どんな動きが子どもの運動神経を高める? 小学校低学年のときにやらせておきたい運動

 子どもに水泳やサッカーをさせる保護者は多いと思います。スポーツは子どもの体作りにとても有効。でも、小学校低学年は集中力が短く、新しいものに興味を示していくという特性があります。楽しくできる運動で多種多様な動きを習得することで、運動の神経回路が発達するのです。どんな動きが子どもの運動神経を高めるのでしょうか? 

運動遊びが体と脳を結びつける神経細胞を発達させる

 小学生は、呼吸器や循環器系などの体の器官がまだ出来上がっていません。そのため、長時間の運動には適していないと言われています。しかし、小学校低学年は、体と脳を結びつける神経細胞が発達する時期。体を動かすことで、バランス感覚やリズム感覚、敏捷性(びんしょうせい)が発達すると言われます。

集中力もまだ短い小学校低学年は、トレーニングをするというより、楽しく遊びながら体を動かしていくのがおすすめ。鬼ごっこやボール遊び、なわとびなど、短時間でいろんな種類の遊びを通して体を動かしていくといいでしょう。この頃に養った神経回路が多様なほど、先で専門性の高い技術の習得も早くなると言われています。運動神経を育てていく時期、楽しく多彩な動きを身につけさせてあげたいものです。

体のバランスをとる動きを身につける運動を

 鬼ごっこやなわとびなども楽しいですが、体育の授業などでは、子どもが一列に並びボールを頭上や股下から前から後ろへ送っていく「ボール送りリレー」やペアやチームになって、体でボールを挟んだまま運ぶ「ボール運びレース」などを取り入れています。また両足や片足で跳んで空中で向きをかえて着地したり、足裏をあわせて座って足を持ったまま背中を床につけてだるまのように起き上がる運動遊びなどは、ボールなどの道具も不要で気軽にできますね。これは、いずれも体のバランスをとる動きが身につけられる運動です。多様な動きを身につけることで、バランスをとり、ケガを防ぐことができるようになります。また、ボールを使って複数で行う運動遊びは友だちと一緒にすることで、協調性や意欲なども伸ばすことができそう。

しかし、体のために…と思って無理にやらせるのは禁物です。子どもが体を動かすが楽しいと思えるように気をつけてあげましょう。体を動かすことが楽しい、気持ちいいことだと思えれば、子どもも自然に運動が好きになるはず。 また、体育の授業だけに任せるのではなく、毎日体を動かす時間も作ってあげたいですね。体を動かすことはストレスを発散できたり、集中力を高められたり、体力向上など、精神面でも、体力面でもまた学習面でも多彩なメリットがあるもの。神経細胞が発達する時期だからこそ効果的な運動遊びで子どもの成長をしっかり促してあげたいですね。

  • 参考:第52回 全国学校体育研究大会 東京大会 第2分科会資料運動遊び例集 体つくり運動 低学年
  • http://www.chuo-tky.ed.jp/~hisamatu-es/index.cfm/1,51,c,html/51/20140109-171920.pdf

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