中学受験を左右する?! 父親と母親それぞれの関わり方 3つの注意点【中学受験】

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子どもの中学受験には父親だけ、母親だけの関わりではなく、家庭全体でのサポートが必要になります。その際に注意すべき点について、森上教育研究所がお伝えします。

この記事のポイント

子どもの見ていないときに父母でしっかり相談をする

中学受験に向けてがんばるお子さんを支えるために、ご夫婦で一丸となって励ましたり、注意したりされているご家庭も多いと思います。しかし、ほめられたり励まされたりする場合はいいのですが、お父さんお母さんから一緒になって叱責されるとお子さんはつらいものです。お父さんお母さんが別々のタイミングで個々にお子さんをほめたり、注意したりすることで、お子さんの負担は随分と軽くなります。

ご家庭によっては、片方が注意をする係で片方が励ます係といった形で役割分担をしてもよいでしょう。また、「お母さんが怒ってたよ」といったことは言わず、注意するときは自分の口ではっきりと伝えましょう。一方でほめるときは「お母さんがこう言ってほめていたよ」とフォローされるとお子さんは直接言われる以上にうれしくなります。いずれにしても、子どもが見ていないときにご夫婦でしっかりとお子さんへの対応方法について相談しておくことが大切です。

親の成功体験を押し付けないように注意

中学入試の経験がある親御さんの場合、知識の面ではとても有利な反面、お子さんに負担になる場合もあります。たとえば、特に入試で成功した経験のあるお父さんに多いのですが「おまえも受かるはずだ」とお子さんにプレッシャーをかけてしまうことがあります。また、忙しくてあまりお子さんの受験勉強にかかわれないお父さんが、お母さんに対して「絶対に受からせろよ」という態度を取るかたもいらっしゃいます。こうした態度は、お子さんの負担になるだけですので気を付けましょう。

むしろ、親御さんの中学受験でつらかった経験、失敗した経験を「お父さんが子どもの頃にこんな失敗をした」とお子さんに伝えれば、お子さんも気が楽になり、励ましとして伝わります。お子さんの奮起を期待して、つい自分の体験をもとにいろんなアドバイスをしたくなってしまいますが、本人を貶めるような言い方は絶対に避けたいところです。

志望校に対する考えも、父母で意思統一を

また、お父さんお母さんの間で志望校が異なっていて、さらにお子さんの考えとも異なるとお子さんは大変なストレスを抱えることになります。「できればこのレベル以上の中学校に行ってほしい」といったことを思ってしまいがちですが、ここは大人は腹をくくらなくてはいけません。お子さんに対して「このレベル以上の学校」といった線は引かず、「あなたが通いたい学校であればどこでもいいよ」ということを、はっきりと伝えることが必要です。必ずご夫婦でその点は意思統一しておきましょう。

まだ小学生ですから、親御さんにとってお子さんははらはらする存在かもしれませんが、入試はお子さん一人で受けるもので、親が付き添うわけにはいきません。受験を機にお子さんを一人の人格を持った大人として扱い、入試に立ち向かう自覚を促すことも重要です。ご夫婦でしっかり相談をして支えるべきところはしっかりと支えつつ、お子さんの自立を応援してあげてください。

まとめ & 実践 TIPS

子どもを励ましたり注意したりする際は、役割分担をするなどご夫婦でしっかり相談したうえで対応をすることが重要です。また、中学受験の経験がある親御さんの場合も成功体験を押し付けてお子さんにプレッシャーを与えるのではなく、むしろ失敗経験を伝えて励ますほうがよいでしょう。志望校についても、ご夫婦で意思統一を行い「あなたが通いたい学校であればどこでもいいよ」ということを、はっきりと態度で示しましょう。また、入試はお子さんが一人で受けるものですので、これを期に自立を促すことも重要です。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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