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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 手・足・つめに関すること
手の指の間に小さく赤いポツポツができはじめ、最近では両手、足の甲、指の間と広がってきました。
7ヵ月になる女の子です。6ヵ月の半ばごろから手の指の間に小さく赤いポツポツができ始めました。かゆみもないようで水はもっていません。様子を見ていますが両手、足の甲、指の間と広がってきました。最初のころにできていた所は皮がむけてきています。
でき始めのころに皮膚科を受診しましたがポツポツがわかってもらえずあせもと言われました。このまま様子を見た方がいいのでしょうか?
汗腺(かんせん)の中に汗がたまって生じる「汗疱(かんぽう)」または「砂かぶれ様皮膚炎」ではないかと思います。さらに赤いポツポツが増えたり、かゆみが生じるようならもう一度皮膚科を受診なさるとよいでしょう。
手、足の特に指の間に出やすい赤いポツポツは、「汗疱(かんぽう)」といって汗を分泌する腺に汗がたまって炎症を起こしたものです。やがて表皮が破れて、皮がむけて治っていくものです。
普通はかゆいのですが、1歳未満の乳児では、かゆみをそれほど感じないかもしれません。
汗疱は、季節の変わり目に出やすく、真夏になると治っていきます。
なぜ汗疱ができるかは、明確にはわかっていませんが、手のひらや足の裏に多量に汗をかいたときに、汗の出口が詰まって中に汗がたまり、周囲に炎症を起こした状態と考えられます。
手足の汗は、他の部位の皮膚の汗とは異なる刺激でかくものです。
「手に汗握る」という言葉があるように、単に暑いときだけでなく、精神的に緊張したときや興奮したときなどにも、手には汗をかくのです。ですから、他の皮膚にあせもができていなくても、手や足に汗疱ができることがあります。
また、手足だけに多発する赤い小さな丘疹であることから「砂かぶれ様皮膚炎」の可能性もあります。砂にかぶれてできたように見える乳幼児の手足特有の皮膚病で、ウイルス感染説が有力です。2〜4週間で自然治癒します。赤みや、かゆみなどの炎症症状が強いときは、ステロイド軟膏(なんこう)を塗ると落ち着きます。
早く出た所から、次第に皮がむけて治っていくようなら、このまま様子を見てもよいと思われます。もし、赤みが広がったり、かゆそうに手や指をこすりつけたりするようでしたら、薬を塗った方がよいので、もう一度皮膚科を受診なさるとよいでしょう。