我慢できる・待てる子の育て方[教えて!親野先生]

我慢できる子、待てる子に育てるにはどうすればいいのでしょうか。
我が子が順番を守れなかったり、欲しいものを我慢できなかったりすると「うちの子、我慢ができない子になっているのでは?」と心配になる方もいらっしゃることでしょう。そんなとき、親は子どもにどんなふうに接し、どんな声をかけるとよいのでしょうか?
教育評論家の親野智可等先生に伺いました。

【質問】我慢できる・待てる子にするにはどうしたらいい?

近所の年長の子で、我慢できないというか、待つことができない子がいます。
遊具や玩具の順番が待てない。「いただきます」まで待てない。「ちょっと待ってね」と言っても待てない…。
うちの子はまだ年少ですが、我慢できる・待てる子にするにはどうしたらいいでしょうか?

豆腐サラダさん(年少男子)

親野先生からのアドバイス

拝読しました。

親の中には「我慢できる・待てる子にしよう」という気持ちをストレートに出し過ぎて、何事においても子どもに我慢させようとする人がときどきいます。
でも、不必要に我慢させ過ぎていると、子どもの心が満たされないまま欲求不満状態が続くことになり、かえって我慢できない子になってしまいます。

何よりも子どもの心を満たしてあげることが大切。ふれ合いを心がけて

基本的な方向性としては、子どもの心を満たしてあげることが大事です。
心が満たされている方が、我慢できて、待てるようになるからです。

そのためには、とにかく日頃から、抱っこ、スキンシップ、おしゃべりする、一緒に遊ぶ、などの触れ合いに心がけるようにしてください。
これらが不足していると、情緒が安定しませんので、何事も我慢して待つのは難しい状態になります。

子どもの願いはできるだけかなえてあげて。無理なときも共感的な対応を

そして、子どもの願いや欲求についても、不必要に我慢させるよりできるだけかなえてあげた方がいいです。
食事で好きな物や食べたい物が食べられる、遊びたい遊びができる、欲しい玩具が買ってもらえる、行きたいところに連れて行ってもらえる、などのことも大事です。

もちろん、かなえてあげられないときもありますが、そういうときも子どもの気持ちに共感してあげることが大事です。
ですから、「ノー」を言わなければならないときも、まずは欲しい気持ちや、やってみたい気持ちに共感してあげてください。

そして、最後に「でも、この前○○を買ったばかりだから今日は無理だよ」などと断るようにするのです。
「イエス、バット」よりももう少し「イエス」を増やした「イエス、イエス、バット」の対応です。

このように、「できるだけかなえてあげる」と「無理なときも共感的な対応に心がける」の2つに心がけていれば、子どもは自分の気持ちをわかってもらえていると感じます。
それによって親の愛情を実感でき、心が満たされます。
そういう子は、わがままを押し通すなどの過度の自己主張をする必要がなくなります。

待てたときはほめる。そうすれば「自分は待てる子だ」との自己イメージを持てるように

もちろん、ときには「お誕生日まで待とう」などと言って、その子に可能な範囲で待つことを経験させるのもよいでしょう。
そして、待てたことをほめてあげれば、「自分は待てる子だ」という自己イメージを持てるようになります。

そして、この自己イメージは人間が自分をつくっていくときの設計図になります。
「自分は待てる子だ」という自己イメージが持てれば、だんだんそうなっていく可能性が高まります。

否定的な叱り方をすると、否定的な自己イメージを持ってしまうため注意が必要

その反対に、「なんで我慢ができないの」「ちゃんと待つってお約束したよね!?」「なんで待てないの!」「わがままいってはいけません」などと叱ることが多いと、子どもは「自分は我慢できない子だ。待てない子だ」という否定的な自己イメージを持つようになってしまいます。
すると、だんだんそうなっていく可能性が高まります。

何事においてもそうですが、親が否定的な叱り方をしていると、子どもは否定的な自己イメージを持ってしまいます。
このことは肝に銘じておく必要があります。

ということで、ときにはこのような教育的な意図のもとに待つ経験をさせることも効果的ですが、あくまでも待つことの成功体験をさせるためですから、無理のない範囲で、その子に可能な範囲でおこなうようにしてください。

とはいえ、これもやり過ぎるとよくありませんので、基本的には子どもの願いはかなえてあげた方がいいです。

子どもを待たせるときには、理由や時間を伝える。待てたらほめるを心がけよう

ここまで、基本的な方向性について書きました。
次に具体的な場面においては、次のようなことが大事です。

1,待つ理由を伝える

頭ごなしに「ちゃんと待ってなさい」と言うのではなく、簡単でもいいので待つ理由を話してあげてください。
なぜなら、大人にとっては当たり前でも、未経験の子どもには必ずしも当たり前ではないことも多く、その理由がわかっていないことがあるからです。

例えば、「他の子も遊びたいから並んで順番を待とうね」「みんなで楽しく食べたいから、みんなが集まるまで待とう」などです。

2,待つ時間を伝える

大人でも、どれくらい待てばいいのか見通しがつかないときはイライラしてしまいます。
子どもにおいてはなおさらですから、待つ時間を伝えましょう。

例えば、「長い針が3のところにくるまで待って」「お皿を洗い終わるまで待って」「5分待って」(タイマーなどで見せながら)などです。

なお、その際、時間を見える化するとより効果的です。
また、言うまでもなく、伝えた時間をしっかり守ることが大事です。

3,生活や遊びの中で待つ経験をさせる

カードゲームやボードゲームなど、順番を待つ必要のある遊びを家族でおこなうのもよいでしょう。
遊具の順番を待つ、レジで並んで待つ、人気店の行列で待つなどの経験をさせるのもよいでしょう。 そして、待てたらほめましょう。

4,待てたらほめる

3でも書きましたが、待てたときは、当たり前と思わずに、しっかりほめることが大事です。
例えば、「待ってくれてありがとう」「待っていてくれて助かったよ」「ちゃんと待てたね」などです。
それによって「自分は待てる子だ」という自己イメージが持てれば、実際にそうなっていく可能性が高まります。

私ができる範囲で、精一杯提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
みなさんに幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。長年の教師経験をもとに勉強法や家庭教育について具体的に提案。TwitterやYouTube「親力チャンネル」、Blog「親力講座」などで発信中。全国各地の教育講演会でも大人気。詳細は「親力」で検索

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