「勉強しなさい」で子どものやる気は引き出せない 専門家が語る効果的コミュニケーション法とは?
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「勉強しなさい!」言えば言うほど、子どもは勉強しなくなる? 国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチの石川尚子氏が、勉強させるための効果的なコミュニケーション法をアドバイスする。
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「高校には行かない」と言っていた不登校の女子中学生Bさん。親も先生も、最近は「高校に行きなさい」とは一言も言っていないにも関わらず、急に、「高校に行くために勉強をがんばる!」と言い出したそうです。きっかけがあったとすれば、先生が、こんな質問を書いたプリントをBさんに渡してみたことです。
(1)来年の4月にどうなっていたいですか?
(2)その時を10点満点とすると、今は何点ですか?
(3)今できていることはどんなことですか?
(4)何をすると、足りない点を上げることができますか?
(5)それをするための行動計画を考えてみましょう。
この質問の流れは、まさに、私たちコーチがクライアントさんをコーチングする時に意識している基本の流れです。まず、「どうなりたい?」「どこに行きたい?」という本人のゴールを確認します。そこから、コーチングはスタートします。そのあとで、これからやることを明確にしていきます。Bさんは、来年4月時点の自分の理想像をイメージしてみて思ったのだと思います。「やっぱり高校に行きたい。そのためにもっと勉強はしたほうがよい」と。
勉強に限らず、やる気を引き出せない原因の多くは、このプロセスを一切踏まないで、「~しなさい」と伝えることに終始しているところにあるのではないでしょうか。何のために勉強するのかを自分で納得できていないうえに、「勉強するとこうなるんだ!」というゴールが自分のことになっていないのです。人から強制されたゴールに、目的も見いだせず向かい続けることは、大人だってやる気になれないでしょう。
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