【中学受験】自信が持てず緊張する子に、本番で実力を発揮させる声掛け3つのコツ [やる気を引き出すコーチング]
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「受験が近づいてきて自信がなくなってきているみたいです」、「うちの子は本番に弱いタイプなんです」と心配する保護者の方のお声を耳にする時期です。ここまでがんばってきたのですから、あとは存分に力を発揮してもらうだけなのですが、どんな声かけをしてあげたらよいのでしょうか。
1.湧いてくる感情は消そうとしなくていい
自信がない気持ちや緊張感は、どうしても「あってはならないもの」、「なくす必要があるもの」と捉えられがちですが、感情は抑えようと思っても、自然と湧いてきてしまうものです。暑い時には汗が出ますし、寒い時には震えが起きます。それらと同じで、まったく自然な反応と捉えてみてください。
「そんな弱気なことではダメだよ!もっと自信を持って!」などと言ってしまうと、子どもは「自信がないと合格できないんだ」と思ってしまいます。また、良かれと思って、「緊張しなくても大丈夫だよ!」と言ってしまうと、「緊張はしてはいけないもの」という思い込みを子どもに植えつけてしまいます。子どもの気持ちは、よけいに「こんな自分では合格できない」とネガティヴな方向に行ってしまいます。
コーチングでは、相手の気持ちを否定せずに受けとる「受容」というコミュニケーションをとっていきますが、こういう場合にも、「受容」はとても効果的です。「自信がないって思っているんだね」、「緊張感があるんだね」とただ受けとってあげます。「あっていいんだよ」、「あるのが当たり前なんだよ」という気持ちを持って、決して否定せずに受けとります。
2.思い込みを差し替える
「自信がない」というお子さんには、こんな質問をしてみます。「いつも自信満々でやっていることって何かあるかな?」。冷静に考えてみると、何事においても、自信満々で取り組んでいることなどそうそうあるわけではないことに気がつきます。「自信がなくてもできていることっていろいろあるよね」、「自信がなくてもできる力を持っているんだよ」と声をかけます。そのことによって、「自信がないとできない」という子どもの思い込みを差し替えます。
「緊張」については、逆に「なくてはならないもの」と伝えます。「緊張するっていうことは、絶対に合格したい!という気持ちの現れだよ。受かっても落ちてもどっちでもいいやって思っている人は緊張なんてしないよ。絶対に結果を出したい!と思う人だけが緊張するんだよ。がんばろう!という気持ちの現れなんだよ。だから、緊張はあったほうがいいんだよ。とても大切なものなんだよ」。そんなふうに伝えてあげると、「緊張してはいけない」という気持ちが和らぎます。
「緊張していたら実力が発揮できない」という思い込みを差し替えていくのです。大人が一緒になって、緊張を恐れるのではなく、「順調!順調!いい感じで緊張してきたね!」と緊張を楽しむ気持ちでいてあげてください。
3.「やってきたこと」をふりかえる
この時期は、「できないこと」や「まだ十分にやり切れていないこと」を考えると、どんどん自信がなくなり、不安になっていきます。準備というのは、どんなにやっても「これで完璧!」とはなかなか思えないものです。本番直前には、「これまでやってきたこと」をふりかえり、「これもやってきたね」、「これもできたね」とできたことを数えてあげるようにすると安心感が湧いてきます。追い込み勉強をする時間も大切ですが、これまでどれだけたくさん勉強してきたのかをふりかえり、「本当によくやってきたね」と認めてあげる時間も大切です。
もちろん、ふりかえることで、「あ!これもまだやっていない」と気づいて、不安になる場合もあるでしょう。そんな時も「今、気づいてよかったね」、「まだ間に合うよ」と肯定的な言葉をかけてあげてほしいと思います。
まとめ & 実践 TIPS
中学受験の場合は、どちらかというと、お子さんよりも、保護者の方のほうが「うちの子は大丈夫かな?」と不安になり、緊張されていることが多いように感じます。ご自身の気持ちに対しても、「不安も緊張もあってよし!」と自己受容してあげるとよいでしょう。
いよいよ、お子さんが目標に向かってがんばってきた力を発揮する瞬間がやってきます。これまでの努力を認め、労い、力を信じてあたたかく見守ってあげてください。
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