【2023年度中学入試結果】東京・神奈川(女子校編)

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2023年度も2月1日から東京都・神奈川県で行われた私立中学入試。今回は女子校の受験者動向について森上教育研究所がお伝えします。

女子校受験者数は約100名の増加

偏差値60〜65の上位校と偏差値65以上の最難関校で受験者増

2023年度の東京都と神奈川県の私立中学入試では、男子校ほどではありませんが女子校も受験者数を伸ばし、前年より約150名の増加となりました。偏差値帯別で見ると最も受験者数を伸ばしたのは、男子校同様、偏差値60〜65の上位校のグループです。大きく伸ばしたのは立教女学院で昨年の277名から334名へと57名も増加しています。東洋英和女学院は19名、吉祥女子は16名と他も着実に受験者を増やしました。神奈川県の湘南白百合学園は157名と大幅に伸びています。

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SS
学種 学校名 23試験名 23
入試日
23
PM
23
男女
23按分定員 22仮値
受験者
23仮値
受験者
22仮値
合格者
23仮値
合格者
22仮値
実倍率
23仮値
実倍率
60 私立 立教女学院 一般 2/1 2 110 277 334 129 136 2.15 2.46
60 私立 東洋英和女学院 A日程 2/1 2 80 205 224 96 97 2.14 2.31
63 私立 吉祥女子 第1回 2/1 2 134 565 581 202 190 2.80 3.06
58 私立 湘南白百合学園 1教科 2/1 1 2 20 252 409 159 130 1.58 3.15

偏差値65以上の最難関校でも受験者数は伸びていますが、女子校で特徴的なのは桜蔭への一極集中です。桜蔭は昨年の534名から607名へと73名の増加となりました。受験者数607名というのは近年にない数字です。

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SS
学種 学校名 23試験名 23
入試日
23
PM
23
男女
23按分定員 22仮値
受験者
23仮値
受験者
22仮値
合格者
23仮値
合格者
22仮値
実倍率
23仮値
実倍率
71 私立 桜蔭 5年度 2/1 2 235 534 607 282 290 1.89 2.09

女子校の場合は、上位校難関校で受験者の増加傾向はありますが、倍率はどこもだいたい2倍半ば程度に抑えられています。きちんと倍率を読んで安定志向の受験をされている様子が見てとれます。それでも昨年よりは倍率が上がっているので、2月1日午前入試で不合格となった受験生が今年は多かったと思います。

偏差値50〜55の中位校も受験者数増加へ

2023年度は女子校も上位校だけでなく中下位校の受験者数の増加という二極化が進みましたが、女子校で特徴的なのは、男子校よりも少し上の偏差値50〜55の学校で受験者数が増えたことです。たとえば、品川女子学院は67名、田園調布学園は72名とかなり増加しています。

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SS
学種 学校名 23試験名 23
入試日
23
PM
23
男女
23按分定員 22仮値
受験者
23仮値
受験者
22仮値
合格者
23仮値
合格者
22仮値
実倍率
23仮値
実倍率
52 私立 品川女子学院 第1回 2/1 2 90 248 315 106 122 2.34 2.58
52 私立 田園調布学園 第1回 2/1 2 80 183 255 86 93 2.13 2.74

男子校よりも少し上の偏差値帯で受験者数が伸びている理由としては、公立中進学から私学受験への変更組が女子の場合は男子よりも要領よく受験勉強を進めることができたため、より上の学校に進学しているとも考えられます。

また、品川女子学院は校舎を新しくしたことも人気の一因かもしれません。上位校で大変な人気となった桜蔭や立教女学院も校舎を新しくしており、女子校においても「新校舎人気」は顕著でした。

大学の推薦枠確保など高大連携に力を入れる中下位校の人気上昇

偏差値40台の中下位校でも多くの学校が受験者数を伸ばしました。特に目立ったのが昨年から41名の増加となった三輪田学園です。三輪田学園は法政大学との協定事業の拡充により、法政大学の学校型推薦枠を30名設けたことが評価されたと考えられます。

他にもカリタス女子が39名、十文字が37名、麹町学園女子が24名の増加となっていますが、いずれも高大連携を積極的に進めている学校です。今後もこうした学校は評価が上がり人気が高まっていくのではないでしょうか。

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SS
学種 学校名 23試験名 23
入試日
23
PM
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男女
23按分定員 22仮値
受験者
23仮値
受験者
22仮値
合格者
23仮値
合格者
22仮値
実倍率
23仮値
実倍率
44 私立 三輪田学園 第1回午前2科・4科 2/1 2 70 190 231 95 93 2.00 2.48
44 私立 カリタス女子 一般第1回 2/1 2 30 100 139 42 42 2.38 3.31
41 私立 十文字 第1回 2/1 2 50 107 144 81 112 1.32 1.29
37 私立 麹町学園女子 2月1日午前一般 2/1 2 70 76 100 68 88 1.12 1.14

付属、系属校では女子校も立教系が例外的に受験者増

女子校の付属校、系属校についても、人気が高止まり状態ですが、例外といえるのは、男子校と同様、立教系の学校です。前述の立教女学院のほか、香蘭も昨年の363名から390名へと受験者数を増やしています。学部の新設などを積極的に行う立教大学のイメージが向上していることも影響しているのかもしれません。

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学種 学校名 23試験名 23
入試日
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PM
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男女
23按分定員 22仮値
受験者
23仮値
受験者
22仮値
合格者
23仮値
合格者
22仮値
実倍率
23仮値
実倍率
58 私立 香蘭女学校 第1回 2/1 2 100 363 390 117 134 3.10 2.91

まとめ & 実践 TIPS

2023年度の東京都と神奈川県の私立中学入試では女子校も受験者数を伸ばし、前年より約150名増加となりました。偏差値帯別では、偏差値60〜65の上位校が最も受験者数を増やしました。偏差値65以上の最難関校も受験者数を伸ばしていますが、桜蔭への一極集中が目立ちました。同時に偏差値50〜55、偏差値40台の中下位校も受験者数を増やしましたが、特に高大連携に積極的な学校に人気が集まりました。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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