女の子のトイレトレーニングをうまくやる方法

【臨床心理士監修】1歳~3歳の女の子を育てているおうちのかたに、トイトレの基礎知識やコツをお教えします。女の子ならではの悩み「飛び散ってしまう」「拭き方はどうしたらいいの」や、いつからがよいのか、うまく進まないときの対処法まで、目からウロコの情報が満載です。

女の子のトイレトレーニングのはじめ方

トイレトレーニングで悩むのが、その「はじめどき」。お子さんが女の子の場合、どのようなことに気をつけてはじめればよいのか、ポイントを解説します。

いつから?は、こどもを観察して決めよう

トイレトレーニングの開始時期を調査したところ、最も多いのは2歳から2歳6ヵ月ですが、1歳から3歳の間でかなりばらつきがあります。「はじめどき」は年齢で判断するより、お子さんの様子をじっくり観察して決めることが大切です。

お子さんがトイレトレーニングをはじめられる目安としては、
● 一人で歩いてトイレまで行ける
● おうちのかたと、「うん(はい)」「いや」など簡単な言葉で、コミュニケーションができる
● おしっこの間隔が2時間くらい空く(オムツを変えたあと、こまめにオムツをチェックするとわかります)
これらがそろってきたら、トイレトレーニングをはじめることができるでしょう。
年齢別のトイレトレーニングの進め方のコツは以下の記事で解説しています。
1歳のトイレトレーニング方法~進め方とコツ~
イヤイヤ期の2歳のトイレトレーニング方法~進め方とコツ~
3歳のトイレトレーニング方法~声かけや進め方~

女の子は可愛いものが好き。雰囲気づくりも大事

女の子は可愛いものやキラキラしたものが大好き。トイレを「明るく、可愛い」雰囲気にする方がトイレに行きたくなりますよね。トイレカバーやマットを好きなキャラクターのデザインにし、壁などをデコレーションしたりするといいでしょう。

【おすすめグッズ】
● 大好きなキャラクターの補助便座やおまる
● トイレがうまくできたときにシールを貼る、「トイレトレーニング応援カレンダー」
こちらからダウンロードすることができます
● 可愛いデザインのお姉ちゃんパンツ(布パンツ)
これらを用意しておくと、トイレトレーニングが楽しく進むこと間違いなしです。

女の子向けのトイレトレーニングの方法

トイレトレーニングは、一つのステップをクリアしたら、次のステップ、というように進めていきます。うまくいかないときは、一つ前のステップに戻ってみることや、一つのステップにじっくり時間をかけることも大切です。それぞれのステップについて、女の子の場合に気を付けるポイントも含めて解説します。

ステップ1.トイレに興味をもつ

「ご飯を食べること」「着替えをすること」などと違い、「排泄」はお子さんがふだん目にすることはありません。まずは、「おしっこ」や「うんち」のこと、そして「トイレという場所」について、知ってもらうことからはじめます。

お子さんにトイレに興味をもってもらうためには、第一印象がとても大切です。絵本や楽しい教材などを使って、「ご飯を食べるとうんちが出ること」「みんなおしっこをしていること」「トイレの使い方」などを、明るいイメージで伝えます。

また、女の子はごっこ遊びが大好きなので、ままごとの中に「トイレに行く場面」を取り入れるのも効果的です。しまじろうなど、ぬいぐるみやお人形をトイレに行かせてあげる、といった遊びもいいですね。

【おすすめグッズ】
● 絵本 『みんなうんち』(作:五味太郎)、『ノンタンのおしっこシーシー』(作:キノヨサチコ)、『あけてあけてえほん といれ』(作:新井洋行)
● ベネッセ こどもちゃれんじの教材やDVD,絵本、トイレトレーニング動画やアプリなど

ステップ2.トイレに座ってみる、おしっこをする

お子さんがトイレに興味をもつようになったら、おうちのかたと一緒にトイレに入ってみましょう。用意した補助便座やおまるがお子さんのものであることを伝え、座ってみるようすすめてみます。

まだこの段階ではトイレに慣れることが目的なので、怖がるお子さんは無理して座らなくても大丈夫です。座ることができたら、「おしっこ出るかな?」と声かけをしてみましょう。偶然でも、おしっこが出たら「おしっこできたよ、すごいね!」とほめてあげてください。

おまると補助便座どっちがいい?
おまると補助便座それぞれにメリット・デメリットがあります。どちらを選ぶのか迷うところですが、1歳代もしくは身長が90センチ未満のお子さんだと床に足が届く「おまる」、2歳代以降は「補助便座」がおすすめです。

