子どもの「だだこね」3大理由と対処法を専門家に聞く
「おかし買ってー」「この服はイヤ!」などと自己主張をし、それが通らないと泣いたり、暴れたりする。こうした子どもの行動に、困り果てている保護者は多いのではないだろうか。しかし、「だだをこねるのには子どもなりに理由がある」と話すのは、白百合女子大学教授で発達心理学が専門の秦野悦子氏。ベネッセ教育情報サイトが、子どもたちの心の内と「だだこね」対処法について、秦野氏に伺った。
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子どもの「だだこね」は、大きく以下の三つの場合に分けられます。
1)要求を通すため、その振る舞いが適切かどうかを知らない
自動販売機の前でジュースが欲しいと泣き叫ぶ、赤信号なのに早く渡りたがるといった場合です。
2)人を試すためにわがままをいう
たまに会う祖父母などにだだをこねる場合です。要求が通る相手かどうか判断しています。
3)親に甘えたい
関心を引くために、わざと怒らせたり、困らせるようなことをしたりします。
社会的に未成熟な子どもは、適切さの判断や他者の心情を理解したりすることができません。年齢相応の振る舞い、善悪の判断などは保護者や社会が教えていくもの。だだこねは、子どもの欲求と大人の価値判断がぶつかった時に起きる、ともいえるでしょう。
また、だだをこねる様子は発達過程に応じても変わります。「魔の2歳児」といわれる2歳台では親と同じことをしたがりますが、できないことが大半なので泣き叫びます。3歳台になると、要求が通らないことに納得できる場面も増え、5歳以上では物事の理解がさらに進みます。小学生になると、わがままは落ち着きます。よほど強い自己主張をするようなら、言葉にできない何かを抱えているのかもしれません。
だだをこねるのは成長の証でもあります。子どもに寄り添い、伝えたい思いは何かを探ってみてください。もし無理な要求であれば、自分の思いが受け入れられない場合もあること、気持ちのコントロールの仕方などを学習する機会でもあるととらえましょう。
出典:子どものだだこね対処術【前編】まずは子どもの心の内を知ろう -ベネッセ教育情報サイト