『二月の勝者』で知る 中学受験をしてもしなくても知っておくべき、子どもの学びに寄り添う方法

中学受験を描き大人気コミック『二月の勝者 —絶対合格の教室—』。前編では、中学受験をしない親子も得られるメリットを紹介しました。後編では、書籍『中学受験生に伝えたい 勉強よりも大切な100の言葉:「二月の勝者」×おおたとしまさ』より、学ぶ子どもに寄り添う親に知ってほしい言葉を5つ、漫画の1コマとともに紹介します。

中学受験をしなくても、学習する子どもと見守る保護者は迷うことが多くあります。情報にふり回されて疲れてしまうことも。教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が『二月の勝者』の名シーンに重ねて紹介する、中学受験を通して親が子に伝えるべき言葉。「中学受験をしない家庭でも刺さる」「学びを通して人生を知ることができる」と話題を呼んでいます。

この記事のポイント

どんな長い道のりも
一歩一歩自分のペースで進めば
必ず踏破できる。

(『中学受験生に伝えたい 勉強よりも大切な100の言葉:「二月の勝者」×おおたとしまさ』第15講より)

子どもにぜひ身に着けてほしい「やり抜く力」。長期間、意欲を失わないためにはマイペースでいることが大事です。

焦らずに、コツコツと進めば遠くまで行けることは、人生経験の長い大人は知っているはず。「勉強したのにすぐに成績が上がらない!」と焦って投げ出してしまわないよう、親子で覚えておきたい言葉です。

努力家の生徒・花恋とスーパー塾講師・黒木の会話の1コマが添えられています。

(『二月の勝者 -絶対合格の教室-』第2集 第12講「三月の邂逅」より)

テストの結果が悪くて
悔しがるのも立派だし、
堂々としているのも立派。
いちばん良くないのは
結果から目をそらすこと。

(『中学受験生に伝えたい 勉強よりも大切な100の言葉:「二月の勝者」×おおたとしまさ』第29講より)

失敗したとき、目をそむけたくなるのは大人も子どもも同じです。悔しがるのも、堂々と受け入れるのも立派な反応。言い訳ばかりで結果と向き合わないのは心配です。平気なふりをしていても、辛い気持ちを隠しているのかも…。

悪い結果を見てからこの言葉を伝えても、口うるさい印象を与えてしまいます。ふだんから伝えておきましょう。

(『二月の勝者 -絶対合格の教室-』第7集 第60講「九月の胎動」より)

こちらは小学生が自分の弱さに向かい合うことのむずかしさを語る黒木。自分の弱点に向き合えただけで、大きな成長の一歩です。

勉強が好きで得意な子が
どんどん勉強するのは当たり前。
そういうわけでもないのに
勉強を続けているんだから、
あなたはもっと偉い。

(『中学受験生に伝えたい 勉強よりも大切な100の言葉:「二月の勝者」×おおたとしまさ』第30講より)

スポーツの試合で勝てばほめられるけど、勉強ではなかなかそうはいきません。誰もが感心するほどの成績がとれなくても、努力のモチベーションが保てるだけで立派です。

「勉強が苦手」という意識は与えずに、「がんばっているね」のエールを忘れないようにしたいものです。

(『二月の勝者 -絶対合格の教室-』第6集 第48講「八月の新人」より)

要領がよくないことを自覚しながら、子どもたちのために熱意を忘れない佐倉。仕事がスマートにこなせない大人もきっと共感できるはず。

やる気になれないときは、
自分をその気にさせる
ことも大事。

『中学受験生に伝えたい 勉強よりも大切な100の言葉:「二月の勝者」×おおたとしまさ』第34講より)

自然にやる気が出ればベストですが、待っていると時間だけが過ぎてしまうことも多いです。人生経験の短い子どもなら、なおさら自分のやる気をコントロールするのはむずかしいこと。

「ここまでやったらゲーム」など、がんばれる目標を決めるのも有効です。また、気分が乗らなくてもとりあえずやってみることで、本当にやる気が出てくることも。これは「作業興奮」という脳の作用だそう。子どもにも教えてあげたいテクニックですね。

こちらは、黒木と佐倉が子どもの自発的学習のむずかしさを話すシーン。

(『二月の勝者 -絶対合格の教室-』第4集 第35講「七月の勧誘」より)

人間には、つらさを
分かち合えるひとが必要。

(『中学受験生に伝えたい 勉強よりも大切な100の言葉:「二月の勝者」×おおたとしまさ』第44講より)

人がひとりでつらさを乗り越えるのはむずかしいもの。それは、優秀で強く見える子どもでも同じです。がんばっている姿を見守り、つらいことがあれば話を聞いてくれる存在があるだけで、大きな支えになります。

手を出し過ぎてしまわないように気を付けて、寄り添いの気持ちを忘れないよう、大切に覚えておきたい言葉です。

こちらは娘・まるみを心配して桜花ゼミナールにやってきた母親の1コマ。

(『二月の勝者 -絶対合格の教室-』第7集 第59講「九月の不安」より)

まとめ & 実践 TIPS

『中学受験生に伝えたい 勉強よりも大切な100の言葉:「二月の勝者」×おおたとしまさ』。から5つの言葉を紹介しました。受験生や寄り添う家族でなくても、心に留めておきたい言葉がたくさん見つかります。

子どもが読んでも役に立ちますが、著者のおおたとしまささんによると「子どもにそのまま渡すのではなく、親の言葉で願いを伝える」こと、また「自分の頭で考える」ことが大事だそう。「自分だったらどうするだろう?」と親子で話してみるのもいいですね。

前編はこちら
勉強は苦しいものと決めつけていませんか? 中学受験をしない親子が『二月の勝者』で気づくこと

『二月の勝者 —絶対合格の教室—』(高瀬志帆:著/小学館)

中学受験界に現れた最強最悪の絶対合格講師、黒木蔵人。桜花ゼミナールの講師と生徒を指導する、クールな言動の真意とは…。激動の受験界を圧倒的なリアリティーで描く話題作。コミックス累計発行部数は100万部を突破。『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて好評連載中。日本テレビ系連続ドラマ「二月の勝者 —絶対合格の教室—」(土曜・後10時)が放送予定。スーパー講師・黒木を柳楽優弥が演じる。

コミックス公式サイト https://bigcomicbros.net/work/6358/
土曜ドラマ「二月の勝者 —絶対合格の教室—」 https://www.ntv.co.jp/2gatsu/
『中学受験生に伝えたい 勉強よりも大切な100の言葉:「二月の勝者」×おおたとしまさ』(おおたとしまさ:著/小学館)

話題のコミック『二月の勝者 —絶対合格の教室—』と教育ジャーナリストおおたとしまさ氏のコラボレーション。中学受験に挑む子どもたちにかけてあげたい100のメッセージに、『二月の勝者』の名場面が対応して臨場感を与えています。中学受験生はもちろん、すべての学ぶ子どもと、寄り添う親にエールを送る一冊。

プロフィール

樋口かおる

ライター&グラフィックデザイナー&編集者&駄菓子屋さん&落語会主宰。早稲田大学商学部卒。DIY好きで、おもちゃから家具まで手作りします。プログラミングとゲーム制作は息子と勉強中。

プロフィール



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