スポーツの上達にも欠かせない! 早寝・早起きのメリットとは

早寝・早起きにはざまざまな効果がありますが、今回は、サッカーや水泳などスポーツに興味があるお子さまにぜひ伝えていただきたいメリットをご紹介します。

夜型生活による5つのデメリット

はじめに、夜型のお子さまにはどんな特徴があるのでしょうか。

【1】身長が伸びにくい
人間の体内で成長ホルモンの働きが活発になるのは、ノンレム睡眠中です。時間では、夜11時前後。成長ホルモンは、骨や筋肉をつくる、免疫力を高めるなどの働きがあります。そのため、夜9時頃には布団に入るのが理想的です。

【2】肥満になりやすい
成長ホルモンには脂肪の代謝を促す働きもあるので、遅く寝ると太りやすくなります。夜遅くまで運動をしても、それで睡眠時間が短くなってしまっては、かえって太りやすくなるのです。

【3】運動機能が上がらない
きちんと睡眠がとれていないと、日中の運動機能が上がらないことが明らかになっています。多くのアスリートも、体調管理で最も大切なこととして「しっかりと眠る」ことを挙げています。

【4】学習したことが身につかない
脳には海馬という「知識の工場」がありますが、ここは睡眠中に活性化し、昼間経験したことを何度も再生して確かめ、知識として定着させます。この海馬の働きを助ける脳内物質(メラトニン)は、眠っている間に活発に分泌されます。
そのため睡眠時間がきちんととれていないと、せっかくがんばってスポーツの練習をしても、覚えが遅くなかなか上達しないという結果になってしまうのです。

【5】気持ちが安定しない
情緒や精神を安定させる「不安抑制ホルモン」とも呼ばれる脳内物質のセロトニンは、朝方にたくさん分泌されます。また、朝の日を浴びるとより活発に分泌されることがわかっています。セロトニンが不足すると、攻撃性が増す、社会性が低下するという説もあります。そのため、夜型のお子さまは心が不安定、自信をもちづらい、攻撃的といった傾向があるでしょう。「自分は大丈夫!」という気持ちの安定は、スポーツの上達にも欠かせないものです。

早寝早起き成功のためのポイント5つ

【1】まずは早起きからスタート
夜型のお子さまがいきなり夜早く寝ることは難しいので、まずは早く起きましょう。初めのうちは朝はなかなか体温が上がらず、頭がぼーっとするかもしれません。そういう場合は熱めのシャワーを浴びて、自律神経に刺激を与えるのもいいでしょう。

【2】起きたら太陽の光を浴びる
先ほどご紹介した脳内物質のセロトニンは、脳を覚醒させる働きもあります。太陽の光を浴びることで、頭がスッキリと目覚め、集中力が高まります。

【3】朝食をしっかりとる
脳のエネルギー源であるブドウ糖は、体内に大量に蓄えておくことができません。私たちの体は寝ている間もエネルギーを使うため、朝起きたときは脳も体もエネルギーが不足した状態です。
そのため、朝食でブドウ糖をはじめとする栄養素を補給することが必要なのです。朝食をしっかりとることで、午前中から脳も体も活発に活動できるようになります。

【4】休日も生活リズムを変えない
休日に寝坊をしてしまうと、せっかくととのえた生活リズムが崩れてしまいます。休日に2時間も3時間も寝坊するということは、平日の睡眠時間が不足しているとも言えます。

【5】好きなテレビは録画。宿題は朝やる
夕食後にやりたいことがたくさんあるというお子さまもいるでしょう。それをなるべく朝やるようにします。例えば、夜のテレビ番組は録画して週末にまとめて見る、宿題やスポーツの練習は朝やるなど、工夫をしてみましょう。

お子さまを「スポーツ障害」から守るためにも

最後に、スポーツに打ち込むお子さまに注意していただきたい「スポーツ障害」と早寝早起きの関係についてご紹介します。
お子さまの骨は柔らかいため、過度な負担をかけるとつぶれてしまいます。そのため、オスグット症や椎間板ヘルニアなどのスポーツ障害を引き起こすことがあります。
原因としては、夜遅くまでの練習で生活リズムが乱れ、正常な骨の発達が阻まれてしまうこと、長時間の練習や頻繁な試合で負荷がかかりすぎていることなどが挙げられます。こうしたケガを予防するためにも、お子さまに早寝早起きの習慣を身につけさせてあげることはとても大切なのです。

わかってはいても、なかなか早寝早起きができない……。そんなとき、お子さまが興味をもっているスポーツがあれば、「○○がうまくなりたかったら、早寝早起きしよう!」と提案してみてください。魔法の言葉になるかもしれません。

プロフィール



保育士として15年以上にわたり、福祉施設、託児所、保育園などさまざまな場面での保育業務に携わる。
食育実践プランナー資格も有している。

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