子どもの姿勢改善には日頃の「お手伝い」が効果的!?

背中を丸めてゲームに夢中、寝転がって本を読む……など、子どもの「悪い姿勢」はちょっと気になるもの。では、そもそも、姿勢と健康には、どんな関係があるのだろうか。人間工学の立場から、体に負担をかけない姿勢と環境づくりについて研究してきた日本大学教授の青木和夫氏に伺った。

 


子どもの姿勢改善には日頃の「お手伝い」が効果的!?

 

「背筋を伸ばす」のがよい姿勢と言われますが、これには理由があります。人間の背骨は、横から見ると緩やかなS字状にカーブしています。また、骨と骨の間には椎間板(ついかんばん)という軟骨が入り、クッションの役割を果たしています。このS字がばねのようにしなり、重い頭を支えているのです。すっと背筋を伸ばした姿勢は、背骨の自然なS字を保てる、骨に最も負担がかからない姿勢と言えます。一方、悪い姿勢と言われる猫背や反り腰は、このS字が乱れた状態。背骨の一部に無理な力がかかり、椎間板も傷みやすくなります。

 

また、猫背の問題として、肺が圧迫され、呼吸が深く入らないという点があります。緊張したとき、深呼吸すると気持ちが落ち着くのは、自律神経のうち、体をリラックスさせる副交感神経が優位になるため。呼吸は、自律神経の窓口なのです。そのため、浅い呼吸しかできないと、よく眠れない、イライラする、貧血や消化機能の不調など、さまざまな影響が表れる可能性があります。

 

姿勢を保つために使われているのは、骨盤と背骨をつなぐ脊(せき)柱起立筋群をはじめ、いわゆる体幹と言われる部分にある筋肉です。体幹を強くするためには、腹筋や背筋を鍛えることが必要。しかし小学生時代までは、筋トレなどで筋肉を鍛えるより、さまざまな動きを経験し、全身の神経をすみずみまで発達させることのほうが大切です。

 

たとえば「ものを投げる」動作一つでも、肩を回す、手首のスナップをきかせる、逆の腕でバランスを取る、体重移動……と、全身を連動させなければうまくいきません。料理・掃除・大工仕事などのお手伝い、外遊びや子どもが好きなスポーツをさせるのがよいでしょう。体をのびのびと動かすことで、すこやかな姿勢はつくられていきます。

 

出典:姿勢と健康の関係 -ベネッセ教育情報サイト

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