大学教授に聞く、会話ベタな子どものコミュニケーション力を引き出す方法
話を聞くのは好きだけれど話すことは苦手、話すことは得意だけれど人の話を聞くのは不得意……。我が子が友達などと関わる様子を見て、つい心配になってしまう保護者もいるだろう。ベネッセ教育情報サイトでは、子どものコミュニケーションに詳しい東京学芸大学教授の松井智子氏に、子どもの個性を伸ばすコミュニケーション法について聞いた。
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子どもの個性を大切にしながら、楽しくコミュニケーション力を伸ばすには、保護者が心配し過ぎないこと。コミュニケーションがうまくいかない大きな原因は、「不安」です。ですから、子どもにとって不安の種になるような心配な点を、「短所」ではなく「個性」ととらえてみましょう。
友達の中ではあまり発言できないタイプの子どもには、無理強いせずに、温かく見守ってあげるのが基本。聞くことが得意な子どもには、じっくり人の話を聞けることをほめてあげてください。保護者は子どもが興味のあることを話題にし、言葉を引き出してしっかり聞いてあげましょう。「うまく会話が成立した」という成功体験を積み重ねることが大切です。
自己主張が強いタイプの子どもには、「話し上手だね」と、まずはよいところをほめます。そのうえで、「聞く人がもっと面白いと思ってくれるように話すにはどうしたらいいかな?」と切り出してみましょう。すると、子どもは相手を意識し始め、相手の話を聞いたり、表情を読んだりするようになります。「相手の話を聞くことで、コミュニケーションがもっと楽しくなった」という経験をすると、コミュニケーションの仕方も変わってくるでしょう。
人は価値観も、好みも違っていて当たり前。個性や意見の違いを尊重できれば、よりよいコミュニケーションができるようになります。この姿勢は、これから子どもたちが生きていくグローバル社会ではとても重要です。「コミュニケーションって楽しい」という経験を、日々積み重ねていきましょう。
出典:コミュニケーション力を伸ばす!【後編】個性を大切にしたコミュニケーション -ベネッセ教育情報サイト