テスト本番に弱い子が自信を持てるようになる対策とは?【中学受験】

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テスト本番への苦手意識を持っているお子さんは少なくありません。対策として、どのような手立てが有効なのでしょうか。
中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員・小川大介先生は、「できた問題」もあわせて、以前受けたテストの見直しをすることが効果的だと語ります。具体的なテスト直前対策に迫っていきます。

この記事のポイント

テスト本番への弱さは、得点を取れるイメージがないこと!

「勉強時間をたくさん取り、理解度も高いのに、なぜかうちの子はテストで得点を取ることができない」という保護者のかたのお悩みをよく耳にします。テスト本番に苦手意識を持っているお子さんが思いの外多いのです。

こうした子たちは、学習理解に大きな問題があるというよりは、自分がテストで得点が取れるイメージを持てていないという課題があります。そのため、まずは「今でも十分に得点することができる」「このステップでテストに取り組めば確実に点数が取れる」という自信を育む必要があります。
中学受験直前や中高生になっていくと、テストで得点する戦略が一層重要になります。早いうちに、テストへの自信と戦略的に問題を解くことができるスキルを習得しておけるとよいでしょう。

「できる問題」と「できない問題」を見える化する

テスト対策として有効なのが、以前受けたテストを見直すという方法です。この復習をしているご家庭は少なくないのですが、取り組み方に改善の余地があることがほとんどです。ほとんどの場合、結果が悪かったテストやできなかった問題ばかりを振り返ってしまいます。

しかし、それなりに手応えがあったテストや正解した問題もあわせて振り返ることが重要です。

具体的には、テストのコピーをとって、正解した問題を赤、不正解だった問題を青などで囲みます。そうして、テスト全体の流れを見ていきます。
すると、1問目から2問目は余裕を持って解くことができて、3問目は苦労したけれどなんとか解答できた、でも、4問目はわからなかったといった実態が見えてきます。

この方法の効果は3つあります。1つめは、「7割は得点できているんだから、8割正解するにはあとここだけがんばればいいんだな」といった具体的な目安が持て、テストへの苦手意識を払拭(ふっしょく)できることです。

2つめは、戦略的に得点できる方法を理解できるということです。テストで得点を取れるイメージが持てないという状況は、難しいものは適宜飛ばしたり取れる問題を確実に解いていったりするテクニックを持てていないということです。以前受けたテストを見返すことで、その手法を得ることにつながるでしょう。

そして3つめは、問題用紙をマーキングすることで、復習で力を入れるべきところの濃淡を見極めていくことができるということです。

本番1週間ほど前に以前のテストの振り返りを行い、その後、前日などテスト直前にも色分けした問題を見直すことで、本番への弾みになります。

テスト対策は子どもが主体的に計画を立てる

テストへの苦手意識を持っていると、テスト対策に対しても前向きになれない傾向があります。重要なのは、何をどのタイミングで取り組む必要があるかをお子さんが主体的に考えられるようにしていくことです。

今回ご紹介した振り返りをすることで、お子さんが自ら復習が必要な部分を指摘できるようになります。保護者のかたは、お子さん本人が取り組みやすいように、手が回らない部分のサポートをしてあげてください。

まとめ & 実践 TIPS

テスト本番に苦手意識があり、実力があるにもかかわらず得点できないお子さんには、これまでのテストを振り返ることが有効です。ただし、苦手な教科や間違えた問題ばかりを振り返るのではなくて、正解できた内容も見返すことでお子さんは「テストで点数をとれる感覚」を持つことができます。
保護者のかたは、お子さんが主体的にテスト対策の計画を立てられるように、サポートをしていけるとよいでしょう。

プロフィール


小川大介(おがわ だいすけ)

教育家
見守る子育て研究所 所長
1973年生まれ。京都大学法学部卒業。
学生時代から大手受験予備校、大手進学塾で看板講師として活躍後、コーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。現在は、教育家として講演、人材育成、文筆業と多方面で活動している。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。
受験学習はもとより、幼児期からの子供の能力の伸ばし方や親子関係の築き方に関するアドバイスに定評があり、各メディアで活躍中。『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』(KADOKAWA)など著書多数。You Tubeチャンネル「見守る子育て研究所」も今夏より開設。

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