あいさつができない内向的な子ども 「保護者は目をつぶれ」と専門家
小学1年生女子の保護者の悩みは、「あいさつができない、できても小さい声でしかできない」こと。気持ちよくしっかりあいさつできるようになるには、どうすればよいのだろうか? 教員としてのキャリアもある教育評論家の親野知可等氏が、解決策をアドバイスしてくれた。
周りの子はしっかりあいさつできるのに、うちの子だけができないという状況は、親としては焦りますが、持って生まれた性格的なこともあります。
親自身が率先して子どもや家族や周りの人たちに気持ちのよいあいさつをしましょう。それが子どもにとって最高のお手本になります。会釈を教えてあげると、「こんにちは」と口に出して言えない子でも、できるかもしれません。子どもが会釈したら、「あいさつできたね」とほめてあげます。また、その子のよいところ、得意なことや好きなことなど、何でもよいのでほめることを増やしてみましょう。自分に自信が持てると、自然にあいさつもできるようになっていきます。
内向的で引っ込み思案で恥ずかしがり屋な性格の場合は、なかなかできるようにならないことが多いと思いますが、目をつぶって許してあげてください。特に、きょうだいや親戚の子、あるいはクラスや近所のほかの子と比べて叱るなどということは絶対にやめましょう。子どもの内面に深刻なダメージを与え、親に対する不信感・愛情不足感を持ってしまうなど、よいことはひとつもありません。
小学2年生のときにはあいさつの声もクラスで一番小さかったのに、中学3年生のときには学校の代表で県のスピーチコンテストに出場した子どもや、「はい」という返事もできなかったのに、5年生で立候補して児童会の役員になった子どもなどもいます。
あまり性急に考えないで長い目で見て、正しく待つことが大切です。正しい待ち方をしていれば、子どもはいずれ自分でやる気のスイッチを入れるのです。