-
総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 歯に関すること
歯みがき1歳
寄せられたご相談
前歯の内側に歯石のようなものがついていて、歯みがきでは取れません。どうしたらいいですか?
1歳の男の子ですが、歯のことで質問です。歯が現在上5本、下4本生えています。前歯(特に下の歯)の内側に歯石のようなものがついているのですが、どうしたらいいですか?
最近は歯ブラシでみがくようになりましたが、歯みがきでは取れないようです。
先生からのアドバイス
池田 正一 先生
歯石は、歯垢(しこう、歯の汚れ・デンタルプラーク)が石灰化(かたくなったもの)したもので、歯ブラシでは取れません。一度歯科医院で取ってもらうとよいでしょう。
子どもの歯に歯石がつくことはあまりありませんが、ときどき下の前歯の裏側に見られます。これは唾液(だえき)の排出口が舌先の下側(舌小帯を挟んで左右にふたつ)にあるからです。
歯石ができる直接の原因はプラーク細菌(プラークを作る細菌でレンサ球菌など)であり、プラーク細菌がいなければ歯石は作られません。
プラーク細菌は主に唾液中のカルシウムやリンを吸収して、白くかたくなります(石灰化と言います)。そして、その表面にプラーク細菌が新たに付着し、その上にまた白いかたまりができるのです。
それを繰り返して層状となり、石灰化が進行し、かたい歯石となります。
したがって見つけたらすぐに取り除いた方がよいでしょう。
このプラーク細菌は、歯周病の原因となります。歯石は昔から歯周病の原因とされてきました。
現在は直接的な原因ではないと言われていますが、やはり、プラークの量を増やす因子であり、歯石のプラーク細菌は歯肉を傷つけ、歯みがきを困難にし、歯肉炎を悪化させるので、歯科医院で除去してもらう方がよいでしょう。