高校生のなりたい職業ランキング1位「地方公務員」!気になる給料や向いているタイプは?

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高校生に、将来なりたい職業についてアンケートを実施しました。
この記事では、TOP10にランクインした一つ一つの職業について、仕事内容から将来性、そのための進路や適性まで、詳しい情報をお伝えしていきます。今回フォーカスするのは、第1位に輝いた「地方公務員」です!

この記事のポイント

高校生 なりたい職業ランキングTOP10

1位 地方公務員
2位 看護師
3位 保育士
4位 国家公務員
5位 一般事務
6位 ファッションデザイナー
7位 歌手・ミュージシャン
8位 ゲームクリエーター
9位 薬剤師
10位 技術系研究・技術者

意外に堅実な職業から、表現・クリエイティブ系の職業まで多彩なラインナップになっています。
高校生には、未来に向かって自分らしく、興味や関心を追いかけてもらいたいもの。そのためには、情報収集も欠かせませんよね。

地方公務員って、どんなオシゴト?

地域の住民が暮らしやすい環境をつくる

地方公共団体に所属して、暮らしやすいまちづくりのために働く地方公務員。住民の要望、苦情などの生の声から、行政に何が求められているかをくみとり、住民が暮らしやすい生活環境を作っていく、地域密着型の仕事を担当しています。役所に勤務している職員だけでなく、公立の学校、病院、図書館、福祉施設の職員や、上下水道、清掃などに携わっている人たちも全て地方公務員にあたります。
なお、地方公務員には一般職と特別職があり、特別職は知事や副知事など特定の職務を行う職員を指し、それ以外の職員は一般職に分類されています。

生活全般に関わるため、仕事内容は多岐にわたる

地方公務員の仕事内容は治安、消防、水道、交通、教育、文化事業など、地域の生活全般にかかわる広い範囲に及んでいます。

市町村区の役所に勤務する場合に絞っても、仕事の内容は非常に多岐にわたります。というのも、役所にもさまざまな部署があるうえ、数年ごとに異動となることが一般的だからです。例として、戸籍・住民票の管理、選挙の運営、ゴミ処理、税金の徴収、建築許可、生活保護をはじめとした福祉サービスの提供などの仕事が挙げられますが、これでもまだほんの一部。そのほかにも、観光政策や都市計画など、およそ市町村区が機能するうえで必要なことすべてにかかわっているといっても過言ではありません。

都道府県庁の職員として働く場合には、一般に市町村区の役所よりもさらに規模の広い仕事を行うことになります。例として、河川・道路・公園の管理、学校などの公共施設の設置・管理、教育事業の運営などが挙げられます。

地方公務員の働き方って、どんな感じ?

部署によって、勤務状況は異なる

地方公務員の勤務先は、各都道府県庁や市区町村役場、地方公共団体、公立の学校、病院、図書館などさまざまですが、勤務時間は基本的に1日約8時間となっており、ほとんどの自治体が週休2日制を導入しています。民間企業に比べて残業が少ないといわれますが、勤務状況は部署によって異なります。

とはいえ、多くの仕事で「ワークライフバランス」(仕事と生活の調和)が重視されている今、地方公務員も働き方の見直しが進められています。

地方公務員にも残業の多い部署はあり、「長時間働くことが偉い」と思われがちな風潮が残っていることもあるようです。が、税金から職員の給料が出ていることもあり、国や都道府県の指導のもと、より効率的に業務を進められる働き方へと変化している様子です。また、民間では既に導入されていることの多いフレックスタイム制(仕事始めの時間と終わりの時間を、働く人自身が決められる制度)を取り入れる自治体も出てきています。

地方公務員の給料って、どれくらい?

給料

初任給 約22万円
東京都庁行政職Ⅰ類Bの場合・2019年

地方公務員の給料は自治体によって異なっているので一概にはいえません。上は、東京都庁に採用された場合の一例です。平均でみると、公務員の給料は年々少しずつ下がっている様子で、総務省の「平成30年地方公務員給与実態調査結果等の概要」によると、全国の平均月額給与は約36万円(一般行政職の場合)で、そのうち各種手当の総額が約4万円となっていました。

とはいえ、これはあくまで平均で、勤務年数によって給料は変わります。これまで地方公務員の給料は年功序列の傾向が非常に強かったのですが、勤務実績をより反映させる形へと見直しが図られています。今後はこれまで以上に、努力した分だけ給料の上昇が見込めるようになる可能性もあるでしょう。

地方公務員の将来性は?

