不登校経験のある小学生 合う学校はどう探す?【中学受験】
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小学校で不登校経験があったり学校になじめなかったりしたお子さんの進学先で悩まれているご家庭もあるかと思います。そうしたお子さんにとって、中学受験はよい選択肢となり得るのか、またどのように志望校を選べばよいのかについて、森上教育研究所がお伝えします。
家庭でも勉強できる体制が整っている私立中は不登校経験者向き
コロナ禍により私立中学のICT環境は急速に進化
コロナ禍でストレスが高まっていることもあって不登校になってしまったり、不登校まではいかなくても学校を休みがちになってしまったりするお子さんも最近増えているようです。こうした不登校経験のあるお子さんには、一般的に私立中学が向いていると思います。
その理由の一つは、コロナ禍により家庭でも勉強できるスタイルが定着した私立中学が多いからです。たとえば、緊急事態宣言下でいち早くオンライン授業をスタートしたドルトン東京学園(東京都)では、ICTツールを活用して、生徒と家庭と学校とがクラウド上でつながり、学校でも家でも学習に打ち込める環境が整っています。
北鎌倉女子学園(神奈川県)もICTを駆使して生徒のクリエイティビティ、協働学習、批判的思考力を高めているとしてApple Distinguished Schoolに認定されており、学校に登校できない場合も家庭でも質の高い学習環境が得られるようになっています。こうした先進的なICT環境が整っている学校は、登校しづらい日も家庭での学習を選べるという点で、不登校経験者に向いているでしょう。
対応のきめ細かい宗教系、集団行動の少ない難関校や付属校もおすすめ
また、特に宗教系の学校は生徒への対応がきめ細かく、学校になじめないお子さんであっても気にかけて手厚い対応をしてもらえるという点で、不登校経験のあるお子さんに向いています。
たとえば、玉川聖学院(東京都)は生徒へのあたたかい対応では定評があります。また、寮のある学校も生徒一人ひとりへの対応が手厚い学校が多く、おすすめです。
逆に難関校や付属校は、生徒に集団行動をあまりさせず適度にほったらかしてくれるという点で、不登校経験のあるお子さんも比較的気楽に学校に通える面があります。ただ、付属校の中には出席日数や成績が足りないと進級できないという学校もありますので、その点は注意が必要です。
不登校経験者にあまり向いていないといえるのは、中堅進学校です。
中堅進学校では集団行動が多く、宿題も多く出される傾向にあります。そうなると、いじめが発生しやすく不登校のきっかけとなりやすいうえに、何日か学校を休んでしまった場合に、学校に戻ることが難しくなります。
発達障害のお子さんについては公立中が向いている場合も
一般的には、不登校経験のあるお子さんにはきめ細かい対応を行っている私立中学のほうがおすすめなのですが、注意が必要なのは発達障害のお子さんです。
公立中学では特別支援教室を設置して、発達障害のお子さんに手厚く対応している学校もかなりあります。発達障害の特性が強く出ているお子さんについては、個々の状態に応じた指導を受けられる公立中を選択したほうがよい場合もあるでしょう。
ただ、ひと口に発達障害といってもお子さんによって特性はさまざまです。発達障害の特性に応じた支援はそれほど必要ない、不登校への対応が手厚いほうがよいという場合は、私立中を選択するほうがよいでしょう。
学校説明会でお子さんに合った学校かの見極めを
あたたかく対応してくれるか、家庭での学習が可能かを確認
志望校が、不登校経験のあるお子さんに本当に向いているかどうかは、実際に学校説明会に足を運んで学校の雰囲気を感じたり、先生方と会話してみて確かめたりすることが大切です。
生徒のことをしっかりと考えあたたかく対応してくれるかについて、先生方の言葉から感じる印象は、それほど裏切られないものです。特に生徒にどのような対応が可能なのかを直接質問できると安心です。
ただ「不登校になった場合の対応はどうか」とはなかなか聞きにくいので、たとえば「コロナに急に感染した場合に勉強が遅れないように家庭でも授業を受けることが可能ですか」といった質問をして、気軽に家庭で授業を受けられる学校であれば、登校が難しい日も授業に参加できる学校であることが確認できます。
こうした観点から、お子さんに合った学校かどうかを見極めておきましょう。
まとめ & 実践 TIPS
不登校経験のあるお子さんには、先進的なICT環境により家庭でも勉強できるという点、宗教系の学校は生徒への対応がきめ細かいという点、逆に難関校や付属校は、生徒に集団行動をあまりさせず適度にほったらかしてくれるという点から、私立中学がおすすめです。
ただし、中堅進学校は不向きなことが多く、お子さんが発達障害の場合は公立中が向いている場合もあるでしょう。学校説明会でお子さんに合った学校かどうかを先生方との対話で見極めることが大切です。
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