「ハイハイ」の重要性 赤ちゃんにハイハイを促そう

 最近、ハイハイをしないで歩きはじめる赤ちゃんが増えているようです。確かに、ハイハイをしなくともその後の成長に差し支えることはありません。ですが、赤ちゃんの成長にとってハイハイはとても大切な過程。お座りができるようになった赤ちゃんにはハイハイをしやすい環境を用意し、たくさんハイハイをしてほしいものです。では、ハイハイの重要性について考えてみましょう。

ハイハイで全身の筋肉やバランス感覚が鍛えられる

 大人がハイハイをしてみるとよくわかるのですが、四つん這いで頭を上にあげた姿勢はそれほど楽なものではありません。人間は身体の重さに対して頭がとても重いため、首や肩、そして首や肩を支えるさまざまな部分に負担がかかるのです。さらに、胴体を支える状態で動くため、腕や脚の筋肉や、バランス感覚も鍛えられます。

さすがに手先や足の指は使わないのでは…と思われるかもしれませんが、ハイハイの時の手の平は床についてふんばっていますし、足の親指で床を蹴るようにして進み、方向転換します。ハイハイは身体の隅々を使う全身運動であると言えるのです。

早い段階で行動範囲が広がり、精神的な発達に役立つ

 ハイハイを通り越してつかまり立ちや歩けるようになる赤ちゃんもいますが、ハイハイ、あるいはその前段階の「ずりばい」をすることで、赤ちゃんの行動範囲はより早い時期にぐっと広がることになります。触りたい、動きたいという要求が叶えられ、たくさんの刺激を受けることができるようになるのです。これは、赤ちゃんの精神的な発達に非常に役立つことだと言われています。

どうすればハイハイしてくれる?

 お座りはしたけれどなかなかハイハイはしてくれない…という赤ちゃんであれば、少し遠くにお気に入りのおもちゃを置いてみるなどしてハイハイを促しましょう。あまり遠くに置くのではなく、最初は「少し動けば手が届く」という微妙な位置、お座りをした赤ちゃんが前に手をつき、前かがみになれば届く程度です。そこから、徐々におもちゃを置く位置を遠くしていきます。ママがちょっと離れたところから赤ちゃんを呼んでみるのもいいですね。

赤ちゃんがハイハイし出すのをずっと待つ必要はなく、ある程度したら手渡ししても構いません。赤ちゃんも「あそこにあるのに、どうして渡してくれないんだろう」と不機嫌になってしまいます。「このままでは届かないんだな」という距離感を日々体験できればいいのです。そのようにして徐々に「動きたい」という欲求を高めていきましょう。

腕の力を鍛えたり、バランス感覚を養えるほか、体を動かすことで脳の発達も促すというハイハイ。赤ちゃんのよりよい成長のためにも、しっかりハイハイをさせてあげたいですね。

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