社会の変化に伴って、活躍の場が広がっている

社会が大きく変化している今、地方に外国人観光客を招く工夫や、地域の国際化、少子高齢化の対策など、地方公務員が中心になって解決していくべきことは多々あります。一企業だけでは難しいことも、行政の立場からさまざまな団体・企業の橋渡しを行えば解決の可能性が生まれることもあるでしょう。そのため、地方公務員の活躍の幅はこれからどんどん広がっていくことが予想されます。働き方自体も変わりつつあり、民間のお手本になるよう、男女の平等をはじめ、多くの人がより働きやすい環境が整えられていくと思われます。

地方公務員に向いているのはどんなタイプ?適性は?

住民の意見に耳を傾ける誠実さが大切

地域に寄り添い、地域を支える地方公務員にとって大切なのは、その地域に対する愛着や地域住民の力になりたいと思う熱い気持ちです。実際に働いていくうえでは、地域住民の意見や不満を広くキャッチして、それを行政に生かしていくことが求められるので、どんな意見にも素直に耳を傾ける誠実さや、正しいと思ったことはすぐに実行していく行動力も必要です。
また、市町村区役所に勤める場合、数年に一度部署を変えながらステップアップしていくことになります。部署によって仕事の内容も大きく変わるので、どんな仕事にでも早く順応できる力や、業務について学び続ける意欲があるとなおよいでしょう。

地方の時代と言われている現在、地域振興に役立つプランを積極的に打ち出していくことも、地方公務員の大きな使命となっています。地域にどんな資源が眠っているのか、またどんな課題があるのかを自分なりに考え、職務の中で改善していくためには、高い課題解決能力が求められることもあるでしょう。公務員の安定性に惹かれるだけでなく、地域振興に熱い思いをもつ人材がいっそう必要とされていくと思われます。

続いて、地方公務員になるための資格やコースについて考えてみましょう。関連する職業もあわせてご紹介します。

地方公務員になるには、どうすればいいの?

必要な資格やなるためのコースは?

公務員は民間企業と比べて安定したイメージがあることから地方公務員の人気は高く、狭き門となっています。必須資格は、地方公務員の各種採用試験に合格することです。

地方公務員の採用試験は、それぞれの地方自治体が独自に行っています。そのため、試験内容や受験資格は地域によって異なり、合格率にもかなりの差があります。
試験は、難度によって、上級(大卒程度)、中級(短大卒程度)、初級(高校卒程度)に分類されていますが、その分類の名称も自治体によって異なっています。例えば東京都では、Ⅰ類・Ⅱ類・Ⅲ類といった分類です。
また、各分類の中にさらに試験区分を設け、行政(事務)、土木、電気、水産、建築、福祉といった職種別に分かれている自治体が多い様子です。そのため、どの学部を出ても地方公務員になれるチャンスはあります。

なお、警察官や消防官、また看護師、薬剤師、保健師などの専門職は、多くの場合、個別に試験が行われています。専門職として働く場合は、その職業に就くための資格が求められる場合もあるので、あわせてチェックしておくとよいでしょう。

地方公務員に関連する職業には、どんなものがあるの?

地方公務員に関連した職業は、同じ公務員の中から見つけることができます。例えば、以下のような職業です。

国家公務員/国際公務員/外交官/国税専門官/労働基準監督官  

前述のように、一口に公務員といってもその種類はさまざまです。職種を絞り込むなら、どんなかたちで社会に貢献したいのか、専門性を発揮したい分野はどこか、まずは自分の興味や関心を深く掘り下げてみることから始めるのもよいでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

高校生のなりたい職業1位の地方公務員は、地方公共団体に所属して、地域の住民のために、福祉や教育、文化などの生活環境を整えたり、行政サービスを提供したりするお仕事です。役所だけでなく、公立の学校や病院、図書館などで働く職員も含まれ、その仕事内容は多岐にわたります。近年では地方行政の改革も進んでおり、地域への熱い思いとともに、柔軟な発想力やチャレンジ精神をもった人材が求められるようになりました。地方公務員になるためには、採用試験に合格することが必須ですが、職種が幅広い分、あらゆる学部に門戸が開かれている職業といえます。

「地方公務員になりたい!」と考えている高校生は、どんなところに魅力を感じているのでしょうか?この情報も手がかりのひとつにして、夢に向かって進み続けてくださいね!

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出典:マナビジョン 職業情報 公務員系 地方公務員
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