【おまるを使う場合の注意】
おまるをリビングで使うと、お子さんによっては、おまるを「おもちゃ」と思ってしまう場合があります。「おまる=排泄」のイメージを定着させるためには、おまるをトイレに置いて使う、という方法がおすすめです。

【補助便座を使う場合の注意】
補助便座はお子さんだと足が届きません。便座への上り下りや、座ったときの姿勢を安定させるために足台を用意してあげましょう。

ステップ3.自分で「おしっこ」と言えるようになったら可愛いパンツをプレゼント

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最初のうちは、おうちのかたが2~3時間おきにトイレに誘ってあげます。トイレでおしっこができたら、いっぱいほめてあげましょう。

そのうち自分から「おしっこ」が言えるようになってきます。そのときはごほうびに可愛いパンツをプレゼントしてあげましょう。女の子の場合、自分で好きなデザインを選ばせてあげるのも喜ぶでしょう。

ステップ4.「うんち」やお出かけ、お昼寝やおやすみにもトライ

トイレトレーニングが順調であれば、次のステップにも挑戦してみましょう。

「うんち」は便意を感じるようになってから
自分でおしっこができる回数が増えてきたら、次はうんちにもトライです。うんちができるようになるには、「便意がわかる」ことと「トイレまでうんちをがまんする」ことが必要で、3歳か4歳を過ぎた頃から、だんだんと「うんち」と言えるようになってきます。

外出時は事前にトイレの場所などを調べておく
最近では、お店や公共施設で、子ども用トイレや補助便座が用意してあるところが増えてきました。長時間外出するときには、事前に清潔な子ども用トイレのある場所をチェックしておくといいでしょう。

また、外出時に男子トイレに入ることに抵抗があるお子さんは、ユニバーサルトイレ(多目的トイレ)を利用するといいでしょう。

【子ども用トイレの情報の探し方】
● 遊園地・公園・商業施設などのHPをチェックする
● 近くのトイレを探せる携帯アプリを使う
● 『子どもとおでかけ365日』(著者: ぴあレジャーMOOKS編集部)、『首都圏 子どもと楽しむ 日帰りおでかけガイド』(著:ワイワイネット)などのお出かけガイドブック。

お昼寝・おやすみ時もパンツにトライ
お昼寝は短時間なので、寝る前にトイレに行くことができればパンツにしてもいいでしょう。おもらしが気になるようなら、布団の上に防水シートなどを敷いておくと安心です。

夜のおしっこは、昼間のトイレとは違って、長時間おしっこを溜めておけるように身体が成長することが必要です。
● 膀胱が朝までのおしっこを溜められだけの大きさに成長する
● 抗利尿ホルモンという、夜のおしっこの量を少なくするホルモンが分泌しはじめる
といった条件が整うと、自然と朝までおしっこがもつようになってきます。おねしょが続くうちは無理をせず、夜だけオムツを使用してもいいでしょう。朝一番でオムツが濡れていない日が続いたら、夜もパンツに移行して大丈夫です。

トイレトレーニングの進み具合は、お子さんによって大きく個人差があります。うまくいかない時は、1つ前のステップに戻ることも必要でしょう。

トイレトレーニングのやり方、進め方のコツはこちらの記事でも詳しく紹介しています。
トイレトレーニングはいつから?時期・やり方・進め方などコツを教えます

女の子のトイレトレーニングのコツ

女の子のトイレトレーニングを成功させるための、コツやアイディアを紹介します。

可愛いグッズを使って盛り上げよう

トイレトレーニングは小さな成功の積み重ねです。「たくさんほめてあげる」「ごほうびにキラキラシールを貼る」「花柄やフリルの可愛いお姉ちゃんパンツを選ぶ」など、女の子のテンションがぐっと上がる工夫をして、楽しくトイレトレーニングを進めていきましょう。

憧れのお姉さんやお友だちをモデルにしよう

女の子は、まわりのお友だちやお姉さんのことをよく観察しています。自分でトイレに行けるお姉さんやお友だちと、一緒にトイレに行ってもらうのがおすすめです。女の子は「私もできるようになりたい!」と憧れの気持ちをもつことで、トイレトレーニングが一気に進むことも多いのです。

女の子のトイレトレーニングのお悩み解決アドバイス

女の子のトイレトレーニングのよくあるお悩みにお答えします!

