「友達がうらやましい」 子どもの妬みにはプラスの側面も?

「友達がうらやましい」 子どもの妬みにはプラスの側面も?「Aちゃんは勉強ができてうらやましい」。子どものころ、友達に対してこうした気持ちを抱いた経験のある保護者は多いのではないだろうか。一見後ろ向きに思える「人を妬(ねた)む感情」も、子どもの成長にプラスに働くことがあるという。感情心理学を専門とし、子どもの妬みについて研究している、宇都宮大学准教授の澤田匡人氏に話を伺った。

 

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保護者の皆さんは、大人になってからも「お隣のBさんは高級マンションを買ってうらやましい」などと感じたことがあるのではないでしょうか。妬みとは誰もが抱く社会的感情で、私が調査したところ、小学2年生ぐらいから自覚できていることがわかりました。その気持ちが大きくなると、相手の悪口を言うなどの行動を引き起こすケースがあり保護者としては心配ですが、妬みにはプラスの側面もあるのです。

 

そもそも、妬みを感じるためには相手と自分を比較することが必要なので、そうした感情を抱きやすい子どもは、自分のことをよく理解できていると言えます。また、自分にも手が届きそうだからこそ、その相手に妬みを感じているはず。自分の可能性を信じているとの見方もできるでしょう。

 

したがって、もし子どもが「○○ちゃんがうらやましい」という気持ちを持っても、それを抑制するようなことはしなくてもよいのです。押さえ込んでしまうのはかえって不健康ですから、保護者がそうした気持ちをしっかりと受け止めてあげるようにしましょう。

 

また、「○○ちゃんのようになりたい」という気持ちを、自分を成長させるための原動力にすることもできます。たとえば、仲よしの友達がテストで自分よりよい点をとったことをうらやましく感じ、自分も努力し始めるなど、妬んでいた気持ちが前向きな競争心に変わる場合もあるのです。妬みは、自己を向上させる力にもなることを知っておきましょう。

 

出典:妬む気持ちが自分を変えるパワーになる!?【前編】妬みのメカニズム編 -ベネッセ教育情報サイト

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