おねしょ対策どうしてる?4つの基本姿勢とおねしょ対策4選

悩ましい「おねしょ」問題。昔は「親のしつけが悪い」「子どもがだらしない」などと考えることもあったおねしょですが、現在は対策方法がずいぶん変わってきました。

おねしょ対策のポイントは、原因をきちんと理解して無理なく改善を目指すこと。詳しく解説します。

この記事のポイント

おねしょ? 夜尿症? 見分け方とその原因

「おねしょ」とは、夜寝ている間に目が覚めないまま布団の上などで尿をもらしてしまうことを言います。お子さまが5歳頃までなら、おねしょは成長過程の生理的なもの。特に心配はいりません。

もし5歳を過ぎても1カ月のうちに何回もおねしょが続くようなら、「夜尿症」として生活指導や治療の対象となります。

おねしょの主な原因は、夜間に作られる尿の量と、それをためる膀胱の大きさとのバランスがとれないことです。幼児期はこのバランスが発達途上なので、おねしょをしてしまうのですね。

一方、夜尿症の原因は、神経・内分泌(ホルモン)系の発達の問題です。これにより、尿量が調節できない、膀胱が小さすぎる、冷え症やストレスがあるといった複数の要因が重なって生じます。

トイレトレーニングとおねしょ対策は別

トイレトレーニングが終わって昼間のおむつが取れたお子さまが、夜におねしょをしてしまうというケースは比較的多いようです。

トイレトレーニングがうまくいっていると、「昼間は大丈夫なのに、どうして?」と感じるかもしれませんね。

昼間のトイレトレーニングは2歳から3歳の間に完了するお子さまが多く見られます。しかし先述したように、5歳頃までは発達によるアンバランスが原因でおねしょをしてしまうことがあるのです。

昼間のトイレトレーニングと夜のおねしょ対策は別物。「できない」と焦る必要はありません。夜のおねしょ対策は、改善に向けた基本姿勢や対策を知ることが重要です。

おねしょ対策の基本姿勢は「起こさず」「焦らず」「叱らず」「比べず」

おねしょも夜尿症も、お子さまの努力や性格、保護者のしつけが原因ではありません。

精神論や根性論でおねしょ対策をするのではなく、以下に述べる4つの基本姿勢をもつことが大切です。

【基本姿勢1】起こさず

おねしょ対策のつもりでお子さまを夜中に起こしてトイレに行かせるのは要注意です。

お子さまの眠るリズムが乱れ、尿量の調節や膀胱の働きが悪くなるかもしれません。また、睡眠をとる時間におしっこをする習慣にもつながり、おねしょ対策としては逆効果になってしまいます。

【基本姿勢2】焦らず

おねしょ対策だけでなく夜尿症の場合でも、焦らないことが大切です。

特に夜尿症は適切な投薬治療や生活指導で改善できるもの。お子さま自身の気持ちを大切にして、見守ってあげてください。

【基本姿勢3】叱らず

おねしょは、お子さまの意思ではどうにもできないことです。

お子さま自身でコントロールできないことを叱っても、何の効果もありません。それどころか、お子さまが過剰なストレスを抱える要因となり、逆効果になることさえあります。

おねしょ後の布団の処理にかかる手間を軽減させるには、防水シーツなどを活用するとよいでしょう。

【基本姿勢4】比べず

おねしょ対策として
「あの子はおねしょをしてないのに」
「お兄ちゃんはおねしょをしないよ」
「おねしょをしていると大人になれない」
などと、お友達やきょうだいと比較するような言い方をしていませんか? このような言い方は、「おねしょは恥ずかしい」という気持ちをお子さまに強く与えてしまいます。

そもそも、こうした恥ずかしいという気持ちは誰よりお子さま自身が強く感じているもの。追い打ちをかけるような言葉は、お子さまにとって強い劣等感やストレスを抱える要因にもなりかねません。

「焦らず」同様、お子さまのペースを尊重しつつ見守ってあげましょう。

今日からできる4つのおねしょ対策

おねしょ対策ではご家庭での生活習慣の見直しが重要です。

夜尿症の場合は医療機関を受診し、生活指導に従って改善していくとよいでしょう。

【対策1】水分の取り方を見直す

1日の水分の取り方を見直すことで、おねしょ対策ができます。

水分を多めにとらせるのは日中を中心に。夕方からは量を減らし、特に夕食後はコップ1杯程度にとどめるようにしましょう。

冷たい飲み物は必要以上にたくさん飲んでしまうことがありますので、夕方以降の水分は温かいものにするのもおすすめです。

【対策2】排尿抑制訓練をする

無理をさせるのは禁物ですが、「排尿をガマンする」という訓練を行う方法もあります。

具体的なやり方は、日中に少しおしっこをガマンさせること。膀胱に尿をためられるようにする訓練です。ただし、ガマンさせすぎないように注意してください。

【対策3】冷え症対策をする

おねしょの原因として「冷え症」が考えられるお子さまの場合は、体を温めるようにしましょう。

たとえば、寝る前にゆっくり入浴する、ふとんを温めておくなどの方法があります。

夏場に寝室のクーラーを効かせすぎていないかどうかも気をつけてください。

【対策4】寝る前のトイレを習慣にする

おねしょは寝ている間に、目覚めないまま布団の上などでおしっこをしてしまうこと。それを避けるには、寝る前におしっこを出してしまうのが効果的です。

「寝る前に必ずトイレに行く」ことをくり返し行い、習慣化しましょう。

まとめ & 実践 TIPS

おねしょの原因は、親御さんのしつけやお子さまの気合い不足などではありません。おねしょ対策の基本は、お子さまやご自身を責めずに「起こさず」「焦らず」「叱らず」「比べず」を踏まえつつ生活習慣を見直すこと。親子で一緒に取り組み、笑顔の「おねしょ卒業」を目指しましょう。

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