝いしてくれてありがとう」「パパ助かったよ」といった感謝を伝えましょう。褒められたときと同じように自分の存在を認められたと感じられるので、自己肯定感が高まります。感謝の気持ちを知ることもできるでしょう。
また、絵を描いて見せてくれたときは「1歳のときは描けなかったけど、今は○○の絵が描けるようになったんだね!」と成長を喜ぶ気持ちを伝えてあげましょう。保護者のかたが自分の成長を応援したり喜んだりしてくれる姿は嬉しいものです。「いつも見てくれている」「またやりたい」という安心感や意欲を与え、お子さまの自信にもつながっていきます。
保護者の実践例紹介
・前に比べての比較を言います。「前は、1分で出来たけど、今回は、それよりも早くで出来たね(小2・兵庫)
⑤目を見たり、スキンシップを取ったりしながら褒める
どれだけ素敵な言葉で褒めてあげたとしても、視線が合っていなかれば「本当にそう思っているのかな?」と疑ってしまいそうになるものです。そのため、褒めるときはしっかり目を合わせて褒めるようにしましょう。お子さまが小さい時期であれば、手を握ったり、ハグをしながら褒めてあげるのもいいですね。
保護者の実践例紹介
・何が良かったのかを伝えながら、頭を撫でたり、抱きしめてあげています。(小3・愛知県)
・しっかり顔を見て、出来ていた事を具体的に褒めるようにしている(小1・千葉県)
・褒めるときはハグしてます。(中1・愛知県)
年齢別に見る褒め方のポイント
赤ちゃんの褒め方
赤ちゃんは1歳になるまでに、たくさんの成長過程を経ていきます。眠っているだけだったのが笑うようになり、首が据わったり、お座りやつかまり立ちができるようになったり、歩いたり……。保護者のかたにとっては、成長の一つひとつが嬉しいものですよね。
その際は、「笑った!かわいいね!」「すごいすごい!お座りできたね!」と、拍手しながら笑顔で大げさに褒めましょう。それにより、「喜んでもらえて嬉しい」「できて嬉しい」という喜びの感情を学んでいきます。
2歳頃までの褒め方
2歳頃までは、無条件に何でも褒めてよいでしょう。特に、お子さまが「見て見て」と言って、自分で作ったモノやできたことを見せてくれるときは、褒められたい気持ちが隠れています。
このときは、分かりやすい笑顔やオーバーアクションでしっかり褒め、気持ちを満たしてあげましょう。時間が経過してから褒めても何のことか分からなくなってしまう場合があるため、その場で褒めてあげることが大切です。
3歳児の褒め方
次第に個性が出てくる3歳児は、社会性が豊かになる分、褒め方のバリエーションを増やしていくとよいでしょう。大人の表情が読めるようになったり、褒められて嬉しくても嬉しいと表現できない、もしくはしないという行動が出てきたりするお子さまもいるからです。
そんな3歳児を褒めるポイントは、まずお子さまの気持ちに共感することです。トイレトレーニングなどで失敗しても、悪かったことを指摘するのではなく、挑戦しようとした気持ちを認めてあげましょう。
また、できるだけ具体的な言葉で伝えることも必要です。その際は、否定形ではなく肯定形を使い褒めるようにしましょう。
4~5歳児の褒め方
4歳~5歳児は、本音で褒めるようにしましょう。言葉も心も発達したこの時期は、本音でないことを見抜くお子さまもいるからです。
できたことだけを褒めると、お子さまの心に残りやすくなります。「○○ができたんだから、きっと○○もできるよ!」と褒めてしまいがちですが、これだとプレッシャーを与えてしまうので、できたことだけを伝えましょう。
また「昨日はここまでだったけど、今日はこんなにできたね!」と、お子さま自身が成長や変化を意識できる褒め方をすることも重要です。
小学生以上の褒め方
自分でもいろいろなことを考えて表現できるようになる小学生以上では、ただ褒めるだけではなく、どうしてできるようになったかを振り返られるような質問もできるといいですね。その際は「ワクワクした気持ちがとても伝わってくる作文だね。どんなことに工夫して書いてみたの?お母さんも参考にしたいな」と保護者が心から知りたいと思っている雰囲気が伝わるように質問できるといいでしょう。自分で振り返り、言語化することで自分のがんばりを再認識できるため、より自信をつけられるはずです。
子どもの成長を妨げる可能性があるNGな褒め方5つ
①ご褒美に頼りすぎている
おもちゃやお菓子などのモノでつったり、ちょっとしたことでご褒美をあげたりという方法はおすすめしません。そのときは喜んだりやる気が出たりという効果があっても、そのうちご褒美をもらえないとやらなくなってしまう可能性があるからです。
②「褒め言葉」にこだわりすぎて子どもを見ていない
何を褒められたのか分からない漠然とした褒め方は、お子さまに伝わりにくいです。「すごい」「上手」だけではなく、お子さまの行動や成長に合った言葉で、できるだけ具体的に褒めてあげるとよいでしょう。
③保護者のかたが理想とする行動しか褒めない
保護者のかたの望む行動をしたときにだけ褒め、その逆のときは怒るという方法をとっていると、保護者のかたの顔色をうかがう自信のない子どもになる恐れがあります。保護者のかたの言うとおりにしなければ褒められないと考えるようになり、自己肯定感が低い子どもになってしまうかもしれません。いろんな視点で、お子さまの良いところを見つけてあげたいですね。
④他の子どもと比べている
他の子どもと比べて褒めていると、「他人に勝てば褒めてもらえる」という考え方が定着してしまいます。次第に他人を見て優越感を抱いたり、自分を卑下したりするようになる恐れもあるでしょう。
本来褒めることは、自己肯定感を育むはず。しかし他の子どもと比べる褒め方を続けていると、劣等感や余計な競争意識を持つ子どもに育ててしまうかもしれないのです。
⑤結果ばかりに注目している
努力した過程でなく結果ばかりを褒めるのも避けた方がよいでしょう。結果を出さなければ褒められないというプレッシャーを感じさせてしまい、我が子を「いい子症候群」にしてしまう恐れがあります。過程も一緒に褒めれば、失敗したとしても自信を失わないはずです。
子どもを観察して褒め上手になろう
子育てにおいて「褒める」のはよいことです。ただ、「褒めて育てる」=「叱らない育児」ではありません。命に関わる危ないことをしたときなどは、しっかり叱るべきでしょう。
褒めるべきときは、お子さまの気持ちを理解し、状況を読み取って、上手に褒められるようになるとよいですね。
※保護者コメントはベネッセが2023年に行ったWebアンケートより