「受験生の親、どうかかわるのが正解?」子どもの大学受験を経験した保護者が、いま伝えたいこと
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この春、お子さまの受験を迎える保護者のかたは、親としてどのような関わり方をすればいいのか、不安に感じられているかもしれません。
トラストコーチングスクール認定コーチとして活動している私・中原絵里子が、長男が大学受験をしたときに、コーチとして意識して気を付けたことや反省点をお伝えすることで、少しでも参考になればと思います。
1. 自分の「問題」と子どもの「問題」を分けて考える
頭ではわかっていても、心配のあまり、受験を自分の「問題」にしてソワソワしてしまいがち。でも受験するのは子どもであり、これは子どもの挑戦なんです。大変なのも、不安なのも、しんどいけれどがんばらなければいけないのも、全部子どもであって、自分ではない。私も何度も自分にそう言い聞かせました。
不確かな状態を脳は不安に感じるものなので、早く「確か」な状態にしたいと思ってしまうのはある程度は仕方が無いのですが、「(早く安心したいから)指定校推薦で行ける大学にしたら」などと口にするのは、子どもの問題に干渉し、挑戦の足を引っ張ることになってしまいます。
では、保護者である自分の「問題」は何か、と客観的に考えることが大切です。たとえば長期休みも生活リズムを保つために一定の時間に起きるサポートをしたり、受験にあたって出願準備やホテルの手配や交通手段の確認、健康管理などは保護者ができることですね。
私も大学受験情報に長く携わってきたこともあって、ついつい「過去問は最低5年分解いた? 解き直しが大事だよ、専用のノートは作っている?」などと勉強法や大学選択にあれこれ口出ししたくなりましたが、長男はスケジュールややり方を自分で考えたいタイプだったので、ここは彼の課題だと言い聞かせました。
2. 何を「言う」かより、何を「言わない」か
親としてサポートしてあげたいと思うあまり、口出ししすぎるのは百害あって一利なしです。しっかり勉強したあと、ちょっと休憩しているところに保護者から「そんな暇があるなら英単語のひとつでも覚えたら」などと言われてしまっては、モチベーションも下がってしまいますよね。
高3ともなると、アドバイスが必要な時は自分で適切な相手に相談できる年齢です。求められていないことを「あなたのため」と言ってあげようとするのではなく、何を「言わない」ことが子どものためになるのか、と考えてみましょう。
私はできる限り「がんばって」「勉強は順調に進んでいるの?」「英語も勉強したほうがいいよ」などの励ましやアドバイスは言わないように心がけ、「何か食べたいものはある?」「軽食を買うお金は足りている?」など、サポートの言葉だけ伝えるようにしました。
とはいえ、勝手にやきもきするのが親心というもの(笑)。放っておくと無限に心配や余計な言葉が出てきてしまいます。受験に関しては「何も言わない」と固く誓うくらいでちょうどいいのかもしれません。
3. 子どもにとって心地いい応援って?
よかれと思って応援のつもりでしていることが、時にプレッシャーになってしまうこともあります。
合格祈願のお守りを大量に買ってくる、志望大の大学グッズを買って押しつける、縁起を担いで「カツ」やタコ料理(オクトパス=置くとパス)、合格祈願お菓子をやたら出す……。これ全部、私がやってしまったことです(苦笑)。長男に苦笑いしながら「お願いだから普通にしていて」と言われました。自分のための応援をしてしまっていたのだなと気付かされ、そこからは子どもにとって心地いい、受け取りやすい応援とは何かを考えるようにしました。
たとえば受験本番は手作り弁当を作るつもりでいましたが、長男は「1週間前から本番と同じものを食べて眠くなったりしないか調整したいから、当日はコンビニで買っていく」と言うのでお弁当はやめて、受験会場に向かう途中に該当のコンビニがどこにあるか調べて伝えるのにとどめました。
また、直前期は合格したら入寮を希望している学生寮の画像をさりげなく見せて大学生活をイメージしたり、「試験当日、帰り道はどこでおいしいラーメン食べて帰るの?」と、やりきったあとに気持ちよくラーメンを食べている自分をイメージできる質問をするなど、気持ちがワクワクする関わりを意識しました。
子どものために何でもしてあげたくなる気持ちをぐっと押さえて、「この応援を子どもは気持ちよく受け取れるだろうか」と考える習慣を持つことをオススメしたいです。
まとめ & 実践 TIPS
今振り返って感じるのは、結局、受験生の親として一番大切なことは「余計なことを言わない・しないための我慢」と、それができるような安定した心の状態を保つことなのかもしれません。親がご機嫌でいられなければ、子どももご機嫌に過ごせないですし。
唯一私がコーチングのスキルを意識して取り入れてよかったと感じるのは、長男が話したがっている時は全力で「聴く」ことを大切にしたこと。人は話を聴いてもらっていると感じられた時に安心感を得ることができます。自分の挑戦としてがんばっている子どもに保護者が与えてあげるべきは、プレッシャーではなく、安心感なのだと思います。
コミュニケーションに正解はありませんが、お子さんにとってどんな関わりをすること、しないことが安心感につながるのかを意識することが大切なのだと考えます。
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