人気の習い事・水泳の指導は適切か? 五輪代表ドクターがズバリ回答
子どもに人気の習い事の一つが「水泳」。中には、2020年の東京五輪に競泳の選手として出場したい! という夢にチャレンジしている子どももいるだろう。保護者は、スポーツ障害や事故を防ぐ観点から、通っているスイミングクラブの指導が適切かどうか、心配することはないだろうか。シドニー五輪から代表のチームドクターを務める金岡恒治氏に話を伺った。
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保護者のかたの不安の声に対し、私は「水泳の指導はコーチに任せておけば大丈夫!」とお答えします。コーチ資格には、公益財団法人日本水泳連盟が認定した「基礎水泳指導員」をはじめ、スイミングクラブ内で独自に認定する資格などがあります。
公益財団法人日本水泳連盟が認定する「基礎水泳指導員」は、最も初歩的な資格ですが、4年に1回の義務研修を受けなければならない更新制の資格です。義務研修では、指導法や事故予防のノウハウなどの確認を行います。
資格を持っていないコーチもいますが、どのコーチもスイミングを正しく安全に指導できるよう、教育を受けているはずです。子どもがスイミングクラブにいる間は、クラブとコーチを信頼し、まかせておけばよいと思います。
水泳のスポーツ障害では、関節の痛みを訴えるケースが多いです。「関節の柔軟性」が低い子どもは要注意。関節の痛みを予防するのに有効なストレッチをコーチに指導してもらい、自宅などでも行ってください。その際は、体のどこが伸びているのか、このストレッチを行う理由・目的は何か? をきちんと知り、何回くらい行えば効果的なのか、理解した上で行いましょう。
関節の柔軟性が高い人は、水中ではなく「地上」のケガに注意が必要です。体が水中に適応しすぎると、足首が柔らかくなり、やっかいなねんざを起こしやすくなります。ねんざの再発を予防する方法はいろいろとありますが、症状に合った予防法をとるためにも、まずは整形外科医の診察を受けましょう。
出典:五輪の水泳チームドクターが語る 子どものスポーツ障害【後編】保護者が知っておきたい基礎知識 -ベネッセ教育情報サイト