遊ぶことで学習意欲を高める「プレイフルラーニング」とは?
幼児期に夢中になって遊んだ経験のある子どもは語彙(ごい)が豊かで、将来的にも学習意欲が高まる、ということが各種調査から明らかになっている。発達心理学が専門の十文字学園女子大学准教授の大宮明子氏に、楽しむことで学びの土台が築かれるという考え方「プレイフルラーニング」について伺った。
***
「プレイフルラーニング」とは、同志社女子大学の上田信行教授が提唱する、楽しさの中にこそ学びがあふれているという考え方です。「プレイフル」とは、ただ楽しいだけでなく、遊びに夢中になって試行錯誤する経験のこと。「経験が豊富であるほど、学力の基盤となる考える力、集中力、想像力が鍛えられ、就学後の学習意欲が育まれることが各種調査で明らかになっています。
例として、2008(平成20)年にお茶の水女子大学の内田伸子名誉教授らが行った調査をご紹介します。保育者の指示で、みんなで同じ活動をする一斉保育と、一人ひとりの子どもが主体的に活動をする自由保育では、自由保育の子どもたちのほうが語彙が豊かで、就学後の国語の成績も高いという結果が出ました。
自由保育では友達と話さないと遊びが成り立たないため、言葉の力が鍛えられます。また、自由に遊べるので、もっと面白くするにはと工夫する結果、考える力や想像力が伸びます。家庭でも、子どもが主体的に遊べるようにしてあげるとよいでしょう。
また、乳幼児期の成長を促す遊びをサポートするためには、夢中になれるおもちゃを用意してあげることも重要です。この時期はどんなものに興味を持つかわかりにくいので、いくつか用意し、子どもの興味があるものを見極めましょう。加えて、ゴールや目的が決まっている遊び道具より、積み木やブロックなど、自分で工夫できるおもちゃが適しています。新聞紙などのシンプルなものでも、破ったり、丸めたり、子どもがどんどん遊びを広げていくはずです。
出典:遊びが学びの土台を築く! プレイフルラーニング ~知識編~ -ベネッセ教育情報サイト