困ったお子さまの忘れ物。原因と対策は?
よく忘れ物をしてしまうお子さまに頭を悩ませている保護者もいらっしゃるのではないでしょうか。もちろん、誰だってうっかり忘れてしまうことはあります。保護者も、「しまった!」と思った経験はありますよね。しかし、あまりに忘れ物の頻度が高いようであれば注意が必要です。
今回は、忘れ物の原因と対策について考えてみましょう。
整理整頓が苦手
忘れ物をしてしまう大きな原因のひとつに、「整理整頓ができていない」ということがあります。必要なものがどこにあるかわからないのですから当然の結果とも言えますよね。また、国語の教科書とノートがバラバラの場所に置いてあるなど、必要なものがひとまとめになっていないことで、忘れ物をしてしまうということもあります。
整理整頓の基本は、あらゆるものの定位置を決めておくことと、使ったあとは必ずその場所に戻すことです。整理整頓が苦手な保護者もいると思いますが、まずは見本を見せないとお子さまは整理整頓を学びません。最初からお子さまが自分ひとりでできることではありませんので、保護者が手助けをしてあげてください。
まずは部屋の中に学用品置き場を作り、何が置いてあるかがパッと見てわかるようにしましょう。ただ山積みにするのではなく、置き方にも工夫が必要です。プリントが散乱していればクリアボックスを与えるなど、苦手だからと諦めずに、少しずつ工夫を重ねてみましょう。
想像力を働かせよう
もうひとつ考えられる忘れ物の原因として、「想像力を働かせていない」ということがあります。連絡帳や時間割に従って機械的にものを詰め込んでいるだけで、明日実際に自分が使うイメージが想像できていないのです。
イメージをふくらませるために、保護者から、「明日の1時間目の算数は何を勉強するの?」などと声をかけてあげてください。例えば、そのひと言で、コンパスが必要であることを思い出すかもしれません。そうして1教科ずつ、給食や放課後の当番の時間も含めてイメージしながら支度をすれば、おのずと忘れ物に気をつけるようになるでしょう。
「コンパスを忘れたら、上手に円を書けないよ」「学校に水着を忘れてきたら、翌日はプールに入れないね」など、具体的なシーンを思い浮かべさせて、「忘れ物をすると困ったことになる」ことを想像させることも大切です。
初めは保護者も一緒に持ち物の準備をしましょう
低学年のうちは、特にまだ学校自体に慣れていない1年生のお子さまをもつ保護者は、一緒に持ち物の準備を行ってあげてください。お子さまひとりで準備した後、最終チェックをするのも良い方法ではあるのですが、最初のうちは準備の仕方すらわからないものです。
連絡帳や時間割を一緒に確認しながら声をかけ、ランドセルに入れるところまで手助けしてあげましょう。忘れやすいものがあれば、付箋を活用するなど、一緒に忘れない方法を考えましょう。
また、時間を決めて帰ってきたらすぐに明日の準備をするなどと決めて、準備を後回しにしないようにするのもいいでしょう。
また、保護者も一緒に連絡帳や時間割を確認することで、今日何をしたか、どう思ったかなどを話す親子のコミュニケーションのきっかけになります。その日の授業の復習にもなるでしょう。保護者の手を借りず、ひとりで持ち物の準備ができるときが訪れるのはあっという間です。保護者も「忘れ物をなくす」過程を楽しんでしまいましょう!
焦らずゆっくりと成長を見守りましょう
忘れ物をなくすには、保護者にも根気が必要です。イライラしたり感情的になったりしてしまえば、お子さまは忘れ物をしたこと自体を隠してしまい、根本的な解決ができないままになってしまうかもしれません。また、いくら言っても改善されないからと毎回忘れ物を届けてあげていては、お子さまは自立するチャンスを失ってしまうかもしれません。
整理整頓ができたとき、忘れ物がなかったときは、とにかくお子さまをほめて、一緒にその成長を喜んであげましょうね!
ただし、極端に忘れ物が多い、自分で時間割を書いたことすら覚えていないなんていうときは、ADHDやアスペルガーといった脳の病気が隠れている場合もあります。
保護者のかたが一緒に準備をして、明らかにおかしいぞと感じたときは、一度小児病院を受診してもいいかもしれません。