合否をどう受け止めるか [高校入試]
2月末から3月にかけては、これからまさにお子さまが入試本番を迎えるかたも、すでに結果が出ているというかたもいらっしゃると思います。
今回は、入試の結果を受けて進学先を決定する前に、保護者のかたに心に留めていただきたいことについてお話しします。
「結果」よりも「努力」を振り返る
受験生にとって、入試の直前・直後は気持ちの浮き沈みが激しく、周囲の状況にも何かと心を動かされがちな時期だと思います。同じクラスの中に、先に推薦入試で合格していく子や、第一志望校に合格できず、落ち込んでいる子がいるかもしれませんね。
難易度が高い高校に頑張って合格できた場合、喜びが大きいのは当然ですが、時として友達が自分より“下”にみえてしまうということが起こります。逆に第一志望校に合格できなかった場合、自分はダメな人間だと思えてしまうことがあります。
保護者のかたはぜひ、合否の結果だけではなく、お子さまのこれまでの努力をそのまま認めてあげていただきたいと思います。第一志望校に合格した場合も、「合格していなかったら大変だった」というような発言は避けるべきです。
また、第一志望校に不合格だった場合、残念な気持ちになるのは当然ですが、「難易度別」のものさしを早めに切り替え、進学先の高校を、お子さまが大切な青春時代を過ごす場所として再評価することが大切です。保護者のかたが残念な気持ちを引きずっていると、お子さまも後悔を引きずってしまい、入学後も高校生活に対して前向きになれない可能性が大です。
「ものさし」を切り替える
「ものさし」を替えるといえば、最近、特進コースのある中高一貫校の広報部の先生にこんな話を聞きました。その先生は、広報部という仕事柄、特進コースの大学進学実績などを外部向けにアピールする機会が多いこともあって、知らず知らず「特進コースの生徒は優秀」という見方をしがちだったそうです。しかし、音楽サークルの顧問をするようになってから、その見方が変わったといいます。音楽のセンスや演奏の上手下手は成績とまったく関係ありませんし、友達から頼りにされる子も、楽器の片づけなど皆のために率先して働く子も、コースとは無関係です。どれも当たり前のことですが、「音楽」という勉強とは別のものさしがあってこそ、気づけたことだったというのです。
高校時代は、お子さまの活動範囲も視野も、大きく広がる時期だと思います。何かに夢中で打ち込んだ経験や、自分と価値観の異なる友達との出会いは、子どもたちの世界を大きく広げ、成長を促してくれます。
お子さまが残り少ない中学生活を楽しみつつ、高校生活に、期待感を膨らませられるとよいですね。