Q. 拭き方を教えるためのアドバイスをください

A. 女の子の場合、「おしっこは前から、うんちは後ろから拭く」のが基本です。ただし、小さなお子さんの場合は手が短く、うんちを拭くとき後ろから手が届かない場合があります。その場合は、おうちのかたが拭いてあげてください。

女の子の場合、うんちを前から拭くと、尿道に便が付いてしまい、「尿路感染症」を起こしてしまうことがあります。必ず「お尻側から手を回して拭く」ことと、拭く方向は「前から後ろに向かって拭く(膣方向に手を動かさない)」ことを教えてあげてください。とても大切なことなので、おうちのかたみんなで把握しておくようにしましょう。

おしっこを拭くときは、「ゴシゴシ」ではなくて、「ポンポン」と押さえるようにして拭きます。「トイレットペーパーを出して切る、折りたたむ、拭く、水を流す」という一連の動作を自分でできるように、毎回ゆっくり練習していきましょう。

【おすすめグッズ】
絵本『おんなのこトイレ』(監修: 江東区南砂さくら保育園)
女の子向けのトイレトレーニングの絵本で、トイレットペーパーの使い方や拭き方が紹介されています。

Q. おしっこが便座やおまるから飛び散ってしまい、掃除が大変です

A. 女の子のトイレトレーニングのお悩みで多いのが、おしっこが飛び散ってしまうことです。「足を開いておしっこする」「補助便座の縁にあたって、飛び散る」ことなどが原因と考えられます。

対策としては
1.おしっこをするとき、上半身を少し前傾させる(補助便座から落ちない程度に)
2.便座に貼るタイプのおしっこの吸収パッドがあるので、それを利用する
などを試してみてください。いずれ補助便座なしでおしっこするようになると、足を大きく開かなくていいので、おしっこが飛び散ることはなくなります。

Q. 便秘気味なこともあり、なかなかトイレでうんちができません

A. 便秘気味だとうんちが硬くなり、なかなか出なかったり、お尻が痛かったりして、とてもつらいものです。早急に便秘を改善してあげることが大切です。

便秘対策としては

1. 水分を多めに摂る
2.食物繊維の多い食べ物(ごぼう、レタスなどの野菜、海藻、きのこ、果物など)を食べる
3.お散歩など適度な運動をする
ことが有効と言われています。

Q. イヤイヤ期がひどく、トイレに行くのを嫌がります

A. トイレトレーニングが始まる2歳位と、「イヤイヤ期」はちょうど時期が重なっています。イヤイヤ期が始まったために、トイレトレーニングがうまく進まないことはよくあります。

トイレトレーニングは「自分でできるようになりたい」というお子さんの気持ちが一番大切です。お子さんの「イヤイヤ」がひどいときは、無理強いせずに、少しお休みをして、機会をみて再開するようにします。

特に女の子は言葉の発達も早いので、トイレトレーニングを巡っておうちのかたとバトル…ということもあるでしょう。「トイレトレーニング」がけんかの原因になると、トイレに行くことがいやになり、かえってトイレトレーニングが長引いてしまうこともあります。決して叱らず、お子さんの興味がトイレに向くのを待ってあげましょう。

女の子のトイレトレーニング、色々な工夫で楽しく乗り切りましょう!

女の子は可愛いものが大好き。色々なグッズを使って楽しいトイレトレーニングができるといいですね。また、女の子は、まわりのお友だちやお姉さんのことをよく観察しています。「自分もできるようになりたい」そんな憧れの気持ちを引き出すことで、自然とトイレに行けるようになってきます。

大切なことはおうちのかたが焦らないことです。ゆったり構えて、お子さんが自分でできるようになるのをサポートしてあげてくださいね。

【アンケートについて】
■調査地域:全国
■調査対象:お子さまをお持ちの保護者のかた
■調査期間:2015年4月20日〜2015年5月4日
■調査手法:「Yahoo!クラウドソーシング」におけるWebアンケート
■有効回答数:2,676名

プロフィール



「ママchan」臨床心理士。日本心理臨床学会所属、学校心理士および保育士資格。首都圏を中心に複数自治体の保育カウンセラー、スクールカウンセラーとして、幼少教育現場における子どもの発達と子育て支援に勤しむ。現在、株式会社インフォマートの「ママchan」臨床心理士として、幼稚園・保育園の巡回訪問を行う。三児の母。
・「ママchan」臨床心理士(http://ameblo.jp/kokorokodomo/)

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