健康診断で背骨の歪みが指摘された…脊柱側弯症とは?
小学校に入学・進学すると、さまざまな身体測定や健康診断が行われます。そのひとつに、背骨の状態を調べる検査もあります。特に問題がなければ何の通知もありませんが、「脊柱側弯症(せきついそくわんしょう)」の疑いがある場合、病院で詳しく検査をしなければなりません。脊柱側弯症とはどういった病気なのでしょうか。
背骨が曲がる病気「脊柱側弯症」を早期発見するための検査
脊柱側弯症とは、私たちが「背骨」と呼んでいる脊柱(脊椎骨がつながって柱のようになっている状態)は、普通背中側から見ると縦にまっすぐ走っているものですが、側方に曲がったり、ねじれたりしていると側弯症と診断されます。
背骨は私たちの身体全体を支え、バランスをとる重要な、大きな骨。これが曲がることにより、腰痛や背中の痛みが発生、極端な場合には、肺を圧迫することで肺活量の低下、ひいては呼吸機能障害などが起きるかもしれません。
初期に発見し、適切な対応をすれば、脊柱側弯症の進行を止めることができ、日常生活に支障はでません。そのため、小学校や中学校では必ず検査が行われます。
ただし、学校で行われるのは簡易的な検査である場合が多く、背中を見て肩の高さや肩甲骨の位置が左右対称であるか(立体検査)、お辞儀をするように深く前屈し、肋骨や腰の高さが左右で異なったり、盛り上がったりしていないか(前屈検査)といったものとなります。
このようなシンプルな検査でも背骨が曲がっているかどうかは比較的簡単にチェックできますので、ご自宅でも背骨の曲がり具合のチェックとして行ってみるといいでしょう。
脊柱側弯症の疑いがある場合は早めに整形外科へ
脊柱側弯症の疑いがあると言われた場合は、果たして本当に脊柱側弯症であるのか、その程度はどうなのかの確認のため、整形外科などを受診する必要があります。そこで側弯症があると診断されたらレントゲン検査により側弯の程度の判断をし、専門医により治療が必要かどうかを判断してもらいます。
脊柱側弯症はさまざまな原因から発生するもので、一説によれば原因は100以上あるとも言われています。
原因を取り除いただけで治ってしまう一過性のものもありますが、自然には治らないものもあるためその際は、矯正のための装具を使って長い時間をかけて戻すこともあります。10歳以降の特に女の子に多い「思春期特発性側弯症」といったものもあり、5、6年生以上の女の子には注意が必要です。
重度のものであれば手術が必要になりますが、日常生活でほとんど気づかず、学校からの通知でも「はっきりとは言えないが検査したほうがいい」というレベルであれば、経過観察で終わる場合が多いようです。
成長期はまだ骨も軟らかいため、普段の姿勢が悪いだけでも背骨の形に大きく影響することがあります。側弯症になると身長の伸びにも影響するので、普段からの姿勢などには注意が必要です。いつも使っている椅子や机の高さなども重要なので、気になる点があれば学校にもよく相談してみるといいかもしれませんね。