今からはじめる高校入試対策!【記述力対策~理科編~】
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高校入試のための受験勉強もいよいよ後半戦。
これまで積み上げてきた知識を、入試本番でアウトプットするための訓練も必要になってくる時期です。
そこで今回は、入試で差がつきやすい、理科の文章記述問題の対策のコツをご紹介します。理科の文章記述問題を味方につけて、得点源にしていきましょう。
理科で出題されやすい文章記述問題とは
ひとことで文章記述問題といっても、理科ではどんな問題が出題されるのでしょうか。
2022年度の公立高校の入試では、9割近くの都道府県で文章記述問題が出題されました。
分析すると、大きく2つのパターンでの出題が多いことがわかります。
1つは、「暗記型」。
現象のしくみや実験操作の理由など、覚えている知識をそのまま文章にまとめる力が求められる問題です。
そしてもう1つは、「考察型」。
問題で与えられた実験・観察の結果などから読みとれることを考察する力が求められる問題です。
【理科の文章記述問題】
- 1 暗記型:定型として覚えていれば答えられる問題
- 2 考察型:実験・観察の結果などから読みとれることを書く問題
10文字程度の短いものから100文字程度の長いものまで、都道府県によって難易度はさまざまですが、共通するのは「選択式の問題とは違い、あいまいな理解では書けない」ということです。
現象のしくみを図で理解しておく
あいまいな理解をつぶし、文章記述問題で確実に得点するためには、どうすればよいでしょうか。
まずおすすめなのが、教科書などにある図を使って理解を深める勉強法です。
受粉のしくみ、季節が生じるしくみ、雲が発生するしくみ、など、理科で学習する現象には、知識どうしに流れやつながりがあります。問題で間違ったとき、用語をばらばらに確認するのではなく、図の中で現象のつながりを意識して復習しましょう。
理解ができたら、さらに、図を見ながら自分の言葉で説明する練習に進んでください。図を使うことで、自然と、流れやつながりを意識しながら文章にまとめられるようになります。
- 図を見ながら自分の言葉で説明する練習をする
実験は《理由》を押さえる
「暗記型」「考察型」どちらにも有効な対策が、実験の目的や手順、操作の《理由》を押さえることです。
実験の目的や手順、操作には、必ず理由があります。
なぜAとBの試験管を用意するのか、なぜあたためたエタノールに葉をいれるのか、など、文章記述問題では、教科書に出てくる実験の目的や、それぞれの手順や操作の意味がよく問われます。教科書やノート、問題集で、理由を説明している部分には線を引き、言葉で説明できるようにしておきましょう。
- 教科書に出てくる実験の目的や、それぞれの手順や操作の意味を押さえる
問題の指定どおりに答える訓練をする
あいまいな理解をつぶしていきながら、同時にやってほしいのが、過去問などで文章記述問題に多く当たり、問題の指定どおりに答える訓練です。
文章記述問題では、
「理由を2つ書きなさい」
「〇〇の語句を使って書きなさい」
「〇文字以内で書きなさい」
というように、条件が指定されることがあります。
指定に合わない文章は、減点されるだけでなく、得点がもらえないこともあります。自分で書いた文章と問題文を見直し、指定にそった文章になっているかを確認しましょう。
自分の県以外の過去問でもかまいません。たくさんの問題に取り組み、繰り返して練習することが大事です。
- 指定に合わない文章は、得点がもらえないこともある
まとめ & 実践 TIPS
いかがでしたか。記述問題で得点するための第一歩は、あいまいな理解をつぶすことです。記述問題がニガテで何を書いてよいかわからない、というお子さまには、記述問題に取り組む前に、教科書やノート、これまでに使った問題集などを使って復習から始めることをおすすめしてみてください。図で理解すること、理由を押さえること、どちらも、記述問題だけでなく、すべての問題の得点力を上げることにつながる対策のコツです。今から勉強に取り入れて、入試合格に向けてがんばりましょう!
\高校入試記述力対策シリーズ/
第1回 今からはじめる高校入試対策!【記述力対策~国語編~】
第2回 今からはじめる高校入試対策!【記述力対策~英語編~】
第3回 今からはじめる高校入試対策!【記述力対策~数学編~】
第4回 今からはじめる高校入試対策!【記述力対策~社会編~】
株式会社プランディット 編集事業部 理科課 渡辺
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの理科の教材編集を担当。
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