高校生のなりたい職業ランキング3位「システムエンジニア」!気になる給料や向いているタイプは?

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高校生に、将来なりたい職業についてアンケートを実施しました。この記事では、TOP10にランクインした一つひとつの職業について、仕事内容から将来性、そのための進路や適性まで、詳しい情報をお伝えしていきます。
今回フォーカスするのは、第3位の「システムエンジニア」です。気になるランキングは最後の章で!

この記事のポイント

システムエンジニアって、どんなオシゴト?

利用者のニーズに合わせたソフトを開発する仕事

ソフト開発やシステム開発のなかの「設計」を担当するのがシステムエンジニア。

コンピュータを動かすためにどんなプログラム(作業手順や命令)が必要か、どのようにハードウェア(機械)と組み合わせていくのか……、利用者のニーズに合わせてそれを設計していく仕事になります。

顧客に合わせた設計書を作る

システムエンジニアの仕事のおおまかな流れは、「要求分析→要件定義→基本設計→詳細設計」となっています。

「要求分析」とは、顧客の要望を聞き、何のためにどういったシステムを作るのかを分析することです。その分析内容から、システムを導入する目的やシステムの概要といった必要な要件をまとめることを「要件定義」と呼びます。そこから、「基本設計」でどんなシステムを作るのかを決め、「詳細設計」でシステムの構築に必要となる具体的な部分を決めていく流れです。

画面上にどんなボタンを配置してどんな動作を行うようにするのかを決めるのも、設計の1つになります。また、完成したシステムがきちんと動作するかを管理したり、メンテナンスを行ったりするのも、システムエンジニアの仕事です。

プログラマーが大工さんならシステムエンジニアは建築士

システムエンジニアが設計書を作成しただけでは、コンピュータは動きません。この設計書をもとに、プログラマーがソースコードを書いて動作するようにしていきます。家づくりで例えれば、システムエンジニアが建築士で、プログラマーが大工さんといった感じです。

建築士の立場であるシステムエンジニアは、顧客とプログラマーをつなぐ存在でもあります。要望を正しく聞き、それを正しく伝えなければ、システムは完成しません。そのため、交渉力や説明力、コミュニケーション能力といった対人的なスキルも必要になります。

システムエンジニアの仕事は身近なところにも

システムエンジニアが設計するシステムは、さまざまなところに使われています。銀行系の業務システム、情報セキュリティシステム、交通システム、販売・生産・物流管理の情報システムなどです。

また、駅や映画館の発券システム、図書館の蔵書検索システムといった身近なところにも使われています。システムエンジニアの仕事は、私たちの生活に欠かせないものなのです。

システムエンジニアの働き方って、どんな感じ?

勤務先は専門会社

システムエンジニアの勤務先は、コンピュータメーカーやソフトウェア開発の専門会社などがメインです。近年では、一般企業の情報処理部門などに就職できることも多くなってきました。

さて、システムエンジニアには2つの働き方があります。それが「社外SE」と「社内SE」。SEとは、システムエンジニアのことです。

働き方①【社外SE】

システムエンジニアのイメージとして一般的なのは社外SEでしょう。外部の顧客企業からの要望や依頼に合わせて、システムを設計していくものになります。そのため、プロジェクトごとに勤務場所が変わることも珍しくありません。顧客の会社にチームやデスクを設置して働くこともあるでしょう。

環境に柔軟に対応していかなければなりませんが、そのぶんさまざまな刺激を受けられるというメリットもあります。新しい技術や優れた人材に出会うチャンスも多いです。

働き方②【社内SE】

社内SEの場合は、同じ会社内の社員からの依頼や要望でシステムを設計します。そのため、勤務場所が変わることは基本的にありません。外部の顧客を相手にするわけではないため、社外SEに比べると納期などの融通が利きやすいといった側面もあります。

また、システムエンジニアとしての業務だけでなく、コンピュータに関わるさまざまなことを行う可能性も。専門知識を活かし、会社のためにできることを考えて働いていく必要があります。

残業が多くハードな仕事

システムエンジニアの仕事は、時間的にも内容的にもハードです。

納期に間に合わせるために、残業して夜遅くまで働くことも珍しくありません。特に社外SEの場合、顧客の要望によってはさらにハードになることもあるでしょう。また、故障やトラブルが発生した場合は、復旧を急がなければなりません。場合によっては休日を返上して働くこともあります。

システムエンジニアの年収って、どれくらい?

年収

・平均給与 38万0000円/月
・年収 約569万円

※年収の計算方法:きまって支給する現金給与額(38万0000円)×12カ月+年間賞与その他特別給与額(112万9000円)
※厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」より
※10人以上の規模の事業所で働くシステムエンジニアの給与月額男女計(平均年齢:38.8歳、勤続年数:12.0年、所定内実労働時間数:156時間、超過実労働時間数:14時間)

平均年収は約569万円です。ただしこちらは平均額。実際は、スキルや経験によって大きく変わってくるということを理解しておきましょう。

システムエンジニアの給与形態は、「基本給+時間外(残業)手当+各種手当」が基本です。各種手当は、住宅手当や家族手当、役職手当といった一般的なものになります。また、業務に関連した資格の取得を奨励している企業が多いのも特徴。資格取得支援手当として、研修費などを負担してもらえることもあります。

システムエンジニアの将来性は?

一般企業でも需要増!分業化や専門化も進む

IoTやAIなど新しいICTの分野は日々進歩しており、システムエンジニアの役割はさらに重要になってきています。現在はソフトウェア開発会社やコンピュータメーカーが主な勤務先となっていますが、今後は一般企業においても高度な専門知識を持った人材が必要となってくるでしょう。

ただ、需要に対してシステムエンジニアの数は足りておらず、多くの企業で人材確保が課題になっています。独立開業によって分業化・専門化も進んでおり、システムエンジニアの働き方も変化しているところです。

外国人の採用増でコミュニケーション能力も求められる

人材確保のため、外国人の採用を積極的に行う企業も増えてきました。そういった企業に就職すれば、さまざまな国のかたと働くことになります。一緒に働くということは、コミュニケーション能力が不可欠。言語だけでなく、文化や習慣を理解し、交流していくことが必要です。

専門的な技術や知識だけでなく、柔軟な思考や新しい世界を楽しもうと思える気持ちも大切なのかもしれません。

技術、知識、経験を磨ける人が活躍できる

日々新しく、そして進化していくICT分野。最新の情報に対してアンテナを張り、勉強を続け、知識や技術を磨いていけば、今後ますます活躍していけるはずです。

また、システムエンジニアは経験がかなり重視される職業でもあります。プロジェクトマネージャーやリーダーを務めたことがあれば、転職時も有利。給与アップの可能性もあります。時間はかかっても自分のスキルをしっかりと磨いていくことで、収入も信頼も高まっていくはずです。

システムエンジニアに向いているのはどんなタイプ?適性は?

コンピュータ愛と勉強する意欲

ICTに関する高度な知識が必要なシステムエンジニア。日々進歩する分野でもあり、就職後も勉強を続ける必要があります。コンピュータに対して人一倍関心があること、そして何よりコンピュータが好きだということが、この仕事をするうえでの基本条件といえるでしょう。

コミュニケーション能力

システムエンジニアは、複数のエンジニアやプログラマーと協力して業務を行います。設計書を作成するには、顧客からの要望をしっかりと聞かなければなりません。チームとしてシステムを完成させるため、コミュニケーション能力を備えていることが望ましいでしょう。自分と異なる考えを受け入れられる柔軟さも必要です。

顧客の意図を理解できる分析力

システムエンジニアが作成する設計書は、顧客の要望に沿っていなければなりません。また、その設計書の内容はプログラマーに正しく伝わらなければ意味がありません。顧客とプログラマーの橋渡しとしての役割でもあるシステムエンジニア。顧客の意図を理解できる分析力、プログラマーと意思疎通を図るための説明力などが必要になります。

根気強さと体力も必要

開発が長期に渡れば、それだけ働き方はハードになります。長ければ数年に及ぶこともあり、トラブルが起きたりうまく進まなかったりすることもあるでしょう。目標に向かって取り組んでいくためには、根気強さが必要。残業や休日出勤が続くこともあるため、体力も必要になるでしょう。

システムエンジニアになるには、どうすればいいの?

理系がやや有利だが実力本位の世界

システムエンジニアになるには、大学や大学院で情報工学・電気工学・電子工学などを選考しておくと有利です。ただ、経験が重要といえるシステムエンジニアは実力本位の世界。社内教育が充実している企業も多いため、文系学部出身者や短大・専門学校卒者にも十分チャンスはあるでしょう。

資格を保持しているとより有利に

システムエンジニアに必須資格はありません。ただ、持っていると有利になる資格はあります。それが「情報処理技術者試験」です。経済産業省が認定する国家資格で、ITに関わるあらゆる人が活用できます。

情報処理技術者試験は内容・難易度別に12の区分があります。「基本情報処理技術者試験」はその名の通り基本的な資格で、多くのIT関係者が受験するものです。一方、「応用情報技術者試験」は幅広い知識・経験・実務能力が問われるもので、難易度が高い資格となっています。「システムアーキテクト試験」も難関ですが、スキルアップを目指すのに適した資格であるといえるでしょう。

待遇の改善や昇給などにも関わってくるため、就職後も積極的に勉強していくことをおすすめします。

システムエンジニアに関連する職業には、どんなものがあるの?

プログラマー/ゲームクリエイター/OA機器インストラクター/CADオペレーター/システム監査技術者/キーパンチャー/カスタマーエンジニア/システムアドミニストレータ/ネットワーク技術者

システムエンジニアに関連する職業は、基本的にはコンピュータ系の職業の中にあります。

なかでもプログラマーは、システム開発において一緒に仕事をするパートナー。世間から混同されることが多いシステムエンジニアとプログラマーは、それだけ関連性が強いということです。システムエンジニアとして働くのであれば、プログラマーの仕事内容もきちんと理解しておいた方がよいといえるでしょう。

高校生 なりたい職業ランキングTOP10

第1位 看護師
第2位 地方公務員
第3位 プログラマー
第3位 システムエンジニア
第5位 保育士
第6位 薬剤師
第7位 管理栄養士・栄養士
第8位 心理カウンセラー
第9位 高校教諭
第10位 歌手、ミュージシャン
第10位 ゲームクリエイター

意外に堅実な職業から、表現・クリエイティブ系の職業まで多彩なラインナップになっています。高校生には、未来に向かって自分らしく、興味や関心を追いかけてもらいたいもの。そのためには、情報収集も欠かせませんよね。

まとめ & 実践 TIPS

システムエンジニアは、ソフト開発やシステム開発における「設計」をする仕事です。顧客からの依頼や要望に沿って設計書を作成し、プログラマーとともにシステムを完成させます。
勤務先はソフトウェア開発会社やコンピュータメーカーといった専門的なところがメイン。ただ、近年では一般企業でも需要が高まっており、独立開業なども含めて働く環境は多様化してきています。
専門的な知識や経験が必要ながらも、必須資格はないシステムエンジニア。コンピュータへの関心や勉強する意欲があれば、文系学部出身者でもチャレンジできる職業です。

「システムエンジニアになりたい!」と考えている高校生は、どんなところに魅力を感じているのでしょうか? この情報も手がかりのひとつにして、夢に向かって進み続けてくださいね!

出典:マナビジョン「システムエンジニア」
https://manabi.benesse.ne.jp/shokugaku/job/list/198/index.html?utm_source=kj&utm_medium=banner&utm_campaign=manabi

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