子どもの「メタ認知能力」を伸ばすと、勉強のしかたや社会性が身に付く?!幼児教育のプロが育み方をアドバイス

「メタ認知」とは自分のことを客観的に見ることを指します。「メタ認知」は目に見えない形で自分を抑制する力につながると言われ、近頃では子どもの学習やコミュニケーションにおいて必要な力として重要視され始めています。今回は幼児教育とデジタルメディアの関わりを長年研究されている愛知淑徳大学の佐藤朝美先生に、「メタ認知」とは何か、 そして「メタ認知」をはぐくむために幼児期からできることはあるのか、詳しくお話をお伺いしました。

この記事のポイント

「メタ認知」って何?子どもの成長にどんな影響があるの?

「メタ認知」が備わっていると、お子さんの自己調整学習能力(自分を律して、勉強していくにはどうすればよいかを考えられる力)が高まると言われています。そのため、主に小学校高学年以降を対象に、最近話題にされることが増えているキーワードです。

幼児期の子どもはまだ、自分と他人が違う人間であり、違う考えをもっているということがわかりません。しかし、だんだん成長して社会性を身に付けるにつれ、人と自分は違うということを学んでいきます。そして小学校高学年にもなれば、実際に体験していなくても説明を聞いただけで物事を理解したり、自分の行動を客観的に振り返ったりすることができるようになります。これを「メタ認知」といい、この能力の高い子どもほど、自分の勉強の仕方を振り返ってより良い学習の方略を身につけたり、人と自分の考え方の違いを認めたりすることができると言われています。

将来、「メタ認知能力」を身に付けるために今からできること

幼児期は、いろいろ育ってくる認知機能が相互につながるようになり、発達上「メタ認知を身に付ける」前段階と捉えることができます。少しずつ芽生えている原初的なメタ認知を「就学以降のメタ認知獲得につなげるための方法」をご紹介します。

たとえば、小さい子どもは鏡や写真で自分を見ることがとても好きです。これは単に、「不思議だなぁ」という興味関心から来ているものですが、自分の様子を客観的に見る行動のはじめの一歩とも言えます。もう少し成長すると、自分の運動活動(たとえばダンスや鉄棒の逆上がりなど)をビデオに撮ってそれを見たがるようになる子も増えていきます。動画に撮って自分を見返すことで、体の動きを確認したり、自分の表情を振り返ったりして、やりたい動きをするにはどうしたら良いのだろうと考えたりしながら、自分のことを客観的に見られるようになっていくのです。

自然にはぐくんでいくのがよい「メタ認知」

とはいえ、お子さんが「メタ認知」を身に付けるために、おうちのかたが特別に何かをがんばる必要はありません。「メタ認知」は普段の親子や友達との関わり合いの中でもはぐくまれていきます。

家庭でできることとしては、日頃から「人にはそれぞれ違う考え方があること」をお子さんに伝えるということが挙げられます。たとえば、「〇〇ちゃんはこう思ったんだね。でも、ママはこう思ったよ」と声をかけて、おうちのかたの考えを積極的に伝えていくとよいでしょう。そうすることで、自分とは違う考え方があることを知り、他者の気持ちを理解する力につながっていきます。「〇〇ちゃんはどうしてそう思ったの?」と自分の気持を説明する機会をつくるのもよいですね。そして、いずれは「お友達はこういうことをやっていたな、自分はこういうことをやっていなかったな」など、自ら考え気付く力へとつながっていくでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

「メタ認知」は目には見えない力ですが、これからますます複雑化する社会の中で生きていく子どもたちにとって、ぜひ身に付けておきたい大切な力です。発達を急かすのではなく、幼児期のメタ認知の芽生えを温かく見守り、お子さんが自分を肯定的に捉え、より良くしたいと自ら考えられるよう心がけるといいでしょう。お子さんが「もう一人の自分を見る目」をもてるよう、幼児期に相応しいやり取りするためにも、おうちのかたがしっかり「メタ認知」とは何かを理解し、その重要性をおくことが大切ですね。

プロフィール

佐藤朝美(さとう・ともみ)

愛知淑徳大学人間情報学部准教授。東京大学大学院学際情報学府博士課程、情報学環助教、東海学院大学子ども発達学科を経て現職。教育工学、幼児教育、家族内コミュニケーション、学習環境デザインに関わる研究に従事。日本子ども学会(理事)。オンラインコミュニティ「親子de物語」で第5回、「未来の君に贈るビデオレター作成ワークショップ」で第8回、「家族対話を促すファミリー・ポートフォリオ」で第11回キッズデザイン賞を受賞